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Fête des Vendanges de Montmartre
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モンマルトルのぶどう収穫祭(Fête des Vendanges de Montmartre)。
パリの秋の風物詩のひとつ。
パリの街並みを歩いている瑠衣。
「ぶどう収穫祭・・・?」
あちらこちらに看板が設置されている。
「フランたちを誘ってみるか」
しかし、誰もスケジュールが合わない。サーシャは未成年であるため、誘うことはできない。
「そりゃそうよね・・・みんな忙しい・・・ダヴィッドは論外だな。祭りウキウキの僕に構っている暇なんてなさそうだ」
瑠衣は最後の切り札的に、ダヴィッドを誘ってみる。
「葡萄収穫祭か」
基本的に10月2週目の水曜日から日曜日まで行われる祭りで、土曜日は恒例のパレードがあり、沢山の人たちがつめかける。
「他のパレードと一線を画するのは、中世の衣装を身にまとっているんだ」
恰幅のいいムッシュなんかは中世からタイムスリップしてきたような佇まいだ。黒のコートに黒の帽子、赤のスカーフでシックに決めているのはモンマルトル共和国の人々たち。
「50代のhommeモデルさながらだ」
瑠衣は感嘆している。
昔から芸術家や詩人などが中心に盛り上げてきた、モンマルトルの伝統と文化を守られている。
中世ヨーロッパの衣装のみならず、カラフルな衣装を身にまとう衣装でのパレードも。
16世紀のフランスの衣装を身にまとったパレードも繰りひろげられる。
また、音楽隊の演奏パレードも。
「アコーディオン演奏の女性たちもいる」
音楽に合わせてフォークダンスさながらのダンスをする住民たち。
パレードは3時間ほどかけて、18区役所とサクレ・クール寺院の間を練り歩く。
試飲コーナーがいくつか設けてある。
「早速、ワインの試飲だ!」
瑠衣はダヴィッドの手を引いて、試飲コーナーに向かう。
しかし、販売ブースの担当者は瑠衣の顔を見るなり、嫌な顔をする。
未成年じゃないのか、と言わんばかり。
「Je suis 20ans!!」
(二十歳だけど)
「HEIN!!!!???」
毎回毎回、瑠衣の童顔ぶりに呆れる。
モンマルトルの丘で作られるぶどうは、75%がガメ、20%がピノ・ノワール。アルコール度数は11%程度で普通のワインより低めになっている。
「あまり美味しくないね・・・」
「あくまでも祭りだ。味を求めるのは門違いだろう」
「なんだか、空腹感じる」
「ルルは食い意地が張り過ぎだ。まさに花より団子だな」
ダヴィッドは瑠衣に呆れつつ、マルシェへ足を運ぶ。
クレプリ、ファラフェルサンドの屋台、ピッツァリアの屋台などが軒を連ねる。
「数々のフロマージュが売っている!ラクレットを使ったサンドイッチも売っているよ!?」
瑠衣は早速、ラクレットを使ったサンドイッチを頼んだ。
「生牡蛎も売っている」
ワインに合う牡蛎だけど、食あたりのケースも少なくない。
瑠衣も過去に食あたりを起こしてるため、生で食べるのは敬遠している。
ダヴィッドも翌日の仕事の備え、生ものは極力控える。
代わりに、バケットで作ったタルティーヌを買った。
「大きなグリルで美味しそうなソーセージも焼いている!いい匂いだ!」
瑠衣はこの時ばかり、ソーセージ売り場にも足を運ぶ。
「ワインを飲んだら、食事が美味しいよね。夕飯は要らないかも」
「飲み過ぎるな。おまえ、明日仕事だろう?」
「解っているって」
瑠衣も翌日に備え、あまり飲まないように心掛けている。
「夜は控えめにしたらいいとして・・・」
********
作者yunaより。
モンマルトルの葡萄祭をテーマにしました。
18区で毎年秋に執り行われます。
治安はとても悪い場所ですが、このようなイベントは中世の雰囲気を味わえるの請け合いです。
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