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はじめまして
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死神に名前なんて無い。
そんな俺に、名前をくれた子供が居た。
お日様みたいな笑顔の似合う子供。
その子の余命を告げる為に、俺は会いに行ったんだ。
それは、その子の余命一週間前。
あんまり早くに行ってしまっても、余命を使って大胆な事をされては困るから……早くて一週間、遅くて当日に会いに行く。大人は特に何でも出来たりするからな。
下見も兼ねて、俺は一度は会いに行く。
遠くから見守る事もあるし、気紛れに話し掛ける事もある。今まで出会った人々は死にたくないと泣く者もいれば、死期を悟っていた様に儚い笑みを浮かべる人が多かった。
でも、その子は違った。
ただ寂しそうに窓の外を見詰めて、ずっとベッドの上に居る子供。たまに苦しそうに咳をする。
ふんわりした髪はクリーム色に近くて、お日様に反射してきらきらと輝く。その青空を映す大きな瞳は澄んでいて、それに魅入られた様に近付いて行ったんだ。
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