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むずかしいこと
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ヘンゼルとグレーテルと魔女は、敵対関係。
狩る者、狩られる者。
食用の動物達と仲良くするかと言うような問い掛けは、俺には理解不能だった。
「いっしょにおかしをわけあって、しあわせにくらしました。だったらよかったのになぁ」
なんて、言うけれど。
俺には自分の食糧を分け、生きる為の必要な物を減らす理由がわからない。
損得勘定で、人は動く事を良く知っている。
「ぼくはね、あおくんがおなかをすかせてたら、あげるよ」
突拍子も無い言葉。
俺は戸惑いながら悠斗を見詰めた。
「もしそれがお菓子の家の様な大きな物ではなく、小さなクッキー、一つだとして。悠斗が凄くお腹を空かせていたとしても?」
「うん、あおくんがおなかすいてて、つらそうならやだもん! ぼくが、がまんする!」
そう言って笑う悠斗の言葉が、今度は俺には難しくて分からなかった。
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