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いない、いない
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ずっと時間も気にせず読み耽っていたら、時計が正午を指している事に驚く。
また明日と。
昨日は約束しなかった。
けれど、あの子の余命は短い。
1日1日を大切にしたい筈だ。
ゆっくりと腰を上げて、本の後始末は先延ばし。
彼に会いに行かなくては。
きっと、待っているから。
約束は無くても、そんな気がする。
俺はあの子の家へと足を向けた。けれど其処には彼の姿は見当たらず、母親が慌てている様子が映った。
どうやら、勝手に家を抜け出したらしい。
でも、どうして?
やはり、読んだだけでは人間の行動パターンは理解不能だ。
何か外に面白いものを見つけたのだろうか?
それとも、何か別のトラブルに巻き込まれたか。どちらにせよ、探しに行って伝えなければならない事がある。
お前の母親が、血相を変えてお前を探している、と。
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