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おれはなんだろう
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明日は、お母さんと過ごすと悠斗が言った。
それなら、明日は俺は此処には来てはいけない。
二人の時間を邪魔するべきでは、無いと思えた。
「じゃあ、また今度」
たった1日会えないだけで凄く寂しそうな顔をする悠斗にそう告げると、悠斗が顔を綻ばせる。
胸が暖かくなって、俺は悠斗の髪を撫で回した。
人間は不思議だ。
感情の起伏が激しく、一喜一憂する。
俺達死神には、そういった奴は少ない。少なからず、俺は会ったことは無い。
一つ一つ芽生える感情に、名前を付ける事はまだ出来ない程俺には感情はまだよくわからない。
でも、知っていく度、ずっと何も感じなかった世界に色が付くようで。目の前の子供は、暗闇にいた俺を照らす光なのだと、思った。
悠斗は太陽。
俺は、なんだろう。
太陽を影らせようとする、雲だろうか。
太陽を呑み込もうとする、闇だろうか。
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