アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
かたちのちがうやさしさ
-
俺が風に身体を震わせると、そっと肩が抱き寄せられる。死神で同じ体温な筈なのに、伝わってくる温もりは《やさしさ》だろうか。
感情は要らないと言いながら、何故?
俺は益々人が……しゅうみたいな感情がわからなくなっていった。
昔に、しゅうはどんな経験をしたのだろう?
比較的表情や感情が変わる彼。
しかし彼は感情を要らないと断言している。
「……しゅうは、昔に失敗したのか?」
ちらりと隣に視線をやれば、静かに彼は目を閉じていた。
「んー? 完璧主義な俺が失敗するわけないだろ?」
返ってきたのはいつもの飄々とした声。
俺はそれ以上踏み込む事も出来ずに、口を噤んだ。
そんな俺をしゅうは笑って、こつんと額を合わせられる。深い、燃えるような赤と、目が合った。
「いいか、これだけは覚えとけ。《俺達に失敗は許されない》」
この一言は何よりも俺の心に重くのしかかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
49 / 55