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じかく、こうかい
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《失敗は許されない》
俺達は、幾らでも替えの利く存在。
そもそも失敗するというケースを考えた事も無かったが、言われて、気が付く。
俺は、彼を殺せるだろうかと。
此処に、いいえの選択肢は無い。
仕事だ。それが存在理由だ。
今までだって死に怯える人々の命を狩り取って来た。懇願し、助けてくれと言う者だって居た。
それを俺は無感情に、無慈悲に奪った。
今回も同じ。だが、心に躊躇いが生まれている。
彼が悲しむ様を、見たくない。
笑っている姿を、見ていたい。
ああ、これが。
芽生えた《感情》なのだと。
理解するに時間は掛からなかった。
漸く、深入りするなの意味を理解した。
理解するのは、遅かった。だからこそ、膨れ上がっていた感情を俺は、もうどうする事も出来ない。
3日後に迫っている選択肢。
俺が、彼に鎌を振り下ろす迄のタイムリミット。
友達だと笑うあの子に。
俺は刃を突き立てる事が出来るのだろうか。
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