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side カナデ
高等部に上がり初めてのヒート
俺はいつものように家にこもった
レイには内緒にしているレイの親からもらったレイのフェロモン注射をし、布団にもぐりこむ
長くても1週間もすれば治まる
幸いな事に俺のヒートは多分他の人より軽い
物を食べれなくはなるが、精神的にものすごく不安定にはならなかった
もしかしたら、母親を見ていたからかもしれない
父親がいなくて不安定になる母
物を壊し、自分の髪を引き抜き、ベッドで泣く
少し落ち着いたら俺は母親のそばに行きいつも抱きしめていた
俺からこぼれる微かな父親の血の匂いに安心する母親は見ていて痛々しい
もう何年もこうだ
父親はたぶん母さんの事を家畜か何かだと思っている
でも、それは仕方がない
そう言う世の中だ
ベッドにもぐり俺はふと自分の首にある噛み後をなぞる
どくんっ と血が流れるのがわかった
無性にレイに会いたい
でも、これから先何年も俺はこの呪縛に耐えなければいけない
だから会いたくない
レイは大企業の御曹司、俺は大企業お抱えのΩ
いずれレイは俺を捨てる
俺に待っているのは母さんのような人生
だから期待なんてしない
夢なんて見ない
いずれ捨てられるのなら、深入りはしない
それでも学校ではなるべくレイのそばにいる
レイは学校でもモテる
αらしい整った顔をしているくせに言動はαらしくない
そんなレイの隣にいるのはやっぱり昔と変わらず居心地がよかった
あぁレイの事を考えるのは止めよう
流したくもない涙が俺の頬を伝った
寝て起きると次の日の夜だった
のどが渇き重たい足を引きずりながらキッチンに向かう
母さんはもう寝ているようだ
2人暮らしにはいささか広すぎる部屋
ヒートを起すとこの部屋が異常にむなしく感じる
もっと狭かったらいいのに
コップに水を汲み飲む
冷たい水がのどを通る感覚が心地いい
今回のヒートはあまり長引かなさそうな事に安堵する
明日には午後からでも学校に行っても良さそうだ
俺はもう1度寝るためにベッドに戻った
早くレイに会いたい
段々とレイは俺に触る回数が減った
気づいてないわけではない
きっともう、レイは俺に愛想が尽きている
それでも、噛んだ手前俺をそばに置くしかない
その弱みに付け込んで俺はレイのそばにいる
Ωはαがいないと生きていけない
けど、αは違う
αもΩなしには生きていけなければいいのに
そしたら、俺は…
俺はどうする?
レイに素直に欲情する?
俺を受け入れて、好きだ、愛してるなんて台詞をいう?
馬鹿げてる
そうなったらレイはきっと俺なんかを噛んだりしない
捨てられるのは怖い
だから、近づかない
でも、近くにいないと不安になるから捨てられない位の距離で近くにいたい
母さんのような惨めな思いだけはしたくない
次に目を覚ましたのは夕方だった
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