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side カナデ
目が覚めると自分の部屋だった
体からカズマの匂いがする
俺は重い体を引きずるようにお風呂へと向かう
頭が痛い、ついでに心も
シャワーを浴びごしごしと体を擦る
赤くなっても血が出てもカズマの匂いが消えない
身も心も引き裂かれそうだ
「……うぅ、うぅ。………レイ、会いたい」
でも、こんな俺はもうレイの近くにいる資格なんてない
これ以上洗っても無駄だと分かっていても洗い続けた体は全身血だらけになった
自分の血で幾分か匂いが収まった体を引きずり冷蔵庫に向かう
予備にとって置いたフェロモン剤を打つ
はくはくと早かった脈が幾分か落ち着いたのが分かる
そのまま布団へもぐった
今は眠ろう
レイ…
ぎゅっと自分を抱きしめて俺は眠りに付いた
また目を覚ます
もう何日たったかわからない
こういうとき自分が御曹司の息子なことに感謝する
どれだけサボった所で学校からのお咎めはない
もう一眠りしよう
ぐらぐらする頭を抱えながら俺は目を瞑った
匂いがする
俺が好きな匂い
金木犀のような甘い香り
………レイ?
目を開けると目の前にレイがいた
「……レイ?…なんで?夢?」
「夢?ずいぶんだね?カナデ。そんなに俺が嫌い?発情期に弟とやったのはなに?俺へのあて付け?」
レイの笑った顔でも、その目は怒っていた
「何しに来たの?レイ。今更、番の手綱でも引こうって?具合悪いから帰って」
久しぶりに嗅ぐ俺の好きな匂い
もっと近くで嗅いでいたい
この匂いに抱きしめられたい
欲深い自分に嫌気がさす
「泣くほど俺の事が嫌?カナデ」
俺の頬をレイが触る
「カナデのお望み通りにしてあげる。カナデが誰のものかその体にちゃんと教えないとね」
笑顔のレイの笑ってない目
それなのに
その目に見つめられるだけで俺の体は歓喜に震える
「いい声で鳴いてよ?カナデ」
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