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雅弘side
二人でカートを押しながら夕飯の食材を入れていく。雅弘は料理のセンスが無かった。おにぎりを作ればなぜかシャリシャリとし、卵焼きを作れば辛くなった。佳那がキッチンに立ち、皿洗いなどは雅弘が手伝う。
雅「久しぶりにお吸い物がいいなぁ」
佳「ほっこりしますよね」
佳那のふにゃりとした笑顔に雅弘の胸は温かくなる。そろそろ米が無くなりそうなため米をカゴに入れる。お菓子コーナーを通ると佳那がお菓子をじっと見る。どうやらお菓子が食べたいようだ。
雅「なにか食べたい?」
佳「ふぇっ?!大丈夫です!!」
佳那の口癖"大丈夫"。姉が亡くなり、雅弘と生活してからよく言うようになった。なにをするにも自分のことは後回し。雅弘はそんな佳那をたっぷりと甘やかしたいと思う。
雅「500円までなら好きなの買っていいから。俺も食べたいし」
佳那はちょこちょこと走りお菓子コーナーへと行った。目を輝かせながら好きお菓子を選ぶ佳那は子供みたいだ。実際子供だが、普段は背伸びをして大人のように振る舞う。
雅弘の所へ来るとカゴにお菓子を入れた。
雅「じゃあ、会計しに行こうか」
佳「はい」
会計を済ませると、エコバッグに食材を入れていく。佳那は倹約家で、ポイントカードでポイントをためては、そのポイントで品物を買う。ポイントはレジ袋を使わなければ倍になるため、エコバッグは欠かせない。
2つに分けたバックを持つ。佳那の方に重たい米が入っていた。
雅「交換するよ」
雅弘は軽い方を佳那に持たせた。佳那は少し頬を赤らめては礼を言う。
そんな顔をされては勘違いしてしまいそうだ。
外は日が落ち、電灯の光が足元を照らす。我が家へと帰る道。ゆっくりと黒い影は小さくなった。
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