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歪む視界
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佳那side
ふらふらとする頭。まっすぐ歩くのが難しい。夏であるのに、こんなにも寒く感じる。蝉の生きようと鳴き、それがガンガンと頭に響いた。
竹内「おはよー!佳那!!」
背中に抱きつかれるとバランスを崩した。竹内は佳那の体を支えると、顔を覗き込んだ。
竹内「佳那大丈夫?目の下の隈がひどいし、顔色も良くない 」
佳那「大丈夫だよ」
電車がまだ動かない。いまなら、家へ戻ることもできるが…
家にいたくない。
眠れば怖い夢を見る。
休めば、雅弘に迷惑をかける。呆れられる。
深い沼は足を離さない。
ゆっくりと、飲み込まれていく。息をするのがやっとで、首を上げて必死に息をする。
竹内「辛くなったら保健室連れてくから」
佳那「うん…」
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竹内 涼平(たけうち りょうへい) 佳那の同級生
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