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真っ当
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スーツ靴に踵を入れて、見送る佳那に「無理をしないよう」と言うと手を振った。
雅弘「いってきます」
佳那「いってらっしゃい」
幸せそうに手を振る佳那が可愛くてつい頬が緩む。玄関のドアが閉じると燃えるゴミの日に出すゴミ袋を持って階段を降りた。
同じ階に住む年老いた女が挨拶をすれば、雅弘は会釈をする。今日は上司と会食をした女性について話し合おうと思い気合いを入れる。
電車に揺られ眠気に襲われながら会社に着けば所属する部署へと進んだ。
杉原「あれ、隈がひどいけど?」
おはようと資料を持った杉原は雅弘に問う。まさか同居人の年下の男に手を出したなんて言えない。
雅弘「夜中にやってた映画が面白くて…」
軽く吐いた嘘。杉原はそれ以上追求せず、チョコレートを雅弘にあげると指定の席へついた。
朝礼まで少し時間がある。
上司のいる部屋へと向う途中、廊下で目当ての人物に会う。
雅弘「おはようございます。お忙しい中すみません!少しお時間いただけますか?」
空き部屋へ入ると、上司に頭を下げた。雅弘は会食の女性とは婚約できないと言ったのだ。
佳那に欲情する自身を止めようと彼女と関係を持とうと考えたが、そんな失礼なことはできない。
雅弘の言葉に仕方が無いと上司は納得するが。
上司「娘と友人になってはくれないか?」
そう、言われては断れない。雅弘は一礼すると部屋を後にした。
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栗山 雅弘(くりやま まさひろ) 24歳。男。佳那を引き取った。佳那の姉の自殺の原因が雅弘らのいじめによるものだった。
佐武 佳那(さたけ かな) 親はいなく、唯一育ててくれた姉を中学2年で失う。お姉ちゃん大好き。
杉原(すぎはら) 雅弘の同期
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