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いつかきっと無くなるのかな
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中川が来た日から毎日、必ずと言っていいほど家に来た。二人がキッチンに立つ姿。楽しそうに会話する姿。それを見るその度に、佳那の心は締め付けられ悲しく崩れ落ちていく。
いつの間にか出来るようになった作り笑顔に、佳那は本当に笑うことを忘れてしまいそうだった。
雅弘「ただいま」
佳那「おかえりなさい。あれ、中川さんは?」
雅弘「今日は来れないって」
佳那「そうですか」
安心してしまった。そんな自分が凄く醜い。雅弘は持っていた紙袋の中からタッパを出した。それはどう見ても手作りの惣菜である。もう誰が作ったのか分かる。
雅弘「中川さんが作ってくれたんだ」
佳那「そう…ですか…………」
雅弘から夕飯も作らなくていいと言われたため、今夜は中川が作った惣菜が晩飯となる。
────僕が雅弘さんに作りたかった………
きっと雅弘は中川と婚約して、佳那だけが蚊帳の外となるのだ。きっとそれが日常だと慣れてしまうんだ。
この苦しい気持ちも、愛しい想いも
いつかきっと無くなるのかな。
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