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鼓動
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───────…
涼平が帰る時、佳那は玄関まで涼平を送る。涼平は靴を履くと佳那に振り返り幸せそうに笑う。
涼平「ご飯美味しかった。これからも食べたい」
"これからも"
その言葉に佳那は気にしなかったが、雅弘は眉を動かした。まるで、ずっと佳那と過ごしたいと言っているような口ぶりである。
佳那「涼平が喜んでくれて良かったぁ…あっ…これ涼平のお母さんに」
佳那は夕飯に作ったデザートを涼平に渡した。涼平は「ありがとう」と言うと佳那の頭を撫でた。
それは癖なのだろうか。佳那に向ける涼平の熱い瞳に佳那は気づいているのだろうか。
涼平と佳那の関係に雅弘はもやもやが重なっていく。
涼平「じゃあ、またな」
佳那「うん」
佳那は玄関を出て、涼平の背中が見えなくなるまで手を振り続けた。
雅弘「佳那くん、外寒いから家に入ろう」
佳那「はい」
11月の外は寒い。佳那の鼻は赤くなっている。
雅弘は佳那の鼻に人差し指でチョンと触ると、「トナカイ」みたいにと笑った。
佳那「あぅ…」
すごいカッコイイ。佳那は雅弘の笑顔に一撃された。視線が絡み見つめ合う。
────あれ、どうしよう。凄い顔が熱い。
好きな人が自分を見て、笑ってくれてるのだから。
視線を逸らすこともできず、佳那は口をぱくぱくとさせる。
雅弘「佳那?」
佳那「ひゃい!ココア飲みますか?」
雅弘「うん。あっ…明日、予定ある?」
佳那「いいえ?学校休みですし」
雅弘「俺も休みだから出かけようか」
佳那「はい!」
────────────
栗山 雅弘(くりやま まさひろ) 24歳。男。佳那を引き取った。佳那の姉の自殺の原因が雅弘らのいじめによるものだった。
佐武 佳那(さたけ かな) 親はいなく、唯一育ててくれた姉を中学2年で失う。お姉ちゃん大好き。
竹内 涼平(たけうち りょうへい) 佳那の同級生
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