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雅弘side
「最近、やけに早くない?」
同僚である杉原はそう言った。
雅弘「何が?」
杉原「帰りが」
仕事はきちんと定時で上がっている。残業をしていない、ただそれだけだ。
雅弘が速いのには理由があった。
佳那と夕飯を作るからだ。
可愛らしい袋で包まれた弁当箱を鞄にしまう。
午後の仕事が終われば家に帰れる。
早く帰りたい。
杉原「今度の昼、外食しない?」
雅弘「かな…子供が料理を作ってくれてるから」
杉原「いいじゃん。子供に楽させてあげたら?」
雅弘「いや、俺も一緒にその子の分も作ってる」
杉原「高3、受験生だっけ?」
雅弘「そう、来年は…」
佳那が寮暮らしになるかもしれない。来年からあの家で1人になる。
寂しいと思ってしまう。佳那と出会うまでは一人暮らしだった。2人でいるのが長すぎたのかもしれない。幸せな時間を味わってしまった。
杉原「どうした?」
雅弘「いや…なんでもない」
杉原「あっ!今度、宅飲みしていい?」
雅弘「えっ、佳那くんに聞いていい?」
杉原「佳那くん………子供の名前?」
雅弘「そう、いい子でね、可愛くて」
杉原「会ってみたいな、その子に」
────────
登場人物
栗山 雅弘(くりやま まさひろ) 24歳。男。佳那を引き取った。佳那の姉の自殺の原因が雅弘らのいじめによるものだった。
佐武 佳那(さたけ かな) 親はいなく、唯一育ててくれた姉を中学2年で失う。お姉ちゃん大好き。
杉原(すぎはら) 雅弘の同期
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