アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
覚悟しといて
-
涼平side
落ち着いたのか涼平の腕に入れていた力が緩む。やっと佳那の顔が見え、涼平の胸はさらに締め付けられた。
涼平「なんで、佳那が泣いてんの」
佳那「らってぇ………」
涼平「ほんと、魔性…諦められなくなるじゃん」
佳那の顔は涙でぐちゃぐちゃで、涼平はその涙を袖で拭う。
大きな瞳から大粒の涙が。鼻は真っ赤になっている。
あぁ…どう頑張っても佳那は手に入らない。
────友達には戻れない。だから、俺とあの男どちらがいいか考えてと、卑怯な選択をさせたと思う。
佳那が選んだのは俺じゃない。あの男だ。
悔しい。
悔しいし、辛いし、諦められない。
あぁ…ほんとに好きなんだよ。
佳那の不安と優しさが混ざった瞳。真珠の涙を指で掬えば、佳那はくしゃりと顔を歪ませた。
涼平「わかった…今は諦める………俺、もっといい男になるから…覚悟しといて」
佳那「っん?………諦めてくれるの?」
涼平「今は」
ぶにゅっと佳那の顔を両手で包む。唇がツンと出て、「なにしゅるのっ」と佳那は不機嫌な顔になる。
涼平「ふっ…不細工な顔」
佳那「しょれはっ…りょーふぇーのしぇい」
今は2人の幸せを認めてあげる。でも、もしあの男が佳那を傷つけたりしたのなら容赦なく奪おう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
91 / 167