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風邪ひき
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佳那side
ソファーで眠ってしまった雅弘が魘されていた。佳那は心配になり雅弘を起こせば、雅弘は震えていた。抱きしめて少し時間が経てば、雅弘はぐったりと佳那に寄りかかった。
雅弘の体温が熱く感じ額と額を合わせると、案の定雅弘は高熱を出している。
佳那「雅弘さん、明日はお仕事休んだ方がいいですよ。お熱があるので、歩くの辛かったらソファで横になっててください」
雅弘は頷くと、言われた通り横になる。
佳那は雅弘に水を飲ませたり、お粥を作ったり、必死に雅弘の熱が下がるまで付きっきりになった。
────夜、雅弘の寝ている隣で佳那は布団を敷いて寝る。
雅弘「う"う"……」
夜中、何度も魘されている雅弘。また怖い夢を見ているのだろう。佳那は起き上がると、雅弘の頭を優しく撫でる。
怖い夢が消えますように───
そう願い、佳那は汗で濡れた雅弘の額をタオルで拭いた。
雅弘「かな………」
佳那「なんですか?」
目を覚ました雅弘は、自身の顔を手で隠した。
雅弘「ごめん…」
"ごめん"その意味は雅弘にしか分からない。
雅弘が迷惑をかけて申し訳なく思っている、佳那はそう思っているだろう。
雅弘の指の隙間から落ちていく悲しみ。
暗いから雅弘の瞳から流れる涙に佳那は気づかない。溢れて止まらないのは熱のせいか、それとも────。
佳那「はやく元気になるといいですね」
佳那は雅弘が眠りにつくまで、ぎゅっと大きな手を握った。
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