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風邪ひき2
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雅弘side
─────…
体の熱は冷め、可愛らしい寝息が聞こえた。昨日のことが思い出せない。それほど、熱が酷かった。
佳那を起こさないように部屋を出た雅弘は、喉を潤すためにキッチンの冷蔵庫を開けた。中には昨日佳那が作ってくれたであろう、お粥が入っている。
佳那に迷惑をかけた…
落ち込みながら、ペットボトルのキャップを開けると、コップに清涼飲料水を注ぐ。それは、甘く今の体を癒やす。
休みを取ったため、雅弘は1日何もすることが無い。佳那は昨日の事で疲れているだろう。そう思い、朝食を作り始めた時、「雅弘さん!!!!」と背後から佳那の声が聞こえた。声のトーンで佳那が怒っていることが分かる。が、なぜ怒っているのか雅弘には分からない。
佳那「風邪引いてるのに、なんで朝ご飯作ってるんですか!お腹空いたなら僕を起こして!!僕が朝食を作ります!」
雅弘「でも、熱下がったし…」
佳那「下がったとしても、病み上がりです。」
プリプリと頬を膨らませた佳那は「ソファーで休んでいて下さい」と雅弘の背中を押しキッチンから追い出した。
佳那にやってもらいっぱなしは良くない。雅弘はソファーに座りながら、洗濯物をたたむ。
トントンとリズム良い音。ジューっと炒める音。佳那の後ろ姿は嫁である。
洗濯物をたたみながら佳那を見て、雅弘は頬を緩めた。じわぁーっと温かく感じたのだ。
佳那が振り向く。すると、「もう…なんで休んでないんですか…」とまた頬を膨らませる。
雅弘「休んでるよ?」
佳那「今日は僕がします」
雅弘「洗濯物くらいやらせて?」
佳那「うぅ…無理したら怒りますからね」
雅弘「佳那くん。ありがとう。昨日は迷惑をかけてしまった…」
佳那「誰だって風邪をひくし、僕は迷惑だなんて思ってません。今日、1日…………雅弘さんと、一緒にいれるのが、、、うっ、嬉しいです」
なんて天使なんだ。佳那の周りに光が見える。眩しい。
純粋な言葉は、影を照らす。不安な事も忘れ、嬉しくなった雅弘は立ち上がり佳那の隣へ行く。
雅弘「佳那くん」
佳那「はい?」
雅弘「すき」
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