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旅行
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佳那「温泉です!!」
佳那にとって新幹線に乗る時から小学生の遠足気分だった。昨晩から興奮気味だった佳那は寝不足な顔をしながらも大はしゃぎである。
現地に着けばあの温泉の硫黄の匂いがした。
雅弘「結構人がいるね」
佳那「ですね。雅弘さん、今日泊まる所って…」
雅弘「たぶんここら辺にあると思うんだけど…」
キョロキョロと辺りを見回すと、どこも似たような旅館ばかり。間違えて入りそうで、何度も地図を確認する。
佳那「あれでしょうか?」
雅弘「あれかな?」
2人であれあれ言いながら目的の場所へと着けば、足湯に視線がいった。足湯に行きたい気持ちを抑え、旅館のフロントへと進む。
"日本っぽい"と一つで表現するのはどうかと思うが、佳那はいつもとは違う環境に目を輝かせた。
天井にあるよく分からない浮世絵のようなものを見ているうちに、雅弘が部屋の鍵をもって佳那の元へと戻る。
雅弘「とりあえず部屋に荷物を置きに行くけど、その後どうする?」
佳那「足湯とかお土産屋さんとかたくさん見たいです」
雅弘と佳那は荷物を部屋に置くと貴重品だけをもって温泉街をブラブラと散歩する。2人の後ろ姿は何年も寄り添った老夫婦のよう。のんびりとした2人の間には温かな空気が流れた。
佳那「わっ!!」
人気の温泉街だからだろう、人が多く佳那は人の波に押される。このままだと雅弘とはぐれてしまう。そう、はぐれてしまうから佳那らぎゅっと雅弘の手を握った。
佳那「迷子になっちゃいそうなので」
自分から迷子になりそうとか、わざとらしい言い訳をして大きな手を握る佳那。手を繋いで歩きたかったとは素直に言えない。
雅弘「俺も、迷子になりそうだから」
そう言って雅弘は大きな手を小さな手に絡めた。恋人繋ぎというやつだ。
佳那「えへへ…雅弘さんが迷子センターにいたら大変ですもんね」
雅弘「そうだね」
ゲロ甘な雰囲気を漂わせた2人は体の距離を縮め、温泉街を満喫した。
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