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俺たちこ関係〜むつ〜
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金曜日
禁欲生活3日目。
華南にはテストの結果が出るまでお預けだと言ってある。意外にも華南はそれを守って修二にも手を出さないでいる。
まぁまだ半分もあるけど…
無事、というかなんと言うか。
やっとテストを終え、グッタリする中。
俺は修二と華南に提案してみた。
むつ「テスト終わったし、明日は遊びにいかねぇ?」
自然に…いつもどうり…
自然に…いつもどうり…
華南「いいね、パーッと遊ぼうぜ」
修二「あ、僕ちゃん兄貴の店に顔出さなきゃいけないんだよね」
…なーんだ、バイトか…
修二「2時半頃からでいい?」
むつ「え?いいの?」
俺が目を丸くしてうっかり声が上ずったら、修二はどうしたのって顔をしてる
修二「うん、ランチだけ手伝うんだ…それからでもいいなら」
むつ「お、おう、それでいいぜ!華南と迎えに行くし」
修二「そっか、じゃ、兄貴にも顔みせてって?久しぶりでしょ?」
修二が優しい顔して笑う。修二は兄貴である奏一さんのことが大好きだ。奏一さんも修二を大切にしてし過ぎるくらいで、少し過保護な部分がある、普段一緒にいられないからか修二は窮屈に感じるどころかかまってもらえるって嬉しそうだ…
まぁ、上手く誘えたみたいだし、意外に簡単だったな…
明日何着て行こう…
俺、浮かれてる?
…
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土曜日
天気予報では、早くて夕方から雨が降るでしょうって女子アナが言ってて、少しガッカリした。まぁ、早くて、だし、なかなか朝の天気予報は当たらない。
俺は11時にゲーセンで華南と待ち合わせた。
デートの肩慣らしにいつも行く場所に行くことにした俺、これが女だったらこんな場所じゃまずいんだろうが…、あえてそういう雰囲気のある場所はもう少し経験値を貯めてからにしたい…今の俺の装備じゃ旅人の布に旅人の杖と言ったとこだ…
華南「10分前…むつが時間前にいるなんて珍しいな」
むつ「俺だってたまには…」
華南「そっか」
人が意識しないようにしてるのに…ニコニコしてオシャレな格好の華南…絶対デートだと思ってここに来てるなこいつ…
ゲーセンの中に入って目新しいやつに2人でチャレンジして楽しんでる間に、最初の妙な緊張は溶けていつもどうりの俺になれた…
華南「もうすぐ1時になるし、奏一さんの店で昼飯にしようか?」
昼時の混雑時を避け、俺たちは奏一さんの店に向かうことにした。
幸い天気は綺麗な青空、まだまだ雨雲が来そうな雰囲気じゃない。
昼間はランチ、夜はバーという奏一さんの店は黒と白で統一されたシックな店だ、店員は皆、白いシャツに黒のベストに長いサロンを巻いた格好でイケメンばかりがいる。
華南「おっ、修二見っけ!」
イケメンの店員にまじって、カウンターでコーヒーを入れてる修二の姿が目に入る。
奏一「いらっしゃいませ」
修二に気を取られていたら、店一番のイケメンに声をかけられた。
奏一「久しぶりだね、2名様でよろしいですか?」
スラッとした体型に、黒い仕事着が誰より似合う、大人な男、修二の兄、奏一さん
むつ「はい、2名っす。ご無沙汰してます」
奏一「こちらへどうぞ」
仕事中の奏一さんに軽く挨拶して、修二のいるカウンターに案内され、気づいた修二が体の前で小さく手を振って、仕事を続けた。修二の目の前の席に華南と2人で座って、修二の仕事ぶりを眺めながらランチを食べた。
2時過ぎになると客足が減り、奏一さんが店のお勧めデザートを持ってカウンターへやって来た。
奏一「テストの手応えはどうでした?」
キリッとした目尻を柔らかく下げて微笑む、営業スマイルの奏一、綺麗な顔立ちは修二と似たパーツでできているが、奏一さんの出来る男の表情は人より少し苦労して育ったからだろうか、今となっては大人の色気をまとっている。
むつ「頑張りました」
奏一「むつはいつも頑張りました、ですね、デザートにティラミスをどうぞ」
自分の店の中だから丁寧に話す奏一は昔ヤンチャしてたとは思えないスマートな仕草でお皿を二つ置いて、終わった食器を手に取る。
華南「あざーす」
むつ「いただきます」
奏一「それ食べ終わる頃には修二上がれるから」
お客「すいませーん」
奏一「はい、少々お待ちください」
片付ける食器をを手にしていた奏一はそう答えると、小さく「じゃ」と言ってカウンターを後にした。
やっぱ奏一さんてカッケーなー。
昔暴れてたなんて思えないぐらい今は仕事バリバリして自分の店持って、しかも2号店もあるし、出来る男は違うなぁ〜
奏一と入れ替わるように、スタッフルームから修二が私服で現れカウンターの華南隣に腰掛ける。
修二「お待たせ、食べ終わったら行こうか?なのする?」
修二が合流してからも特にプランがあるわけでもなく、買い物して、フラフラして、なんだかいつもどうりだ。
華南と待ち合わせしてた時の緊張はなく、ただただいつも通りくだらない話をしてグダグダ過ごし、誘ったむつ自身、今日のお出掛けがデートだということが頭からはすっかり抜け落ちて楽しんでいた。
4時頃、辺りは明るいのに頭上から雫がポツリとして、朝の天気予報を思い出した。
修二「夕立かな?一雨きそうだね」
そう言った修二が、雨宿り出来るところはと辺りを見回して、一つの看板が目に止まった。
修二「あ、今日学生半額だって」
それは映画館の看板で、修二が映画の内容に興味を持っていたので、ちょうどいいって華南と話し3人で映画館に入った。
あっぶねー、デートっていうの忘れてた。
まぁ偶然とはいえ、定番スポットの映画館に入れたし、こっからこっから
気合を入れ直すと、修二が飲み物とポップコーンを買って来てくれ、華南が後方の真ん中の席を取っといてくれた。俺たちは、左から俺、華南、修二の順で座る。
流石2人は慣れてるなぁ、そう思いながらもポップコーンを口にほおばると、華南と修二がクスクス笑やがった
華南「むつ、ボロボロこぼれてる」
修二「ほら、ティッシュ上げるから」
むつ「悪かったな」
修二からひったくるようにティッシュを奪い、ズズッと音を立ててジュースを啜る。
やっぱりデートはもう少し勉強してからにしよう…
旅人の布、旅人の杖では到底二人を楽しませたりリードできないと思ったむつは、暗転と同時に見えずらくなった2人の顔に安堵して、背もたれに深く腰掛けた…
ここ数日、テストの勉強と平行して、恋人とは、とか好きについて考えてたり、昨夜はどんなのがデート?なんて頭を使いすぎてたから、映画館の薄暗さが妙に頭がフワフワしてきた。
欠伸をして目をこすり、それを繰り返していると、フワリとあったかいものが頭を引き寄せ、大きな肩にもたれた、それが華南だと気付いた時、むつはその大きな体と、気持ちいい睡魔に身を沈めた…。
映画が終わる頃には雨は上がっていたが、むつは起きることはなく、気持ち良さそうに眠る彼を2人は起こさず、むつの部屋へと運ぶのだった。
その後夜中に起きたむつは、本当に慣れないことはするもんじゃない
そう心底思うむつだった。
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