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俺たちの恋心〜むつ〜
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ぐるぐる考えてみたが、恋愛経験の無いむつには何の考えも浮かばない。
むつ「お前なんでそんな余裕なの?むかつく」
華南「余裕じゃねーよ」
笑って答えやがる。恋愛経験豊富な華南からしたら色恋の駆け引きはお手の物か?
華南「俺、修二の気持ちなんとなくわかるからさ」
むつ「あーそうですか、どーせ俺は恋愛経験もセックスも下手くそで、修二の考えてることなんかわかりませんよ」
イライラしてそっぽを向くむつに、華南はフッと微笑んで、肩に手を回してきた。
華南「修二のことは、俺よりむつの方が詳しいだろ?むつのことも俺より修二の方が詳しい」
むつ「は?そんなこと…」
背けた顔を華南に向けたら、華南はむつの肩を抱いたまま、校庭の見えるフェンスをなんとも言えない切なげな表情で眺めている。
華南「俺、お前のこと気になり出したの高校1年の夏からなんだぜ」
むつ「え…」
高校1年?マキとの一件からじゃないのか…
華南「妙にむつが気になって、唇とかうまそうだなーって…俺、女には不自由してなかったのに…」
むつ「自慢かよ?」
華南が困ったみたいに笑うから、突っ込み入れたことが悪いことみたいに感じてむつは押し黙る。
華南「あの時期、荒れたんだ、男に惹かれるーとか訳わかんなくて」
確かに、高校入ってしばらくして、良く喧嘩した…3年の奴らに目を付けられて、イダテ達にも絡まれてたから、気にしたことなかったけど、言われてみれば、華南はやたら血の気が多かった。
華南 「そんな時にさ、秋くらいだったか…、体育をサボったむつが谷崎にこってり絞られて、校庭を走らされてるのを、屋上から修二と二人で眺めて、俺が煙草吸ってる時があってさ…」
ああ、覚えてる…1年の時は担任じゃない谷崎に歯向かってみたりして、谷崎もやたらと絡んできて…よく俺と華南は走らされてたけど、あの時は俺だけで、2人が屋上のフェンス越しに俺を見てて、華南が煙草吸ってるの見えて、谷崎いるのに見つかったらどうすんだって思ったっけ…
華南「修二がさ、むつを眺めながら、急に俺に、『むつが好き?』って聞いてきて…、修二って察しがいいじゃん、だから、意味深に聞こえて誤魔化す言葉が出てこなかった…」
*****
修二『むつってかっこいいから、ついつい見ちゃうよね』
唐突に、日常会話の一部みたいにつぶやかれ、心臓が煩くて黙り込んでいたら、修二が校庭のむつを見ながら話を続ける。
修二『いつまでも子供みたいで目が離せないのに、喧嘩強いし、ヒーローみたいでかっこいいのに、正直で可愛いし…眺めてて飽きないよね』
華南『…まだ…分かんねぇー…』
華南(分からない。
この感情を何のカテゴリーでくくるべきなのか…、男同士だぞ…認めたところで、どうにもならない)
黙ったままの華南の咥えていたタバコを修二が横から取り、口に咥えて吸い、吹く煙と一緒になんでもないことのように笑う。
修二『…人としての魅力には逆らわなくていいと思うけどなぁ…』
華南を見て柔らかく微笑んだ修二。
*****
華南「男を好きかもしれないって話ししているのに、軽蔑するどころか、俺の咥えていたタバコに修二は口をつけた。その瞬間、誰にも話せなかった重みが肩から下りた気がして、楽になった…ま、そのおかげで、むつを『気になる』が、『好き』かも…てなっちまったけど」
知らなかった…華南…悩んだりしたのか…なんか、そんな前から気にされてたとか…なんか…恥ずい…
呆気に取られるむつに、華南はむつの頭を抱き寄せて、髪にキスしてきた。
驚いて体を離そうとしたら、思いもよらない言葉が降ってくる。
華南「たぶん…修二は、それより前からお前が好きだったんだよ」
むつ「は?……」
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