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男子高校生の俺たち〜むつ〜
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吉良「酷いなぁ」
むつ「殴らなかっただけ感謝して欲しいくらいなんすけど」
再び、屋上の出入り口横の日陰に2人で並んで座り。吉良は残りの牛乳を飲みながら、赤くなった鼻をさする。
吉良「それに臭いし」
むつ「うっさいっすよ」
吉良「あれじゃ、百年の恋も冷めるよ?」
むつ「冷めてくれた方がいいっす。だいたい俺は付き合ってる好きな奴が居るって言いましたよね!!」
吉良「(そこに対するブレはないのね)…あんなによがってたのに…」
むつ「ッ!!」
確かに気持ちよかったよ!!2人以外は気持ち悪いのかと思ってた、でもそうじゃなかった…気持ちよかったけど…、
結局それだけだ。
むつ「触りっこしたら、気持ちが本物か分かるって言ったの吉良さんじゃん!!吉良さんに何も感じないし付き合うとか想像できないし、想像したくない」
吉良「酷いな、マスかきは想像できたのに?」
むつ「…そうだけど。吉良さんにときめかねぇーし」
吉良「…ときめ…、2人にはときめくの?」
高校生金髪の不良から発せられた単語に、吉良は細い目を丸くして、むつをまじまじ見つめ。
むつは「しつれなっ」と言いたげに膨れる。
むつ「ときめくよ!修二なんて、ちょー可愛いんだから、エロいし、気持ちいいし、何度ヤっても恥ずかしがるし、最近よく怒っていなくなるから面倒いけど、あいつの場合しょうがないっていうか、困り顔がエロいっていうか…、ちょっといじめちゃうけど俺なんかまだマシだぜ、華南なんか、本気で泣かして気を失うまでズコバコやるし…なんかっちゃーすぐヤりたがるし、どんどん変態じみるし…、でも恋愛経験豊富だから、頼りになるし。からかってくるのはムカつくけど…。なのにあいつに抱きしめられっと、こー、なんつーかごまかされちゃうっていうか…、あいつ声がいいんだよな。たまにときめくとすぐ襲ってくるから馬鹿だけど…」
むつは1人、難しい顔してみたり、はにかんでみたり、怒ってみたりしながら、2人のことを語りながら耳を赤く染める。
吉良「・・・。(名前言っちゃってるよ、睦美。ってか、ちゃんとわかってんじゃん。それともここまで言ってて無自覚?自覚無しのノロケ?)」
むつ「華南の気持ち、分かんなくもないけど…、なんか、いつも一緒にいんのに、抱いても抱いても足りない…」
吉良「・・・。(あー、分かった。こいつら今、蜜月なのに盲目なのね。相手が見えてないんだ、もったいない。)」
ーズズズズゥー
牛乳が無くなって、吉良はクシャリとパックを潰した。
吉良「…、さみしんぼ君に好きって言ってもらえないからじゃない?」
むつ「あ…」
何か今、頭の靄がスッとした。
華南に対して、もうしつこいなって思うのは、あいつが好きだ好きだ言ってきて恥ずいからだ。その点修二は、嫌がるし避けるし、好きだって言わない。こないだ、俺が好きだって言った時は怒り任せで失敗しちまったけど…でもあいつ、何か言おうとしてた。
むつ「そっか…」
吉良「ん?解決しそう?」
やっぱり恋愛経験多くてテクニックすげー奴はすげーんだなぁ、俺も見習って早くテクを磨こう!!
むつ「さすがっすね吉良さん、また相談してもいいっすか?」
むつのキラキラした尊敬の眼差しが吉良に向けられ、吉良は細い目をさらに細めて微笑んだ。
吉良「いつでも相談に乗るよ♪」
むつ「サンキュー吉良さん、俺ちょっと2人のとこ行ってくる!」
吉良「(早速行動、流石睦美。はい修二君ご愁傷様ぁ〜)」
ご機嫌なむつは立ち上がって、ニコニコ手を振りながら足早に校内に走り込んで行った。
ーパタパタパタ
ーバタン
屋上に残った吉良は、おもむろにポケットに手を突っ込み、タバコを取り出して一本咥えて火を付ける。
吉良「フー……。いい笑顔しちゃってさぁー…。(…でも…睦美、修二を素直にさせるのは無理だね)…さて、どうしましょう?、睦美は決めたことはそうそう変えないし、他から攻めるか…。しかしちょっと留守にしてたら外野が騒がしいなぁ…。黙らすか。」
吉良は半分吸ったタバコを携帯灰皿に押し込んで、不敵な笑みを浮かべ、踵をふんずけた上履きをペタペタ鳴らしながら、校内へ姿を消していった。
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