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男子高校生の俺たち〜修二〜
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抵抗を示すように手をほどこうとしても、華南は指と指を絡めて握った手を強く握って、何処かに向かって歩き出した。
修二「ちょっ!僕ちゃん帰る!」
華南「約束は約束だ、ここでゴネるな、むつに全部報告するぞ」
修二「ダメ!!」
ダメ!それだけはダメだ!!何のために今まで隠してたのか…、何のためにずっと気持ちを殺したのか…。
華南「デカイ声出すな、家の人に聞かれて困るのお前だろ?ほら、話せるとこ行くぞ」
僕は、ズルズル引きずられるようにして、近くの公園に連れて行かれた。
夜の公園には、一つしかない街頭。
狭くて薄暗い公園には、ブランコと、砂場と、コンクリで出来たSL。
華南はSLの屋根付きの運転席を陣取り、隣をポンポンと叩いた。
座れってことだと分かっていたが、上手く足が出ない。すると華南は手を伸ばした。
華南「修二、俺は誰だ」
修二「?、…華南」
差し出した手を広げて、僕ちゃんが手を取るのを待ってるようだったが、唐突な質問に僕ちゃんは目を丸くする。
華南「お前の何だ」
修二「……こ、恋人…」
その回答に微笑んだ華南は、また手をグッと出して、手を取るように即す。
僕ちゃんはためらいながら、その手を取ると、グイッと引かれて、華南の隣…というか、腕の中に収まった。
背中から抱きしめられて、包まれて、気持ちがあったかくなる…。華南は慰めてるつもりなんだろう…でも、僕ちゃんは別に子供でも女でもない。
修二「……華南、僕、大丈夫だよ?」
華南「黙って抱かれてろよ」
修二「女じゃないんだから、泣いたりしないよ?」
目の前に回されてる腕が少し恥ずかしい…。
華南「お前は女じゃない、俺の好きな人だ」
ギュッと心臓が掴まれたみたいに苦しくなって、別に目が合うわけでもないのに、目が泳ぐ。
修二「華南ってクサイよね」
華南「ん?そうか?…王子様みたいだろ?」
おかしそうに笑いながら、華南が修二の手を取って、手の甲にキスを落とす。
修二「なんだよ、姫扱いかよ…、僕ちゃんは女じゃな…ん…んん」
文句を言おうとしたら唇が塞がれて。華南がしっかり口の中を舌で舐め回してきた。
修二「んふ…んん…」
華南「…ん…好きだよ…」
息継ぎの合間に囁やかれ、顎を固定されて逃げられず、片方の手が胸をまさぐる。
僕が言葉を発するとすぐに塞がれて、息継ぎで空気を吸い込む間、好きだと囁かれる。
甘い…甘い…夢
修二「…なん…、か…なん」
華南「泣けよ」
修二「はぁ?」
唇がやっと離れたと思ったら、真剣に睨んでくる華南の顔に、僕はため息を漏らす。
修二「だから、大丈夫だって、女じゃあるまいし…、……アレは俺にも非があった」
華南「はぁ!?お前、今の自分の顔わかってんの?それに吐くほどトラウマになってんじゃん!、あいつ、“俺たちで仕込んだ”って言いやがったんだぞ?」
修二「…。」
華南「お前、1度も泣いてないんだろ?だから引きずるんだよ」
修二「はぁ?泣いたら解決するの?しないよね、泣いたって叫んだってダメな時はダメなんだよ、それに僕は男だ、男はいちいち泣いたりしない!」
華南「お前、馬鹿じゃねぇーの?お前何意固地になってんの?人間はな、辛い時に泣いて、涙と一緒に痛みを逃がすように出来てんの、男とか女とか関係ねぇーの!心と体がそういう風に出来てんの!」
修二「なんだよ…、なんだよそれ…、どうしてそんなこと言うんだよ」
華南「お前が馬鹿だからだろ?辛い時は辛いって言えよ、俺たち恋人なんだぜ?お前はむつと俺の恋人なんだ、他のやつを心に住まわして置くな、…何があった?」
…。
修二「な、何も…、ただあの人とシて…こじれて別れただけ…」
華南「俺より、むつに知られたくないんじゃないのか?」
修二「待って!…ヤダ……ヤダ…頼む…」
華南は僕をきつく抱きしめる。
華南「言ったろ?お前が好きなの、お前がどう思おうと変わらないし、俺とむつは彼氏なの、俺たちは恋人なの」
修二「…怖い…」
華南「何が?」
修二「これ以上好きになったら、離れられなくなる…」
どうせ、社会に出たら終わる…
今はどんに気持ちがあっても、それははしかみたいにいっ時で…
華南「離れる必要ないだろ?」
修二「…俺…汚いんだ…ウザいし…重いし…」
チャラい僕は作り物、本当の俺は人のそばにいられるような人間じゃない。
秘密を知れば…きっと華南は…
華南「お前、俺をバカにしてるのか?」
修二「へ?」
華南「今言ったろ?お前が好きだって、それに付き合うってなった時も、お前にトラウマがあっても好きだって言ったろ?」
修二「でも…僕…」
華南「それじゃ、お前は、俺が2人と付き合う前女きれないくらい色んな奴と寝てて、取っ替え引っ替えで、実は結構アブノーマルなプレイに萌えるって言ったら嫌いになるのか?」
修二「え…ならない」
華南「だろ?そういう事じゃん、俺らの前に男がいて、そいつがマニアックなプレイをお前に強要した、他には?」
修二「ず、ずるい…」
華南「言えよ、もう、聞かなかったことにはできないし、お前とはちゃんと付き合ってくつもりだし、離れねぇから」
本当に?
全部話しても華南は引かないだろうか?
誰にも話したことがない。
僕の秘密。
肩越しの華南の表情が分からない、声は強くて優しいけど…
本当のところなんて、本人以外誰にもわからない。
嫌いになっても好きとは言える…
華南「1度くらい本当のこと言えよ、俺は信頼を試す価値もないか?」
ずるい…。
華南は聴き方がずるい…。
華南の顔を見るために振り向いたら、またキスされた、そのキスが離れると、またキスされて、チュッチュッっと短くついばむキスに変わる。横抱きに抱きしめられて、手を握り、お互いの顔が見える位置で。
僕は…
…俺は、華南に全て話した。
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