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変化する俺たち〜華南〜
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むつ「こらー!!マキてめー!!何しとんじゃあー!!」
バーン!と、けたたましい音で屋上のドアが開いて、むつが飛び込んできた。
マキ「あは♪熱烈歓迎ありがとう♪」
むつ「歓迎してねぇーし!!」
むつの物凄い剣幕にも関わらず、ヘラッと笑ったマキは、すぐさまむつに胸ぐらを掴まれたが、むつの鋭い眼光に、マキはいつもどうり楽しそうに笑うだけだった。
マキ「あは♪やだなぁー、むつをネタに脅されて薬盛られた修二の体を心配して来たのにぃー」
修二「マキ!」
むつ「グッ…」
たった一言。
それだけでむつの鋭い瞳を鈍らせる。今までむつをあんな風にたじろがせる奴はいなかった。今までむつにブレーキ踏ませるのは修二だけだった。
マキ「クス。そうだ♪お土産上げる、新しいオモチャ、はいどうぞ♪」
むつ「…。もらっといてやる」
貰うんだ…。
ニコニコ笑うマキはむつに紙袋を渡して、むつに手を引かせた。マキの奴、むつを手懐けやがった。恐るべき調教師…いや、獰猛使い…?
吉良「あー…お前か・・・(俺のむつに余計なこと教えたのは…)」
屋上の出入り口にもたれかかって、事の成り行きを見ていた吉良さんは、意味深な事を言って細い目をさらに細めた。
むつ「何?吉良さん、こいつ知ってんの?」
吉良「そういう意味じゃないよ・・・(今からたっぷりお知り合いになるけどな…)」
マキ「こんにちは、マキっていいます」
吉良「よう、俺は吉良だ。お前この学校の人間じゃねぇーだろ?」
す、するどい。そしてニコニコしてる。ある意味二人とも胡散臭く笑ってる。ってか空気がピリついてる?
吉良は細い目をさらに細めて。背中には明らかな殺気をまとっている。
一方マキは、へらへら笑ってその殺気をスルーするみたいに喋り出す。
マキ「そうなんですぅ、僕他校生なんですけど、最近むつ達と仲良くなりまして、でも、むつ君イケズだから遊んでくれないし、早くむつ君と親密になりたいなって思ってぇ、むつ君に会いに来ちゃいました♪」
ワザとだ!!マキのやつぜってぇーワザと言ってる!!
吉良「へぇ、最近出会ったってどんな出会いかな?」
マキ「えっと、僕の友達をカツアゲしてたんで、3人を持ち帰って…」
華南「おい!」
むつ「バカバカバカ!!」
誤魔化すのかと思いきや、マキから四人の出会いのきっかけの正確な事実がスルッと語られそうになり、俺とむつが慌ててマキの口を塞ぎに行き、修二があわてる俺らを馬鹿だなって顔して見てる、それを目にしたマキが喋るのをやめてニッコリ微笑んだ。
マキ「あ、ごめーん、説教の話しはいいかぁ♪まっ、一回目はアレなんですけど、再会した時友達を助けていただきまして、それで仲良く、ね♪」
むつ「おう、そうだな」
華南「はは」
吉良「ふーん」
頷くことしかできなくて、俺は頭をかいた。
吉良さんは到底納得のいかないと言った心の無い返事をした。
キーンコーンカーンコーン
修二「あ!鳴った、むつ、次谷崎だよ、行こう」
むつ「ゲロゲロ」
これ以上は危険。修二がすぐさま切り上げて立ち上がり、むつもそれに続き、吉良さんも切り上げた。
俺もサッサと逃げよう。そう思ってたら、マキが俺の耳たぶを引っ張った。
華南「痛!」
マキ「あのさ、つよしを泣かしたんだって?」
ギク!
無意識にお尻がキュッと閉まる。
マキの声が先ほどまでのヘラヘラした感じから、いつかのサドっ毛のある声色に変わっていた。
マキ「あの子、俺のお気に入りの後輩でね、目をかけてるんだけど、なかなか芯が強くて言う事聞かなくてね、君らとの付き合いも辞めないって言うんだ。学校で虐められてるのに君らにも虐められたら可哀想だろ?」
イジメ?あー、でも納得だ、あの前髪でおどおどどもって喋られたら、イラついてして仕方ないし…こないだの反応からして、学校でホモってバレてるんじゃないだろうか?…。喋ってみりゃー面白いやつなのに、わりーことしたなぁ…。
マキ「ねぇ、“かつや”ってどいつ?」
華南「わ、悪かった!克哉は何もしてない!」
マキ「あぁ、平気だよ、顔見とこうと思っただけだから。大丈夫、味見したりしないよ」
ふふっと笑ったマキは、いつものヘラヘラ顔に戻っていた。俺は大きくため息をつく。
華南「はぁー。お前ってそればっかだな。もしかしてお前もチャラけてるフリしてる的なひねくれ者?」
なんとなく、修二のことがあったから、意味なく口にした。それだけだった。
マキの体がスルッと俺から離れた。
マキ「ふふ、次会う時はケツ洗っといて、僕、ヤられたら倍返しだから♪」
マキは恐ろしいくらい笑顔だった。
華南「だから!アレはお前が!」
マキ「ああ、倍じゃ不満?じゃッ、100倍にして返してあげるね。ふふ、じゃあまたね♪」
自分勝手で嵐のようなマキは、またまた好き勝手して、ヒラヒラ手を振って去って行く。
……もう来んな!
ヤベ、克哉にメールしとこ…
ッてか、マキのやつ、もっと普通にできないんだろうか……?
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