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変化する俺たち〜修二〜
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次の日、むつは完全回復で学校に登校した。
そして、ここ最近毎日あったラブレターが、今朝は入ってなかった。
むつは気付いた様子もなく、上履きに履き替えて、教室に向かう。そこまでは普通だった。
一転
只今、恐怖に静まり返った教室にて、むつ様、激怒中です。
むつ「ふざけんな!俺はやらねぇぞ!」
田中「で、で、でも、こないだ谷崎先生が…クラス応援チアガールの最後の1人は柴田君だって…」
むつに鋭く睨まれて、七三分けの田中はおしっこちびるんじゃないかってほど震え上がっていた。
田中「た、助けて、小日向くぅ〜ん」
むつ「修二を使うんじゃねぇよ!」
田中「ヒィーー!」
修二「まぁまぁ、むつ、あんま田中を虐めんなよ、ね☆」
僕ちゃんの机を挟んで立つむつと田中。左側から僕の机に身を乗り出してたむつがピタリと動きを止めた。
むつ「だって、修二…」
修二「田中に吠えたって決定権持ってんのは谷崎だろ?」
むつ「グッ…。チッ!」
押し黙ったむつは、オーバーに舌打ちして僕ちゃんの隣りの席にドカッと座って足を組んだ。
田中「…あの、採寸したいん…だ…」
勇気を振り絞った田中に、容赦ない殺気のこもった視線が向けられ、田中は手に持っていたメジャーをボトリと落とす。
それを拾い上げて、怯える田中ににっこり微笑んでやる。
修二「僕ちゃんがやっとくからさ、放課後までに分かればいいよね?」
田中「お、お願いしますぅ…」
ひれ伏す田中。一件落着かと思ったら
一難去ってまた一難、明るい声が嵐のタネを運んできた。
克哉「はよー!!修二!なぁなぁ!マジ!?嘘だよな!嘘だって言ってくれよ修二!!」
後ろのドアから騒がしく入ってきた克哉は、真っ直ぐ僕ちゃんの所まで走って来て、僕ちゃんの肩と机をガシッと持って汗まみれの顔を近づけた。
修二「ど、どうした?」
むつ「克哉!触んな!」
克哉「ハァハァ、え?あれ?むつ?あっ、ごめん!」
息を切らせた克哉が、むつの存在に驚いて、パッと手を離し、その場にしゃがんで息を整える。
修二「どうしたの?」
克哉「ハァハァ。しゅ、修二、ちょっと聞きたいことあるから耳貸して」
むつ「貸さねえよ、そのまま言え」
むつは仁王立ちで腕組みして、しゃがみ込む克哉を見下ろし睨みつける。
むつは克哉に風当たり強いな…。つよしのことでまだ怒ってんのかな?
克哉「いや、教室じゃ…ちょっと…」
むつ「じゃあ、移動するからそこで話せよ」
克哉「いや、あの、まず修二に…」
むつ「駄目だ!俺も聞く」
全く克哉の言うことを聞かないむつ。とりあえず、近くの美術準備室に移動して話を聞くことにした。
むつ「で?話ってなんだよ」
完全に威嚇体制のむつは、僕ちゃんと克哉の間に立つ。
克哉「3人ってまだ付き合ってる?」
むつ「はぁッ!?付き合ってるよ!」
克哉「あっ、そんな感じだよね、よかったならいいんだ。うん、それだけ確認できたら…。…ラブラブだよね?」
真っ直ぐ僕ちゃんに視線を投げた克哉、なんでそんなことを聞いてくるかわからないけど、僕ちゃんは頷く。
まぁ、僕が答える前にむつが答えてるけど。
むつ「ってめー、俺たちはラブラブだ!お前の入る隙間はない!」
克哉「え¨!入らない入らない!俺は女の子がいいし!」
むつ「じゃ、何が言いたいんだ!?」
克哉が気まずそうに僕ちゃんに視線を投げる。え?僕?
克哉「あー…いい、もう大丈夫です」
ーブチ
はっきりしない克哉の胸ぐらをむつがガバッと掴んでゴチンとおでこをつけ、鬼の形相で低く唸る。
むつ「男ならはっきりしろ!」
克哉はビビる様子はないが、依然気まずそうに半笑して頬をかきながら重い口を開く。
克哉「あー…っと、昨日…1年の教室で騒ぎがあって…、そのぉ…我が校の鬼神の右腕、小日向修二が、…公衆の面前で、1年にラブレター渡してコクったって…」
むつ「はぁああーーー!?」
修二「ああ…それ?誤解だよ。むつが休んでたでしょ?だから、むつの下駄箱に来てた手紙を、むつに渡そうと思って僕ちゃんが預かったら、本人が見ててさ、返せって言うから返しただけだよ?」
別に騒ぐようなことじゃない、誤解。克哉も納得したのか肩の力を抜いた、でも、1人納得のいかない様子のむつ。
キーンコーンカーンコーン
むつ「修二、ちょっと来い」
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