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変化する俺たち〜修二〜
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克哉から投げられた爆弾は凄まじい威力だった。
僕ちゃんは気にすることない誤解だと普通にしてたら、むつが僕ちゃんを美術準備室から引きずりだした。
始業ベルが鳴っていたのにお構いなしに廊下を進み、後ろから克哉が心配そうに見ていたが、僕ちゃんは話せば分かると思ってたから、大丈夫だよと笑って手を振った。
むつは強引に僕ちゃんの手を引いて、男子トイレの個室に入り、乱暴に扉に鍵をかけた、そして…
ードン!!
むつが壁に手をついて僕ちゃんを睨み上げる。
僕ちゃんは冷静に口を開いた。
修二「むつ、誤解だよ?むつの下駄箱からとったラブレターを本人がむつ意外に持ってて欲しくないって言うから返しただけだよ?」
むつ「修二は俺が好きなんだよな?」
その言葉に答えようとすると、体が緊張してブワッと体温が上がる。ドキドキするのが顔にでないように必死に平静を装い、答えた。
修二「…うん」
むつ「何で手紙を俺に渡そうとする」
修二「え?」
むつ「アレはラブレターだぞ?」
びっくりした…、僕の話は信じてくれてたのか。
修二「うん、むつ宛のね」
むつ「そこは嫉妬して捨てちゃうとか、ライバル登場なら喧嘩の一つでも売るとこじゃないのか?」
修二「え…、喧嘩を売る必要はないでしょ、捨てるか決めるのむつだし」
むつ「嫉妬は?」
修二「え……」
むつ「…もういい、俺先行ってる」
修二「あ…」
むつは、僕ちゃんを置き去りにして、トイレを出て行ってしまった。
怒ってるの?
…うーん、むつが男とどうこうなるとか想像してなかったから、そこまで考えなかった…嫉妬して欲しいのかな?でも、むつ束縛とか嫌いだろうに…、僕ちゃん普通に面倒な奴なのに嫉妬までしたら、むつ絶対息苦しくなっちゃうよ?
…。どうしよう。
渋々教室に戻ると、一時間目が始まっていて、僕ちゃんの席の隣には、むつが座って授業を受けていた。
むつに「おせー」と短く言われ、別に無視とかはされなかった、ただ、やっぱりちょっと不機嫌。
そしてその妙な不機嫌は続き、昼休みになった。
屋上に向かい廊下を移動してると、急にむつの足が止まった。
むつの視線の先には、屋上につながる階段の前で、新品に見える制服を着た、1年生らしい集団が、1人の男子生徒をよってたかってこずいて背中を押し、その生徒達の多くが、こちらを見ている。
あっ、あの押されてる子、雷太だ。
雷太もこっちに気づいてうつむいた。
それを見たむつから、チッ!っと舌打ちが聞こえて、むつは急に足早にその集団に向かった
え!?え?むつ!?
修二は慌てて後を追う。
むつが突進して行くと、集団は雷太だけ残して蜘蛛の子を散らしたように散らばった。
むつ「てめーが雷太か!?」
雷太「は、はい!」
恐怖か緊張か?ビクッと背筋を伸ばした雷太はむつより少し背が高く、むつは少し見上げる形になってさらに不機嫌になった。
雷太「先輩にお話が…」
むつ「うっせぇー!お前の入る隙間は…ムグ!」
修二「ストーップ!!」
追いついた所でむつの口を塞ぐ、僕ちゃんがニッコリ雷太に笑顔を向けると、廊下のそこかしこで、さっきの一年たちが隠れたのが見えた。
修二「雷太君、今はやめよう」
むつ「んー!!」
雷太「いえ!色々噂が流れてるので、訂正すると約束しました!」
うわ!真面目か!
修二「野次馬に餌をやることはない、余計騒がれる」
雷太「僕は騒がれるなら真実で騒がれたい、柴田先輩が好きです!!」
ひときわでかい声が響いて、隠れていた1年と、騒ぎに気付いて集まった奴らとが、ヒソヒソ騒ぎ始め。
修二は頭を抱えた。
もう!この子も正直者か!!
全く持ってこの正直者たちに羞恥と常識という言葉を知る者はいないのか!?
それにここは学校!!後でどうなるか分かってないだろう!?男女の告白シーンじゃないんだよ!?
男子高!ここは男しかいない男子高!!
そんでもって素行は中の下!!
修二は仕方なく、暴れるむつを抱え、雷太を屋上に連れて行き、野次馬の視線が集まる中、ドアを閉めた。
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