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めんどくさい俺たち〜華南〜
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痛い、…頭と肩と腕と尻と…
とにかく体全部だ。
いたたた…、
痛い…。
目が覚めたら夢だったら、とも思ったけど、痛みはバリバリあります。
でもなんだか、気持ちはあったかい満足感が広がってる。むつが最後に口づけて来た時、幸せそうに笑った。
それがあるならネコも悪くない?…、かも、とか。
朝起きたら案の定マキにからかわれて、可愛く上目遣いしながら、『お詫びの品があるから怒っちゃ嫌』とか抜かしてた。
一発はたいてやりたいが、軋む体がそれを阻んだ。
体は辛い、でも、昨日は色々分かった気がする。
いつも2人がフラフラになるまでやっちまうけど…。
これからは少し控えなきゃ…という気にさせられた。
でも。
しょうがなくない?
2人が可愛いのがいけないんだ!!
修二「華南?」
華南「…え?」
修二「授業終わってるよ?」
ハッ!しまったボーッとしてた。
土曜の衝撃を引きずって、今は月曜の4時間目終了。昼休みになっていた。
修二の顔を見て、たまらない気持ちになる。
今すぐ抱きつきたい…、けれどここは教室です。
修二「どうした?具合悪い?」
華南「平気…」
修二「購買、行ってきてあげようか?」
華南「修二」
いまだ席を立たない華南を心配して、修二が机に頬杖ついて視線を合わせてくれる。
はぁ〜修二が優しい〜。
顔が近い…、超キスしたいんですけど!
華南「…あ、自分で行く、上で待ってて」
修二「…そう?辛かったら携帯鳴らしてね」
華南「大丈夫、具合悪い訳じゃないし」
俺は軋む体を持ち上げて、なんとか立った。
修二「…うん、僕ちゃん先行ってるね」
華南「ああ、すぐ行く」
修二が手を振りながら教室を出て行く。
俺は手を振り返した。
…。
…。
…?
凄く優しかった修二…。
…もしかして、むつが土曜のこと言ったとか?
いやいやいや…
いてもたってもいられなくなって修二を追いかけようとしたけど、全く走れない、やっとの思いで廊下に出ると、そこにはむつが立っていた。
華南「あれ?先行ったんじゃ…」
むつ「コレ」
むつがぶっきらぼうに差し出した袋は購買のもので、中にはパンが入っていた。どれもむつの好物の菓子パンばっかだったけど、まさか…これ、俺に?
華南「あ…ありがと…」
むつ「購買って初めて行ったけど、凄いのな…マジ潰されるかと思った」
華南「ごめん」
むつ「…別に…俺が行ってみたかっただけだし」
少し困ったような、照れてるような横顔。
言い終わると、むつは歩き出した。
珍しいむつをボーッと眺めていたら、むつが振り返って吠えた。
むつ「なにやってんだ、行くぞ!」
華南「…ああ」
俺が歩いて後について行くと、追いつかない俺に苛立ったのか振り返って、怖い顔したむつ。
しかし俺の足元を見て少し不安げな顔をして俺の横に戻って来た。
しばらく進んでると、むつが歩調を合わせてくれてることに気付いて、笑みがこぼれる。
むつ「なに笑ってんだよ」
華南「別に…」
笑いながら返事したら、むつが膨れた。
そうして俺は、屋上までの道をむつと並んで歩いた。
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