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めんどくさい俺たち〜修二〜屋上
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昨日、半日降った雨は、今朝止んでいたが、気温が下がり、今日は曇りで気温が上がりそうも無い、もう7月だというのに長袖のワイシャツでは寒くて、またカーディガンを着てみた。
むつが先に行ってしまったので、とぼとぼと歩き学校に向かい、どうしようもならない状況に気持ちが沈む。
このまま…は、正直キツイ…。
分かってる、自分だけには言いたくないなんて言われたら、僕だって傷つく。分かってる、僕が悪い…、でも
グルグル考えながら歩いていると、風に乗ってフッと、煙い空気が流れてきた。ふと脇を見る。そこには、高校がまじかだというのに、堂々と通学路で煙草を吸ってる吉良さんがいた。
修二「吉良さん!!」
吉良「あ、おはよ修二」
吉良はのんびり挨拶した。
喧嘩したのか、手の甲に擦り傷がある。吉良は、手に持っていた中身が入ってるのかわからないほどくしゃくしゃの煙草の箱を修二の前に出した。
吉良「吸う?」
修二「吸わない。ここ、見つかりますよ」
修二が吉良の手の中の箱を取り上げて、鞄の影に隠した。周りを見渡すと、こちらを見てはいないが、同じ高校の制服の生徒が登校する姿があり、教師だっていつ通ってもおかしくない。せっかく修二が煙草を見えないようにしたのに、吉良は新しい箱を取り出し、封を開け出した。
修二「吉良さん!」
吉良「…はいはい」
修二の注意をめんどくさそうにしながら、吉良は新品の箱を鞄にしまう。
「おはよ、修二」
ービク!!
急に後方から声をかけられ、全身が緊張した。煙草をとっさに胸ポケットに隠し。振り向くと、声の主は、華南で、ホッと胸を撫で下ろす。
華南「吉良さんはよっす。修二、むつは一緒じゃねーの?」
修二「それが…」
僕ちゃんが言葉を濁すと、吉良さんは煙草を落として踏み、呆れたように言った。
吉良「また喧嘩?君ら喧嘩ばっかだね、小学生レベルの恋愛だね。いつ別れるの?」
すました細い目が、意地悪く笑う。
反論できない。
修二「…予定は…ありません。ちゃんと謝るし…」
吉良「はは、意外な回答」
吉良はよく分からない笑顔を浮かべて、歩き出し、1人学校の方へ歩いて行った。
華南「むつのやつまだ拗ねてるのか?俺が今日話してきてやるよ。本当は
むつ自身で気づいて欲しかったんだけど」
修二「いいよ、僕ちゃんが悪いんだ」
華南「落ち込むなよ、俺に任しとけって」
修二「落ち込んでないよー」
華南が修二の肩に腕を回し、慰めるように肩を叩く。
僕らは一緒に学校に行き、教室へ行ったがむつは居なくて、いつもの屋上にも姿はなかった。
華南「ッかしいな。俺探してくるよ」
華南が屋上から降りて行き、静かになった屋上で、無意識に溜息が零れる。
付き合う前は、こんな風じゃなかった。好きな気持ちはあの時より強いのに、なんだかむつの存在が遠く感じる。
つい一週間前は幸せで溶けちゃうかと思ったのに、今は触れることさえままならない、自分が恥ずかしいからとかわがままにむつを困らせたり、体調管理不足が原因だと分かっているが、そう簡単に考え方を変えることはできない。
ボーッと校舎の方を眺めていたら、思わぬものが目に飛び込んできた。
金髪!
向かいの校舎の屋上に金髪の頭が見える。修二がいるとこより、一階分高いため、頭しか見えないが、あれはきっとむつだ。
修二は急いで向かいの校舎の屋上に向かった。
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はやる気持ちが足を早め、緊張感から息が上がる。
むつ『勘弁してくださいよ!!』
屋上に繋がる階段を息を切らして登っていたら、閉じられた扉の向こうからむつの怒鳴り声がした。
はぁーはぁー、やっぱりむつだ…
最後の1段に足をかけたところで、再びむつが怒鳴った。
むつ『男同士のなんか気持ち悪い!』
…。
吉良『あ、君がそうゆう事言う?』
むつ『別に俺、男の体見て興奮とかしないし!男とエッチしたい訳じゃねぇーし』
吉良『えー、でもセックスしてるじゃん、気持ちいいってヤりまくってるじゃん』
むつ『あいつは別で…、気持ちよすぎなんすよ。ってか、あのDVD吉良さんの趣味っすか?不良をM男に調教って!ドン引きなんすけど、俺勃たなかったし!』
吉良『クス…ちゃんと見たんだ』
むつ『見たよ!亀甲縛りとかムチとかロウソクとかグロいし、実際あんなんでアンアンするわけないじゃん、キモいっすよ!』
吉良『アレは、むつの為に用意したんだよ、あんま喋って回って恋人を困らせてると、ああやってさみしんぼ君が連れ込まれて集団レイプされちゃうよぉ?』
むつ『もー勘弁してよ、こないだので懲りたし。…俺、隠し事下手だし…』
吉良『あはは、むつはほんと下手だもんね、でも気をつけないと、現に人目のつくとこで男に告白した雷太は、連れ込まれたし、差別もある』
むつ『くだんない…。はぁー、男同士ってめんどくさいんすね』
吉良『そうだよ、世間じゃ肩身が狭いんだ。それに、今年は受験でしょ?先のことは考えてる?高校卒業してからはどうするの?』
むつ『あ、卒業…何も考えてなかった』
吉良『卒業して、付き合っていける?君たち小学生みたいな恋愛して。外で女のいる生活になれば、考えも変わっちゃうかもよ。俺の友達は別れたね、やっぱ女の方がいいみたい、隠すのもしんどいし。むつは隠してられる?』
むつ『めんどくせぇー。隠せ隠せって、俺、手ェ繋いだりキスとかしたいし。隠すとか続かねぇーし…、もっと自由にできないのかな?…俺、先のこととか、進路のこととか考えてなかった〜』
吉良『まぁ、大人になるって面倒ごとが増えるんだよ、君らお子様だしそれに君らは茨の道?まっ、男同士のならでわの楽な事もあるだろ?、女みたいに、妊娠しないし、あれ持ってコレ買ってとは言わないし、買い物付き合わなくっていいしデートだって恥ずかしいとこ行かなくっていいし、エッチもツボ心得てるし、感情面サッパリしてるだろ?』
むつ『吉良さん今まで俺の話ちゃんと聞いてた?まぁ前半は納得だけど、エッチは確かに気持ちいいけど、エッチだけ良くてもだめじゃね?感情面修二は複雑でややこしいし、昔からそうだったけど、付き合ってから酷くなった、いい加減にしてほしいわ、もう最近のあいつイライラする、ふざけんなって言ってやりたい……』
吉良『ああ、彼、重いしめんどくさいよね?』
むつ『…』
吉良『…』
むつ『…俺が悪いのかな?やっぱエッチしなきゃよかったのかな?』
…………
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