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俺たちに射す斜陽〜華南〜
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3人で唇にキス?
俺と修二が目を丸めると、むつはニコニコ笑い出す。
アヒル口を尖らせて、人差し指で唇をちょんちょんと指差した。
むつ「こうやって」
むつの尖った唇がプニプニ押されて、もうたまりません。
俺も同じように唇を尖らせます。
俺とむつの動きを見て、修二が観念したように顔を赤くしておずおずと唇を尖らせた。
むつ「ん!」
むつが唇を突き出す。
俺と修二が視線を交わし、ゆっくり同時にむつの唇に近づいた。
むにゅっとした異なる感触が、唇の左右に広がる。
俺からは左がむつで右が修二。2人同時に唇が触れてる感触に、心拍数が上がった。
唇が触れるだけのキス。
修二もむつも目をつぶり、柔らかい唇が触れ合っている。
むつ「ッフフ」
急にむつが笑だし、3人の唇が離れた。
華南「言い出しっぺが笑うなよ」
むつ「悪り〜悪り〜、だって修二がプルプル震えるから」
むつの指摘に修二は視線を落とし、前かがみにうつむいた。
むつ「ほらほら、うつむくなよ、さっ、寝るぞ!」
むつが寝転んで腕を伸ばす。
腕を伸ばした場所をポンポンと叩いた。
それを見た修二がピキッと固まって動かない。
むつ「ほらほら、早く」
修二「むつ、腕はいらないよ」
やんわり断るが、むつがそれで引くわけが無い。ギロっと修二を睨む。
むつ「駄目。これは命令。それとも、せっかくお前が服着込んでるの何も言わないでやってるのに、ひん剥かれたい?」
修二「……う、腕があったら眠れないよ」
むつ「ふーん。でも俺の腕枕で寝ないなら、それを断る理由を体に聞くけど構わないよな」
修二「…だ、だから、ドキドキして眠れなくなっちゃうよ」
黙ったら肯定ととる。と言われたことが効いているみたいで、むつの質問に修二はしどろもどろ答える。
むつ「今日のところは勘弁してやろうとしてる訳よ。俺は我慢してやってんの」
修二「…いいよ、そんなになってたらむつだって華南だって眠れないでしょ?いいよ、抜いてから寝よう?」
むつ「修二、俺が何でお前に服脱げって言わないか考えろ」
修二「ぇ…」
むつの鋭い眼差しが、修二に向けられ、修二は黙った。考えてるようだが、ピンときた様子は無い。
むつ「お前、今、すっごい疲れた顔してるぞ。鈍感な俺が気付くくらいな、だから今日はマキと色々揉めたみたいだけど、消毒は後回しにしてやるって言ってんの」
あ!
修二「ッ…」
むつ…、修二がマキに何かされたって思ってるんだ。
むつ「お前が俺に、初めて声を荒げて拒絶したことも、嘘ついてることも、ウエストが妙に頼りないことも、シャツを脱ぎたがらないのも、今は聞かないで、腕枕で我慢してやるって言ってんの。それでも断る?」
修二「ッ!!…」
むつ君、目がマジです。
さすが俺様、抑えるところはズケズケ踏み込んで相手を膝まづかせます。
むつ「…貧血で倒れた日みたいに、顔色悪い。だから黙って寝ろよ」
修二「…」
むつは、瞳を揺らして唇を噛む修二を抱きしめて横になる。頭の位置が、少しだけむつの方が上になるように横たわり、むつの肩ら辺にある修二の顎を指で持ち上げて、唇にチョンとキスをした。むつが優しく微笑む。
むつ「修二、大丈夫。怖がんなよ、意地はんなきゃいいじゃん、俺相手に意地張ったって無駄だぜ。俺がお前とくっついてたいの、そこは我慢しないから、いいよな?」
修二「…」
黙った修二に、むつはニンマリ笑い、もう一度唇を重ねる。そのキスを追うように修二が唇を求めるのを眺めながら、俺は2人に布団を掛けた。
自分も修二の背中に寄り添い、腰に手を回す。
確かに、むつの指摘通り、2週間前より抱き心地が頼りなくなった気がする。
俺がキュッと修二の腰を寄せると、修二が肩越しに振り返る。修二の瞳は揺れていていた。俺は安心させるために、腰に回した手でポンポンとあやし、少しだけ真面目な顔で微笑んだ。言いたいことは、むつと同じだ。
修二の頭をむつの腕枕に戻してやり、むつが修二の頭を抱きしめる。修二がむつと俺に抱かれて、ゆっくり目を閉じた。
修二「…」
目の前で静かに上下する修二の肩。
その肩を抱くむつが髪を撫でる。
1時間もそうしてだろうか?
しばらく横になってると、修二から規則正しい寝息が聞こえてきた。
修二
これからどうやってむつをかわす?
お前はどうすれば少しは楽に息できる?
むつ「華南」
声に視線を上げると、むつがこちらを睨むように見ていた。
むつ「…お前、何か聞いてるの?」
ギクッ
むつの真剣な瞳に、心臓が跳ねた、嫌に冷たい冷や汗が背中を伝う。
華南「何も…」
むつ「そっか…、んじゃマキの野郎に電話するか」
あっ、マキか…危ねぇ、何か感づいてるのかと思った…ッて!マキに電話不味くない!?
むつは起き上がろうとして、修二にしてた腕枕を外そうとした。
むつ「ッ…」
華南「どうした?」
むつ「腕…痺れた…」
…。あっぶねぇー。
華南「むつ、俺が電話してくるから、お前は修二のそばにいてやれよ。お前のがいいだろ?」
むつ「…ん、分かった」
むつは納得したみたいで、大人しく修二の横に戻った。俺はそっとベッドから抜け出して、荷物から携帯を取り出し、脱衣所へ入る。
さて…。
マキにはマジに電話して協力を頼んだ方がいいだろう…。むつが電話したり、接触した時ボロが出ると困る…。
マキ…
マキか…
あいつ協力してくれるかなぁ…?
すげぇー不安。
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