アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
百目鬼神2
-
大雨の中、商店街の脇道に、白のワンボックスカーが止まっていた。
ボンネットには、『配達中』と紙が出ている。
運転手のはおらず、後部座の窓にはカーテンが引かれている。
車の斜め後ろの15階だてのビルの入り口に黒スーツの集団がいる。
ーカシャカシャカシャ
集団に向かってシャッターがきられ、カメラのレンズはその集団がビルに消えるまで追っていた。
ーブーッブーッ♪
後部座席で携帯のバイブ音が響き、身を潜めていた男が携帯を覗き込む。
《昨日も言いましたが、今はテスト期間です。会うなら終わってからにして下さい》
冷たいメール内容に口角を上げる。
すると、車の外で、騒がしい声が響いていた。
少年「柴田さーん!待ってくださいよぉ〜!!」
むつ「待たねぇーよ、着いてくんな!」
聞き覚えのある声が混じっていて、カーテンをほんの少しズラす。
そこから見えたのは、昨日、修二と一緒にいた人物。〝柴田睦美〟あだ名は〝むつ〟だ。
少年「えー、今日、部活休みだから、一緒に帰る位いいじゃないですかぁ!」
むつ「うっさい雷太!ついて回るな!」
シュンと項垂れた少年雷太。
むつの身辺でこの子は始めて見る顔だった。むつより高い身長は170前後だろうか?傘が邪魔で良く見えないが、こげ茶のふわふわした髪に、童顔の可愛い系、スポーツをしてるだろうキリッとした目元は将来はイケメンになりそうだ。今は犬コロみたいだが…
その雷太の後ろから、現れた人物が肩をポンポンと叩いた。
雷太「うぅ、小日向先輩…」
雷太の後ろから現れたのは、修二。
その修二の隣に並んでるのが、脅しに屈しなかった男、〝橘華南〟だった。
修二「雷太君方向逆でしょ?」
雷太「小日向先輩まで意地悪言わないで下さいよ、俺、普段は部活で一緒にいらんないんですよ?」
華南「あきらめろよ」
雷太「俺、負けませんよ!身長だって伸び盛りでこれからですし!」
そう言った雷太は、自分より10cm以上高い華南を見上げた。
どうやら、あの少年は、むつを好いていて、着いて回ってるようだ。
ーカシャ
車内の人物は、その少年雷太の写真を1枚撮影した。
「ふーん」
撮った写真を確認しながら、男はニタリと口角を上げた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
246 / 1004