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体育祭と俺たち〜華南〜
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マキがいなくなって静かになったが、今更ながら、俺はマキに答えを聞いとけばよかったんじゃないかと思ってる。
あーどうしよう!!
修二なら分かったろうけど、修二は居ないし…。そうしてウンウン悩んでる間も他の生徒が答えているが、どれもハズレでなかなか答えにたどり着かない。
すると、保護者席側にいた克哉が手招きしてきた。
克哉は、つよしと一緒にいて、プログラムにボールペンで落書きしている。
華南「何やってんだ、俺忙しいんだけど」
克哉「まぁまぁ、これ見ろよ」
プログラムの余白に、
〝百−一= 〟
と書いてあった。
華南「100−1?、99だろ?」
つよし「これは、なぞなぞです。漢字で考えるんですよ」
そう言ったつよしは、百から一を引く答えに〝白〟と書いた。
つよし「むつさんの問題も同んなじことですよ」
そう言ったつよしが、むつの出した問題を紙に書いてくれた。
〝背景に、太陽も月とない場所はどこ〟
ああ、つまり、太陽と月を〝背景〟から無くせってことか?
あ!!分かった!!
華南「サンキューつよし!」
閃いた俺は真っ直ぐむつ向かって行った。
華南「むつ!分かったぞ!答えは北京だ!」
むつ「理由は?」
華南「背景から月と太陽、つまり日を除いた場所!それが北京だから!」
むつ「うわっ、正解だし」
華南「はっはっはー、赤組の旗はもらったー!」
風に揺れる旗を奪おうとしたら、何かに引っかかって、むつが俺の腕を掴んできた。
むつ「待った!」
華南「どうした?俺正解したろ?」
見ると、何故か涙目のむつがこっちを睨んでいてドキッとした。
アナウンス『借り物競争終了5分前です!』
華南「むつ、往生際が悪いぞ、旗よこせよ」
むつ「馬鹿ちげーよ!髪が絡まってんだよ!」
見ると、旗の結び目部分にむつのカツラが引っかかっている。
俺はそれを見た瞬間、閃いた。
むつ「こんな、なげーカツラなんか使うからじゃん」
むつはイライラして絡まった髪と格闘している。
華南「むつ、旗持って」
むつ「え?」
俺は旗を握ってるむつをヒョイっと旗ごと肩に担いで、走り出した。
もちろんスカートはキッチリ抑えて。
むつ「馬鹿!降ろせ!」
華南「髪の毛ほどいてる時間ねぇーし!それに…」
むつ「それに?」
華南「むつを誰かに攫われなくて済むだろう?」
むつ「はぁあ?!」
雷太みたいにカッコ良くお姫様抱っことはいかなかったが、それも俺ららしくていいかと思う、笑けてきて腹が痛い。
むつは荷物みたいに肩に担がれたもんだから終始怒っていたが、色気を振りまかれてライバルを増やしたくもない。
むつ「ふざけんな!降ろせぇー」
むつの雄叫びに俺は笑が止まらなかった。
借り物競争を終了すると、俺とむつは、紬さんを見つけ出し、むつの体操着を奪い返した。流石に最後まで女装で居る訳にはいかない。最後の名物クラス対抗リレーが残ってる。それに、むつの可愛い姿をこれ以上晒しておけない。
むつ「俺、あっちで着替えてくるから」
華南「おう、俺は先に戻ってるぞ」
着替えるために校舎へ向かったむつを置いて陣地へ戻ると、吉良さんとすれ違った。
吉良「ずるいなー華南は」
華南「はは、俺以外が持ってかなくて吉良さんも安心でしょ?吉良さん何引いたんすか?」
吉良「エロ本」
うお!だいぶふざけたお題に当たってんなぁ…。でも、吉良さん3年生でちゃっかり1位だし…。エロ本どっから持ってきたんだろ?
陣地に戻って椅子に座る、校庭では2年のダンスが始まっていた。いよいよ体育祭も終わりに近付いた頃。
ふと気がついた。むつが戻って来てない。
隣の陣地を見回すと、むつだけじゃなく修二もいない…
あれ?そういえば、雷太とマキも帰ってきてなくない!?え!?ヤバくない!?
俺は慌ててむつが入って行った校舎へと向かう。むつと分かれてから、競技がふたつ終わってる。
すると丁度、むつと修二が一緒に昇降口から出て来た。
修二は顔が真っ赤で、むつも火照った顔をして。少しふらつく修二をむつが寄り添って支えるように歩いてくる。
華南「むつ…、修二…?」
俺が声を掛けると、修二がビクッと肩を揺らしてこちらを見た。
瞳は淫欲に揺れて、とんでもない色気に一瞬我を忘れそうになって慌てて首を振った。
華南「お前ら何やってんだよ!」
若干視線を外しながら、2人にそう言ったら、2人じゃない人物が答えた。
マキ「ちょっと遊んで貰ったの♪」
華南「うわ!マ…マキ!!」
マキは妖艶に微笑んで、その背中には若干の怒気を含んでいた。
や、ヤバイ。マキのやつ怒ってない?
華南「2人に何したんだ」
マキ「ふふ、後でたっぷり体に聞いたら?」
うおー!!こいつ2人に、何かいやらしいことしやがった!!
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