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俺たちの選択肢〜修二〜
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華南に送ってもらう形で家に帰り着き。
夕飯を母さんと食べ、テレビを見て風呂に入る、その間ずっと考えたけど、やっぱりいい考えは浮かばない。
パジャマに着替えて部屋に戻ると、兄貴が帰ってきていた。
修二「あ、お帰り」
奏一「ただいま、と言ってもまた出かけるけどな」
修二「仕事?」
奏一「ん?…ああ、そんなとこ」
兄貴は母さんの作った晩ご飯を頬張りながら答えた。
修二「あのさ、今度…泊りに行きたいんだけど…」
僕ちゃんがきりだすと、兄貴はご飯を口に頬張ったままニヤリと笑う。
奏一「何?彼女?」
修二「むつと華南だよ」
僕ちゃんの答がつまらなかったのか、なーんだと言った感じに視線を食卓に戻した。
奏一「…ふーん、飽きないなお前ら」
修二「兄貴だって谷崎と長いじゃん」
奏一「亮司(りょうじ)?、俺と亮司はせいぜいお前とむつの半分だけど、もう見飽きたし」
修二「りょうさんかわいそう…」
年は谷崎の方が上なのに、力関係は兄貴の方が上で、谷崎は兄貴に勝てないらしい。
兄貴の方がスマートなのに、谷崎の筋肉は飾りなんじゃないかと前から疑問だ。
奏一「どこ泊まるか言ってきゃ構わないよ」
修二「ありがとう…」
奏一「どこ行くの?海?」
修二「うん」
奏一「日焼け止め持ってけよ、店にガングロで来られても困るからな」
修二「ハハ、そうする」
奏一「海かぁ〜、行ってねぇーなー」
修二「最後に行ったのは?」
奏一「ん?ん〜、高校…3年かな?」
修二「ああ…彼女と行ったやつ?…」
奏一「ああ、そうだな」
そういえば…、その時の彼女、兄貴が高校卒業してから見なくなったな…
別れたのは知ってけど、理由聞いたことなかった。
修二「そういえば、その時の彼女はいつの間にか別れてたよね?なんで?」
奏一「ん?あー…何だったかな、社会人になってみたら、考え方が合わなくなったのかな…、まっ、お互いいっぱいいっぱいだったんだよ」
修二「…」
奏一「何?悩み事?」
修二「違う違う…、おやすみ!」
僕ちゃんが隣の部屋に逃げ込む、兄貴は興味津々といった感じで椅子から身を乗り出す。
奏一「…おやすみ…」
布団に潜り混んで窓から見えるイチョウの木を眺めながら、むつに泊まりの許可を取ったことを報告すると、張り切った返信が返ってきた。
《おう、これで安心してデート出来るな!》
デート…。
男3人海でデート…ふふッ
想像して見たが、むつが海ではしゃぐのが直ぐに浮かんで、デートといった雰囲気は想像出来ない…
そういえば、むつと去年海に行った時は、ナンパに挑戦してたっけ、むつの好みは黒髪の長い綺麗系だから、金髪のむつは相手にされなかったっけ、…ナンパされた女の人が、直ぐにむつの背丈を気にしてて、惨敗だった。華南は何度やっても成功してて、むつがご立腹だったっけ。
思い出し笑いに布団でゴロゴロしていると、兄貴が玄関を出て行く音がした。
兄貴も大変だな。あんな風に毎日働いてたら、好きな人といつ会ったりするんだろ?
ーピリリリ♪ピリリリ♪
携帯の着信音、携帯を手にすると、それは非通知からの電話で、少しだけ嫌な予感に緊張をした。
修二「……もしもし」
百目鬼『よぉ修二』
相手はやっぱり百目鬼さん。
修二「なんですか?明日のことなら…」
百目鬼『お前今どこにいる?』
修二「…どこって、家だけど…」
僕ちゃんの声にかぶせて、低い声が少しだけ焦ってるみたいで、家までは押しかけてこないと思って、正直に答えた。
百目鬼『そうか…』
ホッとしたような、安堵に近い声に、百目鬼さんの意図がつかめない。
…なんだ?外にいたら会おうとしてたのにって言うかと思ったのに。
百目鬼『…むつと一緒にいてイチャイチャしてる最中か?』
皮肉混じりの笑いが聞こえ、僕は冷ややかに返した。
修二「むつといる時に電話に出る訳ないだろ?」
百目鬼『はは、そうだな。むつ君とは、デートを楽しんだ後、健全にお家に帰ったのか?寂しいだろ?』
今日、ワッフル屋に行ったの、どっかから見てたのか?あんだけ言ったのに。
修二「…百目鬼さん、僕言いましたよね?2人を嗅ぎ回るなら、もう、会わないって」
百目鬼『嗅ぎ回ってはいないさ、仕事中にたまたま目に入った、お前が今彼とデートしてたから元彼としては気になるだけだろ?昨日も欲求不満みたいだったみたいだからよ』
修二「…約束が守れないなら、もう会いません」
百目鬼『誤解するなよ、俺は何もしてない』
修二「…あなたの言うことを信じるとでも?」
百目鬼『…冷たいな、あんなに優しく紳士的にデートしてるのに』
修二「…百目鬼さん、明日で最後にしてください」
百目鬼『…本音を隠したまま、お前達が続くとは思えないなぁ、色々我慢してるだろ?それに、むつ君には何も話してないんだろ?そんな猫かぶって隣にいても疲れるだけだろ?俺との方が楽だぜ?懐が広いからお前の全部受け止めてやるよ。職にもついてるからお前の面倒だって見れるし、お前が高校卒業しても、ヤりたいだけのあいつらみたいに捨てたりしないぞ…。セックスはマニアックだけどな』
修二「…」
百目鬼『ハハ、お前の真実を知られて、むつ君に嫌われないか心配なんだろ?』
修二「…百目鬼さん、そうやって悪い言葉を並べて僕を怒らせて感情を引きずり出そうとしてるなら無駄ですから、とにかく約束破ったのはそっちだから、明日で最後にしますから」
我ながら冷静だ。
この人の前で取り乱すのは逆効果。
百目鬼『…修二…』
ープッ
百目鬼さんが何か言う前に、通話を切った。
明日、明日全部終わりにしてくる。
僕は早く決着をつけて、華南を安心させてあげなきゃ。
そう思っていたけど、僕の知らないところで、すでに事態は動いていた。
翌日、学校に登校した僕とむつに、谷崎から、華南が入院していると聞かされた。
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