アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
俺たちの選択肢〜華南〜
-
頭はズキズキ痛むけど。
だんだん、何があったか思い出してきて、ふと我に返った。
華南「あー…そうだ!痛っ…、今、何時?」
病室は明るい。
大部屋なのだろう、カーテンに囲まれて、咳払いとか、ザワザワと人の話し声がそこかしこで聞こえている。
北斗「今ね、昼過ぎ、1時になるよ」
腕時計をチラリと見て北斗が言った時間に思考が停止する。
俺…一体何十時間寝てるんだよ…
華南「…寝過ぎじゃね?」
北斗「うーん、夜中は痛がって唸ってたらしいし、一回起きたんだよ?僕はいなかったけど」
覚えてるような…覚えて無いような…。起きた…、あー…誰かと喋った…あー、東紫だ…
痛む頭を押さえて起き上がる。
あちこちぶつけたのか、所々痛む。額の白いガーゼと、後頭部のコブ、手には若干擦り傷があるがそれ以外は大丈夫そうだ。
華南「今って、お前だけ?」
北斗「母さんと西牙(さいが)は夜いて、朝方、東紫と代わって仕事。終業式終わりで東紫と僕と代わった。検査は異常無いし、傷はたいしたことないよ、額を3針縫っただけだし」
華南「人ごとだと思って…」
目が覚めた時は心配で疲れた顔だったのに、今はだいぶ素っ気ない北斗。
北斗「いつまでも、ぐぅすか寝てるからだろ?。まったく、階段から落ちるなんて間抜けなんだよ。…すっごい心配してたよ、2人が」
華南「2人?…うわっあいつらに言ったの?」
北斗「…マジ?もう一回検査してもらった方がいいんじゃん?今朝、東紫とむつさんと話してたじゃん…」
え?むつ…?
北斗「頭打ったし、痛み止め飲んだとこだったし、落ち着いたら思い出すんじゃん?」
…あっ
そうだ…。むつと修二…
俺が間抜けな顔をしたからだろう、北斗が呆れたようなそれでいて何処かホッとしたようなため息を漏らす。
北斗「思い出した?」
華南「あ…あぁ」
そうだ…、むつがすげぇ〜剣幕で「誰にやられた!」って言うから頭に響いて…
結局襲われたは襲われたけど、そこは無傷だったのに最終的には階段から落ちて怪我したから…落ち着かせて話をしようとしたけど…むつのやつ怒鳴ってばっかで看護婦来て怒られたっけ…
華南「…2人は?」
北斗「とっくに帰ったよ。来たの8時半とかだし」
あーやべぇ、2人に連絡しなきゃ。
華南「…俺の携帯は?」
キョロキョロ見回したが、俺の携帯も、斜めかけのボディーバックも見当たらない。
北斗「あー、それなら東紫が持って帰った、携帯充電切れてたし…、取ってきてあげるよ。…そういえば携帯は届けてくれた人が…」
看護婦「橘さん」
カーテンの向こうに看護婦と医者が現れた、返事をすると、すぐカーテンが開け、若くない看護婦と爺ちゃん先生。
ちょっとした検査をして、後で脳を検査をして、様子見のため1日入院だと聞かされた。
医者と看護婦が出て行くと、北斗がリュックを背負って帰るようだった。
北斗「携帯以外欲しいものある?取ってくるよ」
華南「お前に優しくされると後が高そうだな…」
北斗「修二さんとむつさんどっちか貸してよ」
華南「てめぇ!アッ…たー…」
ニヤリと笑った北斗に腹を立てたが、叫んだ拍子に頭がズキリと傷む
華南「…ってゆーか、お前は男が好きなのか?」
北斗「ううん、女の子大好きだよ。でもむつさんも修二さんも可愛いしイけそうだなって…、むつさんのチアガール可愛いくて女の子みたいだったしし、修二さん綺麗系だし髪長いから女みたいじゃん?」
…なんだ、興味の範囲から出てないな…。2人が可愛いのは認めよう、そらそこかしこにライバルが現れる超絶可愛い2人だ、惹かれるのは当たり前だ…。だがしかし、そんな興味で2人に近づけると思うなよ、いろんな意味で無理だから。
華南「お前じゃ2人の可愛さは引き出せない…」
北斗「うわっ…ノロケ?鼻の下伸びきってキモいんだけど、…本気なの?こないだの風呂前の慌てようといい、毎日のオナニーといい…」
華南「はあ?!痛ッ…」
いててて…、なんで毎日なんて知ってんだ!?
北斗「ベタ惚れじゃん…。だらしない顔して、いつものお姉様との時みたいにサラッとイケメン面が跡形もないけど…」
と、何時もの調子で俺をけなしにかかってた北斗が、何かを思い出したみたいだ
北斗「…いつもと違うで思い出したけど、修二さんって怒るんだね」
華南「は?そりゃ人間だから怒るだろ」
北斗「んー、修二さんてチャラっとしてていっつも余裕じゃん」
北斗よ、それは修二の仮面だ。
中身は激しい山の空、俺的には超純情可憐で可愛い、超エロ可愛い…。
北斗「東紫が言ってたよ、怒ってるの初めて見たって、黙ってるのに目がすっごい怖くて、華南の状態見て襲われたと思ったんだろうね『許さない』ってむつさん置いて飛び出してったって…」
華南「は!?、痛ッ!」
修二が!?………
嫌な汗が一気に吹き出し、最悪の想像が頭をよぎる。
修二とむつがココに居たのは午前8時半、今は午後の1時過ぎ。約5時間立ってる!?
華南「北斗!携帯!携帯貸せ!」
北斗「え?、むつさんが説明しに追いかけてったよ」
華南「修二に電話する!」
北斗「いいけど、僕、番号知らないよ」
NOー!!
ヤバイ!!修二がヤバイ!!
修二『…大丈夫、2人に危害は加えさせないから』
修二!!
俺のテンパり具合に気を利かせた北斗は、自分の携帯を俺に手渡す。
北斗「携帯、使えるところに移動してなよ、今家行って番号分かったら電話してやるから」
北斗それは名案です!!
ヤバイ!!
修二はきっと
誤解してる!!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
270 / 1004