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俺たちの秘密〜むつ〜
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百目鬼が、俺たちに迫ってくる。
その時、フロントロビーに居た人物が、俺たちと百目鬼の間に立ちはだかった。
百目鬼「!!」
百目鬼は相手の人物が目に入ると、表情が一転して驚き、一瞬目を見開いた。
その人物は仕事着の黒ズボンに白のワイシャツのまま、手に丸めたエプロンを握りしめ、にこやかに青筋立て狂気にも似た殺気に包まれていた。
奏一「よぉ、神」
百目鬼「…そ…いち…」
驚いて名前を零したかと思ったら、百目鬼は喉を引きつらせハハッと笑う。
奏一「驚いてるのか?違うだろ?」
百目鬼「驚いてるよ、お前が1人で乗り込んできたことに…」
修二「兄貴…」
奏一「行け!」
奏一の登場に修二が迷いなく外に足を向ける。
俺と修二は手をつないだままホテルの外へ飛び出し、目の前のタクシーに飛び乗って逃げた。
赤い首輪に乱れたワイシャツ。
エレベーターで直してたようだが、今見ると途中ボタンがはめれて無い。
車内で修二の格好が格好だったから運転手に不審な目で見られたが睨みつけてやった。
修二の携帯が鳴って出たら、谷崎からで、ホテルに修二を保護しに行ったが間に合わず入れ違いになったらしく、保護するからそのまま谷崎のマンションに向かうように言われた。
行き先を変更し、谷崎のマンションに向かった俺たちをバイクで先回りした谷崎が迎えて部屋へ案内してもらった。
2LDKこざっぱりした部屋、玄関で小刻みに震える修二の顔を谷崎が覗き込む。
谷崎「平気か?」
修二「平気だよ、何ともない」
取り繕った顔で笑ってる修二に谷崎も気づいていたが、そうか、と短くこぼして俺を見た。
谷崎「お前は?」
むつ「俺は何も…」
谷崎「そうか、修二が落ち着いたら家に送るからな」
修二「僕は何ともないから」
むつ「はぁ?!何ともあるだろうが!先生、部屋貸せ!」
今すぐ抱きしめて安心させてやらなきゃ!
まずそれが第1だ、谷崎の前じゃ修二のチャンネルはきっと変わらない。
谷崎「落ち着け」
修二を引っぱって一番手前の部屋に修二を押し込む。
むつ「谷崎は全部知ってんだろ?俺は何にも知らない」
谷崎「でも今は…」
むつ「今聞かないでいつ聞くんだ!」
修二「…先生。話を…するから、時間を下さい…」
谷崎が心配そうに見つめる中、修二は扉を閉めた。
修二「巻き込んで…ごめん…」
背中を向けて謝る修二の顔を俺の方へ向ける。
チャンネルのスイッチが入りっぱなしでいやがった。これでどうやって本音で話し合うってんだ。
入った部屋は寝室。
俺は修二を引っ張ってベッドに座らせて抱きしめた。
やっと手が届いた。これで少しは落ち着いて…
しかし、震える修二は、俺に抱きしめられても震えが止まらず、いつまでも瞳が真っ黒のまま…
…なんで?
怯えた表情が見え隠れする修二の仮面を剥がすべく、修二を抱きしめたまた唇を寄せる、修二は、ビクッと肩を揺らしたけど、抵抗はしなかったのでそのまま唇を重ねた。
優しく確かめるように。
修二が安心するように。
修二「…ん…」
ーチュッチュッ
修二「ぁ…」
ーチュッチュッ
ついばんで、舐めて、修二が綻びだしたのを見てワイシャツに手をかける。
ビクッと修二が肩を揺らす。
むつ「消毒」
優しく胸を舐めると、ビクビク震える体、真っ赤になった修二の瞳が揺れている。
俺がズボンに手をかけると、修二に止められた。
修二「そっちは触られてない」
むつ「揉まれてたじゃん」
修二「服の上からだし…」
修二の瞳の中から、真っ黒な悲しい色が消えない。怯えてるように震える体も一向に収まらない。
なんで?
いつもだったら抱きしめたらすぐに消えるのに、チャンネルだって、キスしたらすぐに変わるのに…
俺はもう一度修二の唇にキスする。キツくキツく抱きしめて体を密着させベッドに優しく押し倒し、手を縫い止めた。
荒い息を2人で響かせながら、その息を落ち着かせるために、また唇を重ねる。
キスして、抱き寄せて、体の密着部分を増やすようにしてると、ゴリっと俺の硬くなったものが修二の太ももに当たる。修二が視線を俺のに落とした。
修二「むつの…勃ってる…」
むつ「は?そりゃお前とキスしてるんだ勃つよ」
修二「…気持ち悪くないの?」
むつ「は?なんで…」
修二「…百目鬼の言ったことは本当だよ…。僕…むつが初めてじゃない…色んな人と寝た…」
むつ「百目鬼が無理やり…」
修二「…」
むつ「…話せよ、初めっから全部。百目鬼の言ってることじゃ訳分んねぇよ、信じらんないことばっか…俺…お前を助けらんなかったのか?」
修二「…人間は、信じられないことが起こった時、まず脳が否定から入るんだ。むつが混乱するのも無理ないよ」
力無く笑った修二。
痛々しい表情は、何かを諦めてるようだった。
修二「…中1の時、百目鬼さんに知り合って。ある日2人っきりになって…、押し倒されて強姦された」
冷たく響いた言葉に、俺は自分の体制を思い出す。修二をベッドに押し倒して、手を縫い止めて動けなくしている。
一瞬にして青ざめた俺は、修二の上から飛びのいた。
修二はピクリとも動かず、ベッドに寝たまま言葉を続ける。
修二「百目鬼さん僕の兄貴が好きだったんだ。僕と同じで男に惹かれることに悩んでて、衝動が抑えられなかったって終わってから泣いて謝ってきた。…ぼくもずっとむつが好きだったから、気持ちのやり場に困ってて。気持ちわかったから、泣いて謝る百目鬼さんを憎めなかった」
はぁ?なんだそれ?憎めない?憎めよ!!お前を犯した男だぞ!?
修二「僕も同性が好きだってバレて。それからしばらく、2人で会うようになって、僕の話を聞いてくれた。男のむつが好きだって誰にも話せなかったから、なんだか百目鬼さんといるの楽だなって感じちゃってて。そしたら、出会いをやり直さないかって、お互い叶わぬ恋だけど、慰め合わないかって言われて……お互いを好きな人の代わりにして寝たんだ」
は?なんで強姦魔と仲良くなるんだ?
なんで俺に告白しないで強姦魔と仲良く出会いをやり直す?
なんでそんなやつと寝るなんて発想になんだ?
修二「お互い傷を舐め合うみたいに体を重ねて、百目鬼さんSM趣味で、セックスの時相手を縛ったり虐めたりして快楽を得るんだ。だから段々とセックスがアブノーマルになって、それでも僕は平気だった、そこにしかゲイである自分の逃げ道がなかったから。半年、半年百目鬼さんとそんな関係を続けた。そしたらある日『お前が好きだ』って言われた。僕は……むつを…忘れられなかったから謝った、ごめんなさいもう終わりにしましょうって。そしたら、もう言わないから終わりにはしたくないって。でもさ、片思いが辛いの知ってるから、はっきり言ったんだ。やめたいって。そしたら百目鬼さん怒っちゃって」
むつ「…」
修二「…ふふっ…自業自得なんだ」
…。
修二「僕が悪いんだ。彼を好きな人の代わりにしてたから。縛られて散々イかされて、それでも寄りを戻すって言わなかった。気がついたら男たちに囲まれてて、…輪姦されて…。ごめんね…その時…凄くに混乱してて、むつの名前を呼んじゃったんだ…ごめん」
むつ「…」
修二「輪姦されたって言っても、別に血が出る程酷いことされたとかじゃ無いよ、百目鬼さんがシた後でガバガバだったし…媚薬とか飲まされて訳分かんなくなってて…、その後は、何されても気持ちいいだけだったし、自分から股開いて強請った。百目鬼さんの言った通り、僕は淫乱なんだ。躾直すってプロの調教師呼ばれて、縛られて薬とかオモチャ使われて、時々傷がついたりしたけど、全部気持ちよかった。毎日快楽に溺れてたんだ。一週間閉じ込められた。兄貴や谷崎に助け出されるまで…」
想像もつかない…、男達に輪姦される苦痛。
いつか吉良さんが持ってきたDVDに男同士の強姦調教ものが混じってた。
それはそれは見るに堪えない悲惨なセックスだった。
調教として1人を縛り上げ、いじくりまわして、ムチで叩いてロウソク垂らして、オモチャ突っ込んで、泣いて嫌がる受けの不良に笑いながら後ろに肉棒突っ込んで、痛がっても泣いてもガンガン突いて、代わる代わる休ませず、後ろに前に…最後はアンアン喘いで欲しがって…、精液かけられまくって、お尻に奴隷便所って油性ペンで書かれてフェードアウト…
そんな経験を修二がしたっていうのか?
むつ「…じゃ…、学校に二週間来なかったのは…」
修二「一週間は拉致られて…、そのあとは、跡や傷がいっぱい残ってたから…」
……。
修二「……」
……。
修二「……軽蔑した?…えっ!?」
何も言わない俺に、修二は視線を向け。ギョッとした修二は慌てて起き上がった。
足元に、雫がぼたぼた落ちてくる。
修二「むつ!?何で!?
何でむつが泣いてるの!?」
…俺…泣いてる?
両手で目元に触れる、生暖かい透明のものが指を濡らす。大粒の涙がぼたぼたと、後から後から溢れてきた。
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