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調教師と俺たち
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7月27日日曜日朝。
携帯が点滅していて手に取った。
修二からのメールで、昨日の夜のものだった。
《昨日は心配かけてごめんね。百目鬼のことはもう大丈夫だから。あっちはそれどころじゃなくなったみたい。谷崎の家にいると落ち着かないから、明日はランチタイムのバイトに行ってくる、兄貴には了解とったから心配しないで》
という、なんともふざけた内容。
百目鬼のことが大丈夫な訳ないだろう。あいつは修二にえらい執着してる。ちょっとやそっとじゃ諦めないだろう…。
俺が起きた時には、修二はもう電話に出なかった。バイトに行っちまったんだろう。
俺は修二のバイト終わりに捕まえようと思って少し早めに3号店へ向かった。
はずだった…。
なぜか今、こいつと2人でお茶してる。
マキ「ぎゃはははは♪むつ君『インポ(小声)』になっちゃったの〜♪超ウケる〜♪君たちって本当に面白いねぇ〜♪」
むつ「うっせーマキ!!笑い事じゃねぇーんだよ!」
ゲラゲラ腹を抱えて笑うマキをギロリと睨みつけるが、マキには俺の睨みは全く効かない。
道端で偶然歩いていたこいつに出くわし、逃げる暇もなく捕まった。
いつもみたいにオモチャをくれようとしたこいつに「今は使えない」って言ったら、勃たなくなったのがばれた。
マキ「あは♪ごめ〜ん、バカにしたんじゃないよ、ただ…くっくっく、繊細だなぁ…あはっ…てぇ…ふふ」
こっちにとっては重要な問題なのに、マキにはまるで真剣味がなく、笑すぎて目に涙を浮かべる始末。
むつ「バカにしてんじゃねぇか」
マキ「フッ、してないって、原因は修二でしょ?」
むつ「え!?」
突然核心を突かれ、驚きで目を見開く。
相変わらずへらへらするマキは、なんでもお見通しだという風に目を細め、笑った。
マキ「やっぱね、おおかた自分が初めてじゃなくて、前の男に調教されてたこを知っちゃったんでしょ?」
むつ「何で分かる!?」
驚く俺をよそに、足組みして背もたれに寄りかかり、まるで見てきたみたいに次々言い当てるマキ。
こいつ、なんで知ってんだ?
修二から聞いたのか?いや、修二がマキに話すメリットがねぇ…。
マキ「ふふ、やっぱり…、そんなの体見りゃすぐ分かるよ、僕プロだし。それで?むつ君はドン引きしちゃった?」
むつ「しねぇーよ!」
速攻で否定すると、マキは深い色の瞳を細めて微笑み、まるで信じてないと言った感じに口角を上げる。
マキ「じゃあ、なんで勃たなくなっちゃったの?」
むつ「知らねぇよ!」
睨みつけても、声を張り上げても、マキはまるで小さい子供を見るように、微笑む。
なんでもかんでも知った風にへらへらしやがって、俺は修二に引いたとか、軽蔑したとか、好きじゃなくなったとかじゃ絶対ない。
マキ「でもさぁ、このまま治んなかったら、修二と付き合ってる意味ある?」
むつ「はぁあ!?それってどんな意味だよ!俺は別れる気なんか微塵もない」
マキ「え〜、エッチできないんだよ?それでも付き合っていけんの?」
さっきまでは、なんでもお見通しみたいな態度だったのに、今度は子供みたいにテーブルに頬杖ついて口を尖らせた。
むつ「お前の頭は馬鹿なのか!エッチできなきゃ別れんのか?」
マキ「馬鹿ではないけど、エッチ出来ない彼氏はいらないなぁ〜」
まるで壊れたオモチャを捨てる話みたいに簡単に言って笑う。
こいつ、前々からおかしいやつだとは思ってたけど、やっぱりぶっ壊れてんのか。
むつ「それはお前が相手のこと本気で好きじゃないんだよ!ってか、お前、まともな恋愛してこなかったんだろ?」
マキ「…ふふ、何?俺の話?普通だよ普通」
むつ「普通?お前には修二より真っ黒い何かを感じる」
こいつに2度目に出くわした時、確かに真っ黒い瞳を見た。
マキは俺の言葉に少しだけ驚いたが、すぐにいつもみたいにすぐにへらへらと笑った。
マキ「……ふっ。むつ君、俺が直してあげようか?」
むつ「は?治せんの?」
マキ「何人か治したことあるよ、僕の舌使いで勃たなかった人いないんだよ?」
ペロッと赤い舌を出して指差す。
またしても意味ありげに妖艶に笑うマキに、俺はガッカリした。
むつ「なんだよ…、治すってそういうことかよ、そんなんじゃ治るわけねぇじゃん」
マキ「何で?やってみなきゃ分からないじゃん」
むつ「確かにお前は上手いけど、そんなやり方なら、華南にやってもらうし」
マキ「えー、僕の方が絶対上手いよ」
むつ「いや…上手いだろうけど、お前にフェラされるくらいなら勃たなくていいよ」
マキ「…ひど〜い、あんなにイチャイチャした仲なのにぃ」
むつ「どんな仲だよ!いっつもお前が無理やりあれこれするんだろ?」
そもそも、こいつと絡もうとは思わない、こいつはいつも遊び相手を探す子供みたいで、いちいち付き合ったら体が持たない。
マキは楽しそうに笑う。
マキ「そうだっけ?でも修二は喜んでくれてるもんねぇ」
むつ「喜んでねぇよ!」
マキ「えー…、こないだだって僕が耳元で囁いただけでふるふるしてたし♪」
むつ「アレはお前が華南の香水なんか使うからだろ?」
マキ「そうだ!勃たなくても、修二をメロメロにしちゃう方法教えてあげようか?」
むつ「修二は俺にメロメロだよ」
マキ「…まだ勃たないの言ってないんだろ?言ったら、捨てられちゃうかもしれないね」
むつ「それは絶対ない」
マキ「言い切るネェ…」
むつ「修二は俺にベタ惚れだ」
マキ「えー…、でもエッチ無しで付き合っていける?修二はエロエロちゃんだからきっと物足りないよ?華南とラブラブになっちゃうかもねぇ」
むつ「っ…」
確かに、この先勃たなかったら、エッチするのは華南と修二だけになる。エッチなことになるたびに、俺だけ見てるだけ…。
マキ「僕の持ってるオモチャいっぱいあげるよ♪使い方も教えてあげるし♪むつ君もイチャイチャに参加できるし、エロい修二も満足、一石二鳥じゃない?」
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マキ「っという訳で、好きなオモチャをあげるから選んで?修二♪」
修二「っという訳でって、何も説明受けてないけど!?ってか何でマキとむつが一緒にいた訳!?」
バイト終わりの修二を、マキと2人で出迎えた、修二は驚いていたが、何の説明もしないまま、修二をマキのマンションに連れてきた。
マキ「僕と遊んでくれる約束したじゃん」
修二「いや、したけど」
マキ「だから一緒に遊ぼ♪オモチャいっぱいあるから」
そう言ってクローゼットを開けると、大量のオモチャが溢れ出てきた。
修二「はあ!?ってか!オモチャって大人のオモチャじゃん!!いらないよ!!」
マキ「えー、修二の気に入りそうなのいっぱいあるのにぃ…、コレとか…」
そう言ってマキが取り出したのは、華南くらいでかいナニにパールの付いたもの。
修二「いらん!」
マキ「え〜、パールの嫌い?イボイボもあるよ?」
修二「だからいらないって……ん!?」
楽しそうなマキと迷惑そうな修二。しかし、修二が突然動きを止めて、何かに気づいたらしく、鼻を摘まんだ。
修二「まさか…」
マキ「あれ?気付くの早いなぁ…」
修二「香水?」
マキ「ふふ、分かる?」
むつ「は?何?」
2人の会話の意味がわからず首を傾げる。そうしてる間に修二の顔はみるみる赤くなった。
マキ「アロマを焚いといたの。そこにちょこっと香水も混ぜといた♪」
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