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狭い世界の外側と俺たち〜むつ〜
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修二が来た後、晴天が続き、バイトは忙しく、日々は目まぐるしく過ぎた。
何日も海のバイトをして、色々知った。
仕事って大変だってこと。
女のを可愛いとは思うけど、その先はまったく無いこと。
幼稚園からずっと一緒の修二と離れたら、俺には結構ダメージあること。
修二も、寂しいと思ってくれてること。
修二が我慢できなくなると凄いこと。
むつ「なっ、俺、色々学んでるだろ?」
修二『ッ〜〜〜』
電話の向こうで修二が絶句している。
色々あったが、いよいよ明日が最終日。
明日は、俺たちの仕事終わりの夕方に修二が海に来る予定。
むつ「明日が楽しみだな!、修二ももちろん楽しみだろ?」
修二『…う、うん』
むつ「何だよ!楽しみじゃねぇのかよ!」
修二『もう!楽しみだよ!ッ…、でも!人のこと寂しがりやとか!凄いとか言われたら、まるで僕ちゃんがソッチを楽しみにしてるみたいじゃんか!!』
むつ「…え?、そっちも楽しみだろ?」
修二『ッ!ヤらないから!もう、宿でヤったりしないから!!』
華南「心配するなよ、そこらへんはちゃんと調べておいたぞ。修二声デカイし、たっぷり聞きたいから休めるとこ探しといたぞ」
むつ「流石、エロ魔人」
修二『馬鹿!!もう切るからね!!』
むつ「オイ!じゃあ修二は俺たちと海に行くの楽しみじゃないんだな!」
修二『ッ〜〜〜!!楽しみだよ!!』
華南「あはは、心配すんなよ修二、俺とむつでちゃーんとデートコースは考えてあっから」
むつ「そうそう、俺たちがエッチばっかりじゃ無いってところを見せてやるから。もちろんお仕置きしてからな!」
修二『あ…、覚えてたんだ…』
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最終日、時計の時刻は15時12分…。
ソワソワする。
もうすぐバイトが終わる。
終わったら修二を迎えに駅まで行って、せっかくだから海辺を散歩して、会えなかった分きっちりチューして、お仕置きもしてやるんだ。
奈々「むつ君今日は、超気合入ってんね」
吉良「…あー、ほっとけ、どうせ頭の中ピンク色だから」
奈々「あっ!もしかして彼女?彼女が来るのかな!?」
店長「そうなの?彼女来るの?サプライズで送別会計画してたけど、送別会来るかな?彼女と一緒ならデートかな?」
奈々「聞いてきます!!」
奈々が、鼻息荒く今日の予定を聞いて来た時は、どうしようかと思ったが。
店長達が送別会を計画していてくれたと知り、スッゲー嬉しかった。
華南と相談して、修二を連れて夕食がてら参加することにした。
海辺を散歩して、飲み会して、それからラブホ行って…
デートって、何していいか分からなくて、色々考えたりしなきゃいけなくて大変だと思ってたけど、好きなやつと出掛けるのは、大変より楽しみが勝つんだなって改めて実感する。今日はエッチするけど、明日はエッチなしでちゃんとしたデートコースを考えてある。
早く、早く、上がりの時間になんないかなぁ?
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副店長「むつくーん、華南くーん、上がっていいよ。修二君迎えに行くんでしょ?フフッ、さっきから時計ばかり見てる」
むつ「いいんすか!?」
副店長「ちょっと早いけどいいよ」
副店長の計らいで、当初の上がりの時間より少し早いが、上がらせてもらい。すぐに着替えて、駅に向かった。
修二は、奏一さんの友達が、駅まで車で送ってくれる予定だ。
駅に着いたらメールくれるって言ってたから、まだ来てないかな?修二のことだから、約束より早く来ると思うんだけどな。
華南「ハハッ、むつソワソワし過ぎだよ。まだメール来てないから着いてないだろ?」
むつ「うっさいな、なんかちょっと緊張すんだよ!」
華南「くっくっ、嫉妬の次は、恋しくて恋しくてか?」
むつ「はぁ?」
華南が楽しそうに笑ったのにムカついて、華南をこずいたら、華南は一層ニコニコしやがって、イラっとした。
その時だ。
「たちばな、かなん?」
怯えたような声が背後から聞こえて、俺と華南が同時に振り向く。
華南「あっ」
呼び止めてきたのは、数日前俺が退治したナンパ男の1人。なぜか顔色が悪い。
ナンパ男「あんた、たちばなかなん?」
華南「だったら?」
華南が答えると、ナンパ男が青ざめながら俺たちをキョロキョロ見る。
すると、俺と華南を挟むように、いつぞやの強面が4人現れた。
強面「華南君、会いたかったよ、こないだの車がへこんじゃってね、弁償して欲しいからちょっとついて来てくんない?」
むつ「ぶつかったのはそいつだろ!」
俺が目の前のナンパ男を指差すが、強面の男たちは笑って、俺と華南の肩に手を回す。
強面「高級な車だったから、彼だけじゃ払えないってよ」
華南「…なんで名前…」
華南が質問しようとしたら、聞き慣れた声が響いて、さらに俺たちの周りに人が増えた。
キラリ「すいませ〜ん。私らの連れに何か用ですかぁ?」
ふ、副店長!?それにこの人達は??
若者達を引き連れて、副店長キラリが、110番の番号が入力済みの携帯をチラつかせて現れた。
強面「なっ!」
キラリ「恐喝ですか?人攫いですか?ウチらのメンバーに手を出すなら、それなりの報復を覚悟してくださいね」
キラリがお店のTシャツの肩口をめくると、赤い朱雀の刺青が現れる。
朱雀の刺青を見て、強面の男たちは、眉をしかめ、睨み合ったが、不利だと判断したのか、焦ったように退散していった。
キラリの指示で、数人が強面の後を追う。
は?何?何が起こってる?!
キラリ「あは、ビックリした?もう大丈夫だよ」
華南「あ、あいつらは?!」
キラリ「気にしない気にしない、時々柄の悪いのがウロウロしてるから、ウチのチームで見回りしてただけ。それより行くところあるでしょ?」
むつ「あっ!」
華南「チームって朱雀?」
キラリ「ああ、元朱雀ね、はみ出し者はなかなか社会に溶け込めないからね、仲間でお店を経営してるってだけ、まぁ、詳しくは後でね、ほら、待ち合わせあるでしょ?」
キラリに見送られ、駅に着いた。
待ち合わせには少し早く、修二の到着を知らせるメールも無い。俺は、とりあえず、待ち合わせ場所で待ってるってメールした。
華南「驚いた…副店長が元朱雀?」
むつ「俺たち、もしかして見張られてた?」
華南「うわー!奏一さんの掌だった訳か!」
むつ「ハァー、敵わねぇ」
ってことは、あれか?吉良さんも店長の本田さんも朱雀の関係者?
えー!でも、店長の本田さんは喧嘩できるようには見えない…。吉良さんは?
うわー、訳わかんねぇー。
頭の中が混乱する中。俺の携帯がメールの着信を知らせる。修二だろうと思い開いたら。
確かに修二だったが、メールの内容に驚く。
むつ「は!?何で!?」
華南「どうした?」
むつ「意味わかんねぇ!スゲー楽しみにしてたのに!」
メールには、こう書かれていた。
《8月10日(日)15時52分
バイトでトラブルがあり、今日は行けなくなった。ごめんねm(_ _)m 修二》
【狭い世界の外側編終了。つづく】
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