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俺たちを壊す媚薬〜修二〜2
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8月10日17時30分頃
鈍い、叩きつけるような音と、低いうめき声に目が覚めた。
だけど、目の前は真っ暗で、僕は目隠しをされていた。頭が痛い…、動けない…。横たわる体を動かそうとしたが、手を後ろに縛られていて動けない。
ーゴスッ、ドカッ!
「グッ…ぅっ!…」
ここは…?誰かが殴られてる?
男1「起きたか?」
突然至近距離で知らない男の声がして、思わず声のした方を振り返った。
男1「悪いね、ちょーっと聞きたいことがあるんだ、大人しくしてな」
男2「おー、起きたか、随分寝てたね」
僕ちゃんに薬品なんか使うからだし…。しかも昨日はろくに寝れなかった。
随分寝てって、今一体何時?
矢田「その人に触るな!」
男2「黙っとけボケ!」
凄みのある男の怒声と同時に、蹴りつける音がして、矢田が呻く。
男1「ねぇ、君、百目鬼とはどんな関係?」
修二「…」
男1「嘘だけはやめてね、めんどくさいから、ちなみに兄弟はいないし、友達って言うには年が離れすぎてない?」
めんどくさいのはコッチだし…。
時間が分からない。場所も。でも、こいつらの声の響き方、結構広い空間だ。倉庫の中?
男2「怖くて口がきけない?2・3発入れれば口が軽くなるんじゃん?」
男3「いっそ、体の一部を百目鬼の事務所に送りつけたら?
こんなことが日常的なのだろう。残忍な内容を軽いノリで話している。
この部屋にいるのは、多分3人。
ーピリリリ♪ピリリリ♪
携帯音に、僕の真横の男が鼻で笑って携帯に出た。
男1「よぉ、百目鬼さん。随分逃げ回ってくれて。うちの頭がお世話になりました。
・・・。ははっ、矢田君?元気ですよ?
・・・。フッ、随分手厳しいこと言いますね、可愛い下っ端でしょ?、コッチの条件呑んでくれるなら、仲間は返しますよ。ああ、後、もう一人預かってるんだけど、名前はね、修二君。知り合いだよね?」
ニタニタしていた男の声、その声が突然不機嫌に低くなる。
男1「知らない?そんな訳ないだろ。とぼけんな!・・・。ッオイ!・・・。チッ、切りやがった」
男3「とぼけるほど大事な子か?」
男2「付き合ってる女の弟とか?」
男1「まぁいい、矢田の反応をみりゃ知り合いなのは一目瞭然だ」
百目鬼さん、多分こっちに来るだろう。僕はともかく、仲間の矢田さんを見捨てたりはしない。
僕ちゃんは、こういうのには慣れてる。
兄貴が朱雀に現役だった頃、強い兄貴へ手が出ない奴らが報復に度々僕を狙う。
大抵、むつがやっつけちゃうんだけど。時には捕まって殴られたりもした。だから、怖い目にあっても、たいして怖くない。むしろ冷静でなければ、逃げる機会を失う事もある。
今回はヤバそうだから、兄貴が助けにくるまで大人しくしてるのが無難だろう。僕にはGPSが付いた指輪がある。
それから暫く、男たちは矢田に「百目鬼の居場所を吐け」「あいつの弱味を言え」と散々リンチして。それでも矢田は口を割ることがなく。とうとう痺れを切らした男たちが、僕ちゃんに手を上げた。
目隠しされたまま立たされ、平手で何度か殴られて、倒れたら。矢田は耐えかねて百目鬼の居場所を吐いた。
矢田「頼む、その子は無関係だ!」
男1「解放させたきゃ、代わりに百目鬼の弱点を教えろ」
矢田「し、知らない!本当に知らない!俺は百目鬼さんの運転手で、仕事のことは知らないし、プライベートは話さない人だ!女を送り迎えしたこともない!!」
男1「やっぱり、修二君の体の一部を送りつけた方がいいかな?」
矢田「子供を巻き込むな!」
男1「チッ、これじゃあ百目鬼の野郎に復讐できやしない」
男3「すいません!ちょっと!」
慌てた様子で入ってきた男が耳打ちすると、男の声が青ざめたように慌て出す。
男1「ハァア!?2・30台のバイク!?」
兄貴だ!
男1「族?…百目鬼のやつ地元のコネ使いやがったか、オイ!地下使って逃げるぞ!この2人を連れてけ!」
それは、ごめんだね!
僕ちゃんは事前に緩めておいた縄を解いて目隠しをとった。
部屋にいたのは男が2人、僕ちゃんは、初めに飛びかかってきた男の股間に強烈な膝蹴りを入れてやった、男は呻いてうずくまり、僕は出口へ走る。
背中を見せれば必ず後ろから追ってくると思った。ドアの前でもう一人の男に肩を掴まれる前に、体を翻しミゾオチ目掛けて蹴りを入れ、後ろから来たやつを沈めてやった。
ボロボロで床に転がってる矢田が感心したように、「すげェー」と零す。
男2人が床に寝てる間に逃げようと扉を開けようとしたら、なんと鍵がかかっていた。
しまった!目隠しされてて気づかなかった!…でも。兄貴がもうすぐくるし、他が入ってこないのを考えると閉めといた方がいい?
矢田「鍵は、コッチの男のポケットっす」
矢田がボロボロの体で横たわったまま、最初に倒した男を、拘束された手で指す。
矢田を警戒しながら、男のポケットを漁ると、確かに鍵が出てきた。
矢田はきっと悪い人じゃない…、このままっていうのは…、せめて縄を解こう。
矢田「な、何してるんすか?…逃げてください、外の奴らが来たら…」
修二「縄外すだけ、表の奴らは兄貴達にすぐ捕まる。外のバイクの声援は、ここら辺を仕切る朱雀に関わる族の人間だ」
矢田「…あ…あの…朱雀?」
修二「あんたも逃げた方がいいよ、朱雀は百目鬼と敵対してる」
矢田「あは、はは、それで…それで百目鬼さん変装を…?…そうまでして会いたいあなたって…、…お願いです、電話でいいんで声を聞かせてあげてください」
こんな状況なのにそんなこと言うなんて、この人相当お人好しだね。
修二「あんたも懲りないね。僕ちゃん絶対に嫌だよ!」
ーバタン!
男「人質は?車出すぞ!…なっ!」
しまった!裏口!?
目隠しされ、部屋の間取りを観察し損なったから、裏口の存在に気がつかず。
新たな男が入ってきてしまった。
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