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番外編③泡になって消える狂愛に口づけを
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百目鬼神(どうめきじん)
・190cm・ガタイのいい強面
・27歳・不器用、サディスト。好きな人をいじめてしまう。
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百目鬼は、メイの〝声〟に固まって目を奪われ言葉が出ない。
見つめられたメイは困惑しながら目が離せないでいる様子。
………。
出会いとは、唐突で、一瞬だったりする。
運命的…?偶然?。
百目鬼さんはメイちゃんに興味を示した。
メイちゃんも、百目鬼さんに目を奪われている。
恋の始まりは、些細なことでいい、相手に興味を示しているなら、後は走り出せば、勝手に始まる。
メイちゃんは、オラオラ系がタイプだ。
百目鬼さんは、修二に声が似てるメイちゃんなら次に入りやすい?
百目鬼さん…面白いからもう少し遊んで欲しかったんだけどなぁ………。
ってか百目鬼さん、まだ固まってるし…。
マキは小さくため息をついて、めえいっぱい明るい声で玄関のメイに抱きついた。
マキ「あ〜ん♪メイちゃ〜ん♪お迎えありがとう♪嬉しいィー♪」
メイ「ちょっ…マ、マキ!なんて格好ですか!?」
マキ「だって朝シャンしようと思ってたんだもん♪。百目鬼さん、この人メイちゃん♪彼氏いない歴史23年の大和撫子だよ♪」
百目鬼「…」
メイ「ちょっちょっと!いきなり何ですか!」
マキ「メイちゃんゴメンねぇ〜、せっかく迎えに来てくれたけど、僕、出掛けることになったからぁ♪」
メイ「え!?…先生はそんなこと…」
マキ「今さっき、決ったんだぁ♪そうだよね、百目鬼さん♪」
マキの圧に押され、百目鬼は思わず返事した。
百目鬼「あ、ああ…」
マキ「ほら、ね?あっ、メイちゃん、朝ごはん食べた?食べちゃったならコーヒー付き合って♪僕、今からなんだぁ♪♪」
メイ「えっ?えっ?」
マキ「下のレストランで待ってて♪ね!♪」
メイ「あ!マキ!」
ーバタン!!
マキは扉を閉めて、大きく息を吐いた。
百目鬼は、今だ間抜けに唖然と扉を見つめる。
多分…声にも驚いたんだろうけど…、見た目も好みだったんだろう…。
マキ「百目鬼さん」
百目鬼「…なんだ」
マキ「メイちゃん紹介してあげるよ」
百目鬼「は?」
マキ「好みだったんでしょ?」
百目鬼「お前何言ってるんだ、俺は興味ない」
マキ「メイちゃん、マゾなんだ」
百目鬼「…、だからなんだ!」
マキ「大学まで普通にって、頑張ったみたいだけどぉ、目が行くのは男ばかりで、それに好んで乱暴な奴のそばにいちゃうからヤバいのに目をつけられて、でも離れられなくて、ボコられてうずくまってるの俺が拾って来たの。修二と同んなじ迷える子羊ちゃん」
百目鬼「…」
マキ「今は、先生のとこで事務員しながら、僕が正しいSMの楽しみ方を色々調教してる。百目鬼さんが怖がらなくても、メイちゃんなら受け止められるよ♪
あ!ちなみにメイちゃん処女だから♪」
おそらく、百目鬼さんは兄貴肌タイプ。弟か妹がいて、面倒を見てきた長男系なんじゃないだろうか?だから自分は乱暴に好き勝手やってるつもりつで世話焼いちゃってて、自然と人が着いてくる人だろう。
そして、メイちゃんはしっかりしてるが、男に目覚めたのは去年、まだ自分や性癖に悩んで迷ってる。迷える子羊でメイちゃん。性癖に悩む百目鬼さんと同じだ。面倒見のいい彼は、修二に似た声で悩んでるメイちゃんのことを、ほっとけなくなるんじゃないかな?
百目鬼「人の秘密をペラペラ喋るな。…それに俺は…」
マキ「それに…俺は?、そんなにすぐ切り替わらない?失恋には新しい恋だよ♪」
百目鬼「…人にいらない世話を焼くなら、自分の世話を焼け!…フッ、お前みたいなのに相手ができるとは思えないがな!」
マキ「・・・。あは♪正解♪僕もそう思う♪」
百目鬼「…(なんだ…今の間は…)」
一瞬下を向いたマキの空気が変わった気がしたが、表情が見えず、変化した空気が何なのか百目鬼にはわからなかった。
マキ「百目鬼さん、昨日僕と寝た代価が払いたいんでしょ?お願い聞いてくれるんだよね♪」
百目鬼「…」
すでに嫌な予感しかしない百目鬼は、マキを睨みつける。
マキ「今日1日僕の言うこと聞いて♪♪」
百目鬼「はぁあ!?」
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マキ「おめかししてって言ったのにぃ!」
レストランのある一階にエレベーターで降り、マキは歩きながらプリプリ怒っていた。
しかし、隣にいる百目鬼も不機嫌だった。
百目鬼「朝食には付き合ってやる、だが紹介とやらは要らん」
マキ「え〜、メイちゃんいい子だよ。男同士遠慮してたら死ぬ時1人になっちゃうよ!」
百目鬼「うるさい!だいたい昨日寝た男に、よく他の男を紹介できるもんだな…」
マキ「あれ?僕が良かった?」
そうゆうことじゃねぇーだろ!とは言う前に。百目鬼はマキをキッと睨みつけてマキの胸ぐらを掴んだ。
しかし、マキの反応は相変わらず、作ったみたいに綺麗ににっこり微笑んでる。
マキ「僕は、連絡くれればいつでも遊んであげるよ、百目鬼さん上手かったし♪僕、腕枕してもらわないと、夜は寝れないんだぁ♪」
百目鬼「チッ、付き合ってられない」
百目鬼は、レストランと逆方向に向かって1人で歩き出す。
マキ「あれ?百目鬼さん、怒っちゃった?ごめんごめんね」
追いかけようとしたが、足がもつれ、マキは何もないところでドテッと派手に転んぶ。
マキ「いったぁ〜。(百目鬼さんのおっきいんだもん昨日は調子に乗りすぎたかも…)」
マキが昨晩について反省していると、苛立った革靴の音が近づいてきて、マキはヒョイっと立たされた。
百目鬼「チッ、どっか痛いのか?…」
付き合いきれないっといった苛立ちの中に、心配そうな瞳が覗く。
あまりにもチグハグのこの男に、マキは好奇心を掻き立てられる。
百目鬼「行くぞ…」
帰ろうとしていたはずなのに、その足はまっすぐレストランに向かい、マキの腕を引く。
強引だけど、優しさが見える。
この人…、マジ面白い♪
マキは、久々に、修二と華南とむつ以来の発掘だと、オモチャを手にいれた子供のように興奮して瞳をキラキラ輝かせた。
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