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番外編【百目鬼神】
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百目鬼神読み切りが長すぎて観覧出来ないと問い合わせがあり、分割したした。
すいませんでした。
welt
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あの先生様は、伝説の調教師様だ。
心理の駆け引きで右に出る奴はいない。
『百目鬼さん、うちのマキに手を出しましたね』
俺が手を出されたんだが、結果はそうなる。
『マキは躾けるのが大変でして、あの容姿だから、色々惹きつけるんですよ。なのに最近無防備に夜遊びに抜け出そうとしてね。どうやら貴方と会ってからはしかにかかったみたいで』
あのマキが…俺に惚れたって言いたいのか?
『貴方、これから潜入捜査でしょ?マキがうっかり会いに行ったりしたら困るでしょう。だから、今、決めてくれませんか?あの子の面倒を見るか、見ないか?』
俺が修二に何したか知ってるのに、そんなこと言って来るなんてどうかしてる。
俺は強姦して、監禁するような男だ…
見るも見ないも、そもそも、はしかならそのうち治る!
俺は自分の心の整理で精一杯だ!!
俺は、修二が…
マキ「ええ!?何その怪我!?」
その声に、心臓が跳ね上がった。
矢田「あっ、あの時の美人さん」
呑気な矢田が、鼻の下を伸ばしてマキをうっとり見つめる。
見ると、マキは薄手のパーカーに、生足!!
な!?何だあの格好!!
よく見ると、ちゃんとズボンを履いていたが、パンツか?ぐらいの生地の短さにマキを睨みつける。
しかし、マキの顔を見ているうちに、自分が落ち着きを無くしているのかわ分かり、慌てて煙草に火をつけた。
目は見ない。
マキに関わらないと決めた。
マキ「…怪我したの?大丈夫?じん…」
百目鬼「お前には関係ない」
この怪我は、受けるべくして受けた。
修二の前に再び顔を出し、修二を傷つけ、むつと華南との仲を裂こうとした報い。
マキには関係のない話だ。
マキ「痛たそうだけど、元気そう♪」
声の印象がこないだと違う。こないだの小悪魔みたいな声じゃない…、どっちかっていうと水族館で見た、あの影のかかった瞳の時の声に似ている。さみしげな…
矢田「平気っす!天罰ですから」
百目鬼「矢田!」
矢田「す、すいやせん」
俺が怒鳴ると矢田が縮み上がる。
こいつ、口が軽いし余計なことばかりする。修二を巻き込んで拉致されたの反省してねぇのか!?
マキ「百目鬼さん、イライラしてるなら、僕に連絡くれればいいのに、また気晴らし付き合うよ♪」
気晴らし…。こいつにとってセックスは気晴らしか…
客と本番禁止だと言っていたが、俺だけとしたとは限らない、あの涙も、しょっちゅう泣いてるのかもしれない、あの涙が俺を思ってとは限らない。
百目鬼「俺は忙しい…ガキはガキらしく勉強してろ、夜更かしするな」
俺に関わるな…。
マキ「無理無理、僕、寝つき悪いから♪」
ほら、枕が欲しいだけだ…。
マキ「百目鬼さんが毎晩おやすみの電話してくれたら寝れるかも♪」
百目鬼「淫売が、俺相手に色目使って商売すんじゃねぇ」
マキ「テヘ、バレたか♪」
泉「…」
泉の視線が刺さってるのが分かる…。
何故だ…、友達ならここはマキをかばうとこだろ。
百目鬼「てめーみたいな淫乱と付き合ってる暇はないんだ、これから潜る」
マキ「うん知ってる♪今度潜入捜査手伝うらしいじゃん♪僕、気晴らし以外も結構役に立つよ、少年とかに情報収集とか、囮とか、使ってよ」
使う!?
俺に子供を使えって!?ふざけんな!
犯罪に巻き込まれたらどうなるか知らないわけじゃねぇだろ!!
マキ「僕、護身術出来るし、結構強いし、足も早いし、美人だし♪」
『マキは、はしかにかかったみたいです』
俺に関わるな!俺に関われば酷い目に遭う!
百目鬼「…色仕掛けで床上手か?」
マキ「…キャ♪褒められちゃった♪」
泉「…」
危機感の無いマキ腹が立ち、目を見ないと決めていたのに、正面向いて詰め寄る。
どんなだけ頭がたりないんだと
しかし、マキの瞳は、真っ黒だった…
黒のカラーコンタクトのせいだけしゃない
。人魚の話しをした時の真っ黒な闇。
…笑うな!そんな瞳で!作り笑いで笑うんじゃねぇ!
子供が裏社会に笑って首っこんで無事でいられるわけねぇんだよ!!
百目鬼「お前みたいな身の程をわきまえないガキが、薬漬けにされて輪姦されて沈められるんだよ!お前も将来、股おっ広げて誰のかわかんないの垂れた流しながらラリって捨てられるんだろうよ!」
傷つけ!今傷ついてどっかいけ!
お前の気持ちなんか知らない!!
小悪魔みたいに笑ったり、無垢な子供みたいに笑ったり、隠れて泣いたり。
俺はお前の名前しか知らない!お前の気持ちなんか知らない!
俺は自分のことし考えない最低野郎だ!
修二を傷つけた、こいつだって見てたはずだ!好かれる意味が分からない!
マキは百目鬼の言葉を静かに受け止めて、にっこり微笑んだ。
マキ「うん、そうだね、気をつけます♪」
な!?
なぜそこで笑うんだ…
百目鬼「ッ…気をつけてどうにかなるもんじゃねぇーんだよ!」
怒りに胸ぐらを掴んだ瞬間、百目鬼の顔色が変わった。
百目鬼「…!、これ…修二の服…」
百目鬼はマキの着ていた薄手のパーカが修二のものだとか分かり驚いた。
本当に友達?
マキ「ああ、さっきまで一緒にいて、貸してもらった♪羨ましい?」
百目鬼の眉が複雑に歪む。
何を考えてる?何がしたい?
マキ「あは♪ごめん、今脱ぐね」
申し訳なさそうにしたマキが何故かチャックを下ろして脱ぎだす。肩が露わになると…
矢田「うわっ…」
矢田の息を飲む声で、百目鬼の視線がマキの着ている修二の服から、マキの胸元に移ると、百目鬼は目を見開いた。
パーカーの中は、濡れたランニングシャツ、肌が透けて見えるどころか、桜色の突起の形や大きさまではっきり見え、さらに、ランニングの中に隠れていたネックレスのトップスが目に止まった。
百目鬼「!!」
ラ○セン!!
『神さん…ぁりがとぅ…』
『神さん。好き』
百目鬼は脱ごうとしたマキのパーカーを両手で掴みかかり、素早く着せて厳重にチャックを上まで閉める。
見えすぎだ!露出しすぎなんだよ、
矢田!見んじゃねぇ!!
マキ「え?」
百目鬼「着てろ」
低い声で命令されて、マキは目を瞬かせる。
マキ「ぅ?…うん…」
マキのキョトンとした瞳。
ラ○センのキーホルダー。
受け取った時の恥ずかしそうな笑顔。
ードキッ
百目鬼はそっぽを向いて、煙草をプカプカふかし、眉間を抑えて動かなくなった。
ダメだ、見るな…
見ちゃだめだ!
〝あのマキ〟に引きずられる…
マキ「…百目鬼…さん?」
やめろ!可愛い顔するな!
百目鬼「おま……チッ」
マキ「…?。…怪我…痛む?無理しないでね」
俺は自分のことで手いっぱいだ!
修二のことも整理がついてない!
俺は自分のことしか考えない男だ!
百目鬼「…ッ俺は、色々と忙しい、色々と混み合ってんだよ、やることだらけなんだよ、一つのことしか出来ない、全部片付くのはいつになるのか分からない」
マキ「…」
矢田「そんなことないっす百目鬼さん!あなたは敏腕っす!俺、貴方の負担を減らせるように頑張って手伝いますから!」
そうゆうことじゃない。矢田お前は黙ってろ。
百目鬼「……矢田、お前は今のままでいい、手間が増えちまう」
矢田「す、すいやせん」
マキ「…」
泉「…」
百目鬼「…矢田、行くぞ!」
百目鬼はさっさと車に乗り込む
矢田も慌てて後に続き、つまづいつ手荷物をばら撒いた。
百目鬼「何やってる!」
百目鬼が怒鳴りながらも手伝おうと車を降りようとしたら、矢田が必死に静止する。
矢田「あ!大丈夫です!!百目鬼さんはそのまま!そのまま乗ってて下さい!!」
確かに、地面に散らばったのは手伝うほどの量じゃない、百目鬼は後部座席に戻る。
泉とマキが拾うのを手伝い、矢田がペコペコ謝る。
荷物を受け取り、マキが先生宅へ入るのを矢田が止めようとしたのが目に入った。
あいつはまた…余計なことを…
百目鬼「矢田!!」
矢田「は、はい!」
百目鬼「早くしろ!」
矢田「はひ!!すいやせん!!」
矢田は泉にぺこりと頭を下げ、慌てて運転席に乗り込んむ。足を怪我しているために慌ただしく動きドスンと座席に乗り込み、バタンと扉を閉める。
ーポロッ
あまりに矢田が車体を揺らすので、後部座席の背もたれの上に置いてあったものが落ちて百目鬼のそばに転がる。
百目鬼はそれを拾って、また後部座席の上に飾り直した。
矢田「あっ、すいやせん、水玉の魚また落ちちゃいました?」
百目鬼「…マダラトビエイだ。いつも落ちてくる。気にするな、早く出せ」
矢田「はい、出発します。(落ちるから後ろに置かなきゃいいのに…)」
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
マキ…
なんで、ラ○センのキーホルダーをネックレスなんかにした…
マキ…
どうして泣きそうな瞳で俺を見る…
俺は……
きっとお前の涙を拭えるような人間じゃない…
俺は、想い人である修二に、一生消えない心の傷付け、涙を奪うような人間だ…
傷つけ、苦しめ、それでも修二を手放せなかった…。
マキ『神さんを…僕に下さい…』
マキ…、お前は嘘の笑顔をやめれば、可愛いんだぞ。
いい子にしてればきっとお前なら、お前を大事にしてくれる奴が現れる、だから、あんなネックレス、捨てちまえ…
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