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夏休みな俺たち〜修二〜
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その後も、僕たち4人は賑やかだった。
マキは、華南の部屋に着くなり、僕ちゃんの浴衣の着直しを命じ、ニヤリと笑ったかと思うと帯を引っ掴んで脱がしにかかり、お決まりのセリフを楽しそうに言った。
マキ「よいではないか、よいではないか」
修二「ぎゃ!」
華南「マキ、引っ張るな引っ張るな」
むつ「あ、それ俺もやりてぇ…」
クルクル帯を解かれて、悪代官ゴッコ。
ゲラゲラ笑うマキに、それに参加したそうなむつ。
これからお祭りなのに、すでに終わった後に不安を感じる仕打ち。
マキは、ふざけっぱなしかと思いきや、帯を解き終わると、テキパキ浴衣を直してくれた。それの手際の良さに、僕ちゃんが驚き、華南とむつが感心した。
さっき自分が着た時より、胸元と首回りが緩くなったが、全体的に動きやすくなった。
口だけではなかったマキに僕ちゃんは感心した。
続いて、汗かいてるマキを、シャワーに入れてやろうとするが、廊下に北斗のがいたので華南が北斗を部屋に追い払う。
するとマキがクスクス笑う。
マキ「ふふっ、そんなに弟君が僕の毒牙にかかるか心配?♪」
華南「は?弟のことなんか心配してねぇよ」
マキ「…あっ、修二の浴衣姿を隠してるのか」
華南「…まぁそうだけど。お前の心配してんだよ」
マキ「へ?」
華南「うちの弟、面食いで、最近俺たちのこと知ったら興味津々でさ、あいつコスプレとソフトSM趣味があるんだぜ、お前顔女か男かわかんねぇから、狙われるかもだから気をつけねぇーと」
マキ「…」
マキがキョトンとした顔で華南を見つめる。
そしてむつがツッコンだ。
むつ「まぁ、北斗に興味程度で男のマキに手を出すようならマキを守るのが兄貴の責任だろうけど。その場合、あぶねぇーのは北斗なんじゃねぇーの?マキはプロの調教師だぜ」
華南「………あっ」
華南以外の3人が、同時に吹き出して爆笑した。マキは、お腹を抱えて笑っていたけど、僕ちゃんは思った。
さっきの華南の言葉にキョトンとしたのは、きっと、嬉しかったの〝キョトン〟だと思うんだ。それに、むつのツッコミの前半部分も。
いつもは、マキのテリトリーで、マキの悪巧みの中で話したりすることが多いから、普通に友達みたいに会話してると、マキも、天然むつと、クサイ台詞の華南の言葉にヤられる瞬間があるようだ。
マキの〝キョトン〟は、ビックリではなくて、もしかして、照れてるんじゃないだろうか?
その後、風呂のシャワーしに入ったマキは、子供みたいに髪も乾かさず濡れ髪で出てきて、無駄にフェロモン撒き散らし、やたらと手のかかる子供みたいにはしゃいだ。華南が部屋が濡れると追いかけて、タオルでガシガシ拭いてドライヤーをかけてやる。
華南がマキの世話を焼いてる間に、むつを着替えさせようとしたけど、自分で着るのと、人に着せるのは違うので僕ちゃんが手間どうし、ジッとできないむつが動く。
上手く出来ないでいると、マキが「僕がやったげる」って言ってきて、むつに浴衣を綺麗に短時間で着せた。
手のかかる子供のようで、そうでもなかったり。
マキは、着物も自分で着たり着せたりできるほど慣れてると話した。…何故慣れてるかは嫌な予感がするから聞きたくないが…。
マキの浴衣は、菖蒲色(紫)の生地に赤紫のしだれ柳模様。帯はワインレッド。
派手な浴衣だけど、マキはサラリと着こなす。襟元を緩めにしていて、うなじがよく見える。僕ちゃんに向かって背中越しに「どお?」っと妖艶な瞳で微笑んだ。
マキって、女だったら相当な魔性ではないだろうか?
…いや、…すでに?……
僕の渋る顔色を楽しむようにマキが二マリと笑うと、天然ストレートのむつが一言。
むつ「マキって、浴衣とか艶っぽくて超似合ってんじゃん、ちょっとエロっちいけど、雑誌のモデルみてーだな」
ニカっと笑うむつに、マキは一瞬作り笑いが消え、〝キョトン〟と瞳を瞬かせ、ふっと嬉しそうに笑ってむつの前へ行く。
マキ「ありがとうむつ、むつもその浴衣カッコいいよ♪大人っぽくて惚れちゃいそう♪」
むつ「なんだよ茶化すなよ、俺、この浴衣気に入ってるんだぜ」
マキ「やだなぁ、本当のことだよ♪」
そしてそっとむつの右耳に囁いた。
マキ「修二がさっきっから、むつの浴衣姿を直視出来ないほど照れるよ」
むつ「マジ?」
マキ「そこで、浴衣をもっと粋に着こなす方法があるんだけど知りたい?」
むつ「へー、教えてくれんの?」
マキ「あのね、…………」
マキは耳打ちし終わると、ニッコリ微笑む。むつは何を言われたのか驚いた様子だった。
修二「マーキ、何をむつに吹き込んだの?」
マキ「浴衣の正しい着方を教えただけだよ」
意味深にふふっと笑っているから、またなんかイタズラを企んでると思った。問いただそうとしたら、華南の部屋のドアを北斗が叩いた。
ーコンコン
北斗『華南、もうすぐジャンケン大会が始まるけど行かないの?』
華南「行くけど、お前先行くけよ」
北斗『会場まで一緒に行こうよ』
華南「…北斗、言っとくが、今俺の部屋にいるのは男だけだからな!」
華南が語尾を強める、ドアの向こうの北斗が黙った。もしかしたら、マキを女の子と勘違いしていたのか?
でも、マキの声は、男男しい野太い声では無いけど、女と間違うような声ではない。
北斗「別に勘違いはしてないよ、こないだみたいにチアガール姿じゃ無いし…」
修二•むつ•華南「ッ!!!!!!!!」
華南が慌ててドアを開けて北斗の口を塞ぎ。
僕ちゃんが急いでマキの耳を塞いだ。
が、すでに遅かった。
ニヤリと笑ったマキは、すべてを悟った顔をしている。
華南「北斗てめぇー…」
北斗「ね。一緒に行こう♪」
結局、僕たちは、5人で会場に向かうこととなった。
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