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俺たちの道〜むつ〜
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今年の夏休みは、色々あった…
けど…
結果、俺たちの仲は深まった、と思う…
修二は、いつの間にか俺と華南にはチャンネルが切り替わらなくなった。
あいつにとって一番辛いであろう過去と向き合い、なんだか少しスッキリしたようにも見える。俺の見解だから自信はないけど、でも、前よりは良くなったと思う。
このまま、二度と百目鬼の野郎が現れなきゃいいとも思うし、諦めたか分からないままっていうのも落ち着かないから…会って一発殴りたいような気もする。
修二のやつは、お人好しと言うか優しすぎるというか危機感が薄いというか…、『もう大丈夫』とか根拠のないことを言っている。
この件に関して、俺は修二の言ってることは信じないことにしてる。
まぁでも、奏一さんが、前ほどピリピリしなくなった。
そう考えると、修二が笑顔でいられれば、それでいいかな…とも思う。
これでやっと俺たちラブラブか!?
と思たったが…
修二『ま、待って…待って…むつ』
なかなか…そう上手くはいかない。
華南は華南で、前より甘々で、すぐにいい声使ってイタズラして来るラブラブモード全開…
華南『むつ…』
むつ『待て!お前少し自粛しろよ!』
華南と修二を足して2で割ったら丁度いいんじゃなかろうか?
そう考えたら、俺ってまとも?
好きなだけベタベタ出来る夏休みは、あっという間に終わった。
ここからは色々頑張らなきゃならない。
でも、卒業したら一緒に住んで。
しっかり者に見えて実は俺たちの中で一番危なっかしい修二を守り。毎日ラブラブになれば、きっと修二も甘えたりとか、ラブラブでメロメロになる!
そのためなら、どんな困難も頑張って乗り越えて行ける…………
…はず……。
奏一「駄目だ、許可できない」
元朱雀特攻隊長・小日向奏一様は、俺と華南をその場で睨み殺すんじゃないかぐらいの殺気で満ちていた。
乗り越えるどころか、入山すらさせてもらえなさそうな拒絶具合…。
俺と華南と修二の3人は、奏一さんに時間をもらい、修二の家で3人並んで正座して。
『卒業したら3人で一緒に暮らししたいです』と申し出た。
いま流行りのシェアだ。
俺と華南は、奏一さんに修二と付き合う許可をもらってない。それなのに同棲の許可が下りる訳もなかった。
華南が早い方がいいと言って、奏一さんに1番に同棲の話をした。
奏一「修二はこの家から大学に行けばいいだろ?わざわざ男3人で暮らす必要はない」
奏一さんは、俺と華南が交際宣言したのを修二に言っていない。
多分、修二から直接聞けるまで、そこには触れないつもりなのだろう。
俺も修二に色々隠し事されてショックだったから、奏一さんの気持ちが少し分かる。
修二「兄貴…、僕家を出て暮らしてみたい。兄貴がバイトさせてくれてたから、お金はあるし」
奏一「お前に金があっても、そこの2人にはない!」
修二「2人とも9月からバイト決まってるし、就職組だから一緒に住む頃にはもう安定する」
奏一「馬鹿だな、それぞれが新しい環境に飛び出すのに、さらに新しい家に住んで何もかも上手くいく訳ないだろう、生活時間帯も違って疲れるだけだ」
さすが父親代わりの奏一さん、指摘が的確だ。確かに奏一さんの言うことは正しい、だけど、俺は、奏一さんに言いたいことがある。修二は、家に帰っても、ほとんど一人だ。だったら俺たちといた方が絶対いい。
しかし、今日は、無闇に発言しない約束を修二とした。それに、華南も言い返さない。
歯がゆい気持ちを抱えたまま、この日の話し合いは終わった。
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吉良「うわっ、奏一さんに3人で暮らしたいって言いに行ったの?相変わらず命知らずだね君たち…」
2学期が始まり、いつものように屋上にいたら、海の家のバイトで真っ黒に焼けた吉良さんが、俺たちの話を聞いてドン引きしていた。
むつ「ああ…睨み殺されるかと思った…」
思い出しただけで背筋が寒くなる。
吉良「っていうか修二、奏一さんにお付き合いを内緒にしたままっていうのは無理じゃない?」
修二「…兄貴…、多分気づいてる…じゃなきゃあんな風に反対しないと思う」
吉良「じゃあカミングアウトしちゃえば?」
修二「…」
不安そうな顔した修二は、頷きはしなかった。
修二にとって父親代わりでもある奏一さんに全てを話すのはとても難しい問題だ…
しかし、吉良さんは何故かクスクス笑い出した。
吉良「ふふ…」
むつ「何がおかしいんすか?」
吉良「あ、いやいや、夏休みの間に随分可愛らしくなったなぁと思って」
吉良さんの言葉の意味が分からず、眉をしかめると、意味が分かったらしい修二のチャンネルが急に変わった。
修二「そうなんですぅ、むつと華南とそれはそれは楽しい夏休みでした☆てへ」
吉良「…可愛くないなぁ…」
カミングアウトかぁ…俺は全然言えるけど…ってか姉貴にはバレてるし…、一緒に住むなんて言ったら…すっげぇー喜びそう…
うわー、バレたくねぇーなー、引越ししたらぜってぇー乗り込んできそうだし…
紬『きゃー!ここが愛の巣ねぇ❤︎』
うわっ、マジ気色悪りぃ…。
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