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俺たちの始まり〜華南〜
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次の日。待ち合わせの場所に行くと、修二が先に待っていた。合流すると直ぐに今日の行き先であるお店で働くむつにメールする。
華南「修二、昨日はごめんな」
俺がそう言うと、修二はメールを打つ携帯に視線を落としたまま答えた。
修二「いいよ。…それで、…不動産は紹介してもらえそう?」
メールが終わると前を向いて言うから、視線が合わないけど、口調は柔らかい、昨日のドタキャン気にしてる…?。
むつだったら、分かりやすく拗ねてブーブー言ってるところだけど…。
様子を見ようと顔を覗き込むと、「何?」って笑う修二。
華南「ああ、部屋の条件言ったら贅沢だって言われた」
修二「…そっか」
華南「でもさ、防音は外せないだろ?修二の声大きいし」
修二「ッ………」
顔を赤くしてこっちを睨んでる修二は、否定はしない。
華南「先輩には麻雀やるからって言っといたぜ。まぁ、いい部屋は春先に売れちまってるだろうから、じっくり探そう」
修二「うん。……先輩って」
華南「ん?ああ、俺の教育係りの竜也さんだよ、前に話したろ?昨日は大変だったよ。部屋探すの手伝うから、付き合ってる奴のこと教えろって、性格とか教えたら教えたで会わせろって言うし、無理だっつったら、不動産紹介しねぇぞって、その頃にはベロベロで…ハハッ…完全なからみ酒」
俺が思い出し笑いしてると、修二は視線を逸らしてから、俺につられるように笑った。
…。
華南「…修二」
修二「ん?」
華南「俺は、むつほど表にださねぇけど、同じくらい嫉妬するから」
修二「へ?」
なんで突然?って顔をした修二は、きっとさっきの俺の言葉を取り違えてる。
紹介できないのは…
華南「可愛い恋人を竜也さんに会わせたら、竜也さんが俺の恋人に惚れちゃうかもしれないだろ?」
修二「………は?…え?、バッ、馬鹿じゃないの!?」
少し遅れて俺の言葉を理解した修二が、真っ赤になってこちらを睨み、先を歩く。
華南「えー、馬鹿じゃないし、本気だし」
修二「惚れるとかないでしょ、男だし」
華南「修二の健気な可愛さにときめかない奴なんていないと思うけど…」
見た目も綺麗だし、そこらへんの女よりよっぽど健気で甘え下手なのに寂しがりで、男心をくすぐる可愛いらしさだと思うし。
最近、俺らと一緒にいる時のなんとも柔らかい笑顔がたまんない。
俺たちが言い合ってると、いつの間にか目的地のむつの働く店の近くだった。
店先でビラ配りしていたむつがいて、気付かず通り過ぎそうになった俺と修二に、むつがむくれた。
むつ「お客様、店先でイチャつかないでください」
華南「あー!俺のむつく〜ん♪」
修二「…ごめんむつ。席ある?」
むつ「……ある」
せっかく、俺と修二でむつの顔を見に来たのに、むつの機嫌が悪くなってしまった。
竜也先輩に飲みに連れて行かれてから2週間が経った頃だった。
竜也「華南、面白い物件見つけたぞ」
そう言っていらやしくニヤつく竜さんに、警戒する。
華南「ありがたいんですけど…、なんでニヤついてるんですか?」
竜也「まぁまぁ。贔屓にしてもらってる人がさ、やってるマンションなんだけどさ…」
竜さんの話では、ペット禁止のマンションで、猫と犬を飼っていた住人が居て、退去したのだそうだ。その退去した部屋が、引っ掻いた跡やおしっこですごいことになっていたそう。
その内装の依頼が来たそうだが、大家は部屋は直さなきゃならないし、新しい入居者は探さなきゃいけないしと嘆いているのを聞いて、俺が部屋を探していたのを大家に話してくれたそう。
先輩「そこで、お前が借りるなら。材料費は大家が出すんだけど、壁紙貼ったり、クロスとっかえたり、お前がやれば練習になるだろ?、俺が手伝うし。まぁ場所とかもあるし、とりあえず見てみない?」
それは、すごくありがたい話だった。
まぁ、直ぐには住めないけど…。
先輩の教えてくれたマンションは、築5年、最寄駅から13分。5階建ての2階角部屋、下は店舗。3LDKで日当たり良し。防音までついてた。そしてビックリなのは値段、家賃・管理費込みで12万。条件はかなり良くて、運命さえ感じる。
難点は坂道にがあることと、急行が止まらないことだというが、俺とむつと職場と修二の大学の間の駅で問題はない。
華南「なんすか、めっちゃいい物件じゃないっすか!」
竜也「なんだよ、ちゃんと探したぜ」
俺たちが話してると、早乙女さんもやってきた。
早乙女「あっ、部屋見つかったの?」
竜也「早乙女、仕事サボるなよ」
早乙女「サボってるの竜さんじゃん!」
華南「ごめんなさい早乙女さん…」
早乙女「橘君はいいのよ」
竜也「若い奴に色目使っちやって、飢えてるねぇ…」
早乙女「イケメンに優しいんです私」
竜也「まぁ、お前のことはいいや。
とにかく橘、ここに決めるとなると、作業には人手が必要だろう?」
あっ、ニヤついてたのはそこか…。
竜也「シェアする友達と彼女、連れてこいよ」
早乙女「あー、私も手伝う!」
先輩のミーハー差に呆れるが。これは本当に美味しい物件だ。
これで、実物の部屋も良かったら、むつと修二とやっと同棲を始められる。
元気のないむつも、すっげぇー喜ぶだろうなぁ…
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