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俺たちの始まり〜修二〜
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僕たちはあの部屋に住むことに決めた。
いよいよ、3人暮らしが実現しようとしている。
むつに契約したことを報告したら、むつはすごく喜んでて、元気を取り戻した。
僕と華南はずっと、疲労の色の濃くなるむつが心配だった。これで、一緒に住んだら住んだで大変だろうけど、これ以上むつが元気ないのを見てられないし、今より一緒にいる時間が増えるのは嬉しい。
何より……
僕ちゃん自身が2人ともっと一緒にいたい…
…もっと側で
………もっと…触れていたい……
………………もっと……
自然と唇に手が伸びて、触れた感触が、むつや華南の唇と違って我に返った。
ハッ!
いけない、何考えてるんだ僕ちゃん!
部屋が見つかって浮かれすぎてる!
むつ「…じ、…修二!」
修二「あっ、はい!」
ボーッとしていた僕は、今、むつの店に華南と2人で来ている事を思い出した。
むつ「なんだよボーッとして、まだマキから返信ないのか?」
僕は、部屋を決めたことを昨日マキにメールしてた。今日一緒にご飯食べようって誘ってたんだけど、マキは行けたらねって言ってて、来ないから連絡待ちをしてたところ。
携帯には、いつの間にか新着メールが届いてて、チカチカ点滅してた。
メールを開くとマキからだった。
修二「あ、…えっと、…来れないって…」
むつ「は?マジか、あいつ、俺たちと卒業祝いで騒いだ日から1度も会ってなくね?」
華南「そうだな、あの日が最後だな」
マキとは、卒業式の後騒いだのを最後に、会えてない。僕らが忙しかったし、メールはしてたから気に留めなかったけど。
誘いを断られたのは3度目だ。
そういえば、マキから誘われたのは、あの日が最後だった…。いつもは約束なくても現れるのに…。
あの日、むつが言った一言に、ビックリするぐらい動揺したマキ……。
あれが、関係あるのだろうか…。
僕らが話し込んでると、店の奥からむつの先輩である女性スタッフが現れた。
女性「柴田君、店長が呼んでますよ」
むつ「あっ、はい!すいません」
ピッと背筋を伸ばして、今では慣れた敬語で謝る。
むつは僕と華南に向かって軽くゴメンってやって、女性スタッフと並んで店の厨房の方へ向かう。叱られたのか、むつは頭をペコっと下げ、それに笑った彼女がむつの肩をポンポンと叩くと、むつは笑顔を返した。
…。
むつは…本当に凄く頑張ってる……。
華南「最初はどうなるかと思ったけど、サマになってるし、同僚とも上手くやってるみたいだな」
修二「…うん」
ーピリリリリン♪ピリリリリン♪
華南の携帯が鳴り、華南が席を立ち「ゴメン会社から」って言って、電話に出た。
華南「お疲れ様です早乙女さん。…はい。あっすいません…それは…」
2人が、席から離れ1人にななった僕は、テーブルにある飲み物に口をつけた。
………………………
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
あれから数日、華南は毎日残業してる。
通常業務をこなしてから、僕らの住むマンションの内装をしているからだ。
時々顔を出して差し入れしたりするんだけど、華南は来ないでくれって言う。僕が行くと、竜也さんが僕に絡むから、来て欲しくないそうだ。
華南の仕事姿…、見てたかったのにな…。
作業着姿の華南は、出来る男っぽくてかっこいい…、まぁ、華南は出来る男だけど…。
日々はあっという間に過ぎて、大学は夏休みに入った。
華南の作業は順調で、予定通り入居できそう。
僕は、引越しの準備を始め、部屋にはダンボールが増えた。同時に、むつの荷造りも手伝う。むつは自分でやるよって、言ってたけど、むつは夏休みなんかないから、荷ほどきは僕がやるから、って言って一緒に荷物を詰める。
入り浸ってたむつの部屋の中が片付いてくると、不思議な気持ちがした。
この部屋には、思い出がありすぎる…。
小さい頃からずっと…ここに来てた…
叶うわけないと思いながら、何度も寝ているむつを切なく眺めた。
マキにセックスさせられた後、むつがむつの意思で僕とセックスしたのも、華南とセックスしたのもこの部屋。
付き合う事になったのもこの部屋。
この部屋は自分の部屋より思い出が多い。
この部屋をむつが出る理由が、就職とか、彼女とか、結婚とかじゃなく、僕と…僕たちと一緒に住むためだなんて……
過去の僕が想像できるわけもない…
………ずっと…
…好きでいて良かった……。
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引越しは、兄貴が友達のトラックを借りて手伝ってくれる予定。兄貴は未だにブツブツ言ってるけど、それも愛情だから、僕は嬉しいだけ。
そして引越しの前日
土曜日の早朝のことだった……
携帯の音が鳴り響き、僕は無意識に受話器を取った。電話口の不機嫌なむつの大きな声に驚いて、目が覚めた。
電話口でむつが誰かと揉めてる。
むつ『ッ大人しくしやがれ!。修二!、駅に来い!』
?『ちょっ!ズルい何で修二呼ぶの!意味わかんない!』
むつ『うっせーマキ!修二!早く!』
ブツッと切れた携帯の時計を見ると、5時にすらなってなかった。
何々!?
何でマキ??
ってかまだ始発しか動いてないよ?むつは仕事だったんだろうけど、マキはなんで?
何事かと思って、僕はスエットのまま外に飛び出そうとしたら、兄貴も起きてきて、車を出してくれた。
駅には、言い合ってるマキとむつの姿があって、むつはマキの手首をガッチリ掴んで引き止めていた。
修二「むつ!どうしたの!?」
僕ちゃんが近づくと、むつはマキにイライラしながら言った。
むつ「マキのやつ、寮を抜けだしやがるから、怪し男にホテル連れ込まれたんだよ!」
修二「え!?」
マキ「だから、誤解だって、外泊の申請は出したし、あの人は先生公認のセフレだって何度も説明してるじゃん」
は?セフレ?
むつ「見ろよ修二、こんな跡ついてるんだぜ!」
そう言ってめくったマキのワイシャツの袖の下には、手首に縄の跡がくっきり付いてる。そして今更気づいたけど、マキは普段あんなに露出した服を着ているのに、今は長袖長ズボンだった。きっと、他にも跡があるんだ。
マキ「だから、プレイだって♪、もう、大袈裟だな、僕の普段の行動知ってて、オモチャの数々も見てるのに今更こんなので騒がないでよぉ、修二も分かるだろ?むつの騒ぎすぎなの、ごめんね朝から」
むつ「そんな真っ黒な目ぇして言われても信用できねぇんだよ!」
マキ「それこそ意味わかんないから、むつ君酷いよ、電車で乗ってこの駅まで来たら、そこで開放してくれる約束そくじゃない」
むつ「お前の魂胆なんて見え見えなんだよ!俺とここで別れたら、あいつとまた会うつもりだろ!『また』って言ってやがったの聞き逃さなかったぞ!」
マキ「もう、むつには関係ないでしょ、それとも何?むつが相手してくれんの?」
むつ「ああ、相手はしてやるよ、セックス抜きでな!」
マキ「え?…や、やだよ、なら離して、桜木さんが待ってるんだから」
むつ「うっせー!あんなおっさんにお前を渡すかよ!」
マキ「?!…ッ…、お、おっさんじゃないよ、あの人若いよ、もういいでしょ、泉に電話してみなよ、今日はちゃんとお許しもらってんの!」
むつと言い争いながら、マキは段々余裕をなくしてるように見える。表情は相変わらずへらへらしてるけど…。むつが『真っ黒』だと言ったように、何か様子が変だ。
修二「ちょっ、ちょっと、2人とも1回落ち着いて、早朝とはいえ人がいるし、とりあえず、兄貴の車に乗ろう?」
マキ「乗らないよ、僕はデートの途中なの」
むつ「乗れよ、ぜってー手は離さねぇからな」
マキ「あは、いい加減迷惑♪」
修二「マキ、とりあえず話をしない?」
マキ「い♪や♪」
どうしよう…、マキは絶対ついてこないつもりだ、目が笑ってない。それに、連行したとしても何があったか言うとは思えない…。
むつ「俺の添い寝で我慢しろ!」
マキ「何それ♪、子供じゃないんだから」
修二「僕も添い寝してあげるよ?」
マキ「え?修二が僕と寝て(セックスして)くれるの♪」
全くもってとぼけるマキに、どうしたもんかと頭が痛い。そっとしといてあげるべきか、ここはむつのスパー強引に任せるべきか…。
うーん。
その時、ある事に気が付いた。
それは、以前、マキが何度も、握りしめてたおそらく思い入れのある品物……
修二「…マキ、ネックレスはどうしたの?」
マキ「!……」
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