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俺たちの始まり〜むつ〜
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あの頃、毎日ただ楽しかった。
チャラけるのに賢くてカッコ良くて、察しの良い誰より俺のことが分かる友達。
腕っぷしは強いけどやさしくて、頭は悪いが思いやりがあるから女にモテる友達。
それがいつの間にか変化して…
大事な人になった…
繋いだ一方の手は、思ってたより細くて、強くあろうとしすぎて甘え方を知らなくて、気持ちに臆病で傷だらけだった。
もう一方の手は、思ったより頑丈だったけど思った通りエロくて、でも、大切な人を守るのに一生懸命だった。
俺は、その手をただ掴んできたけど…
俺には…一体何が出来るだろう?
俺は急くばかりで、早く見えないものを見せてやりたいって、引っ張ったり押してみたり、俺だって出来るんだって…
意地っ張りな臆病者と、エロ魔神な頑張り屋に見せてやりたい…。
俺には、何がしてやれる?
目が覚めたら、修二の姿は無かった。
その代わり、俺の腕の中には、マキが眠ってた。
猫みたいに丸まって、俺に寄り添って、赤ん坊みたいに手を口の前に重ね、半分隠れてるけど、和らいだ表情をして寝息を立ててる。
俺が3人でいて起きる時は、修二と華南が先に起きちゃってるから、自分の腕の中に寝顔があるってちょっとドキッとしたけど、寝る前の出来事を思い出して、マキをジトッと睨んだ。
…チッ、あんなにゴネやがって。
駅でのやり取りを思い出しイラっとしたから、マキのほっぺをムキュッと摘んでやった。
むつ「ったく、何があったんだよ。スヤスヤ寝やがって、ちゃんと修二と話せたのか?」
眠ってるマキが答えるわけもない。
修二「むつ、おはよう」
台所の方から顔を出した修二。なんだかいい匂いがする。
起き上がって台所に行くと、エプロンをした修二がいた。
むつ「何か作ってんの?」
修二「むつが食べて行くかと思って」
むつ「マジ!食う食う」
台所に立つ修二の後ろから抱きつくと、修二のうなじが目の前に。もちろんかぶりつく。
修二「ひゃぁッ、あ、危ない」
むつ「うなじエロい…」
修二「あっ、ダメ、むつ、ぁッ」
後ろから両腕ごと抱きしめて、寝起きで硬い俺のものをなすりつけながら、うなじを舐めたり吸ったりすると、修二がピクピク震える。
起きたら修二が台所でご飯作ってるとか萌える。引越したら裸エプロンやらせよう。
修二「アッ…んぅ…つ、むつ、じ、時間」
むつ「あっ、そうだった」
時計を目にして思い出す。3時ちょい前。
そうだ仕事だった。
そんな慌てる時間って訳じゃないけど、ここは修二の家、一回着替えに帰らなきゃならない。
寝起きで汗でベタつく体を気にしたら、修二が部屋着を貸してくれるって言ってくれて、俺はシャワーに入った。
明日の今頃は、引越し終わって荷ほどきしてるあたりかな?くわぁー!ワクワクする!
俺がシャワーしながらニヤニヤしてると、風呂場の扉が開いた。修二かと思って振り返ったら、そこにはマキが裸でこっちを覗いてた。
マキ「お背中の 流しまーす♪♪」
むつ「!!、バ、バカ!俺はお前と遊んでる時間ねぇーよ!」
タオルを腰に巻いて、首からいつもの海柄のネックレスをしたマキ。こいつのの色白の体は、女みたいな柔らかなラインでくびれとか凄くてスタイル良くてビックリした。
俺の動揺にニマッとしたマキは、出て行くどころか中に入って扉を閉める。
マキ「昨日の添い寝のお礼をね♪♪」
むつ「いらねぇーよ!でてけ!」
マキ「お客さんそう照れないで♪♪」
むつ「バカ!触んな!馬鹿マキーーー!!」
抵抗なんて無駄なことだった。
風呂場に悲鳴がこだます…
修二「…またふざけてる…、マキは、素直にありがとうって言えないのかなぁ…もう」
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引越し当日。
日曜日は晴れ。
早朝5時の仕事を終え、俺は帰ってすぐ眠った。引越しはお昼から。
目覚ましをかけたのに、それが鳴る前に、モゾモゾとするものに起こされた。
むつ「ん…んん?」
マキ「お♪は♪よ♪」
むつ「マキ!?」
飛び起きたら、マキが目の前にいた。
なんでいるんだって聞いたら、いやらしい顔でニヤつき、「修二と一夜を過ごしちゃった♪」とかぬかしやがった。
まぁ、奏一さんがいる部屋で何かしたとは思わないから、目を瞑る。
マキはいつものホットパンツに生足出して、上は襟首の大きく開いたTシャツの下にランニングにという肩出しスタイルだった。手首にはリストバンドをつけて、跡を隠してた。
こいつはまた、性別の分かんないような服着やがって。
修二「おはようむつ、今、おばさんに挨拶してきた、兄貴も玄関にいるよ」
言われて、すぐに着替えて玄関で奏一さんに挨拶した。引越しにマキも参加するらしい。
修二の所泊まったなら、相談できたのかな?ふざけてるマキを眺めてちょっと安心した。
俺は、すでに修二の荷物が積んである荷台に俺の荷物を積み、奏一さんはトラックで先にマンションに向かう。俺と修二とマキは電車でマンションには向う。
マンションには、華南の兄の東紫(とうし)さんがい軽トラを出してくれてて、華南の荷物を下してるところだった。
その他に2人、引越しバイト経験のある奏一さんの部下…じゃなかった、友達が来てて、家具を二階に運んでくれ、荷物は直ぐに片付いた。お礼に遅いお昼の宅配ピザをおごって皆んなでワイワイ食べて、引越しは終了。
俺たち3人とマキ、4人で必要なものから順に荷ほどきする。
俺たちが住む3LEDの間取りは、玄関入って左右に六畳の部屋が一つづつ、その次に左が風呂と洗面で、右がトイレ、その先にオープンキッチンのリビングと、右に襖で遮られた畳の部屋。
俺たちは、3人一緒に寝られるように布団を買った。一応修二の使ってた敷き布団と、俺の折りたたみパイプベットも持ってきてある。
奏一さんとの約束で、誰が来てもいいように、一応3部屋をそれぞれに振り分ける。
寝室兼華南の部屋が左。右が修二の部屋。畳が俺。まぁ、でも、3人だけの時は関係無い話し。
夕方に買い出しと日用品を買いに行く、俺には欲しいものがあった。
むつ「あったあった、これ買おうぜ!」
俺が指差したのは、お揃いの柄で色違いのマグカップ。
カップルの定番だろ?
だけど、マキが驚いて、華南が「えっ」て顔して、修二と顔を赤くした。
そして、マキは大笑い。
マキ「クハハハ、ふふっ、アハハハ可愛い♪、可愛いよむつきゅん♪」
むつ「…むかつく、羨ましいんだろ!」
マキ「羨ましい、すっごい羨ましい♪」
羨ましがられたのに全然勝った気がしない。
修二「まぁまぁ、いいじゃん可愛いよ」
むつ「修二まで!」
修二「シー!声おっきい。違うよ僕ちゃんが言ったのはカップのことだよ」
慌てる修二を睨んでたら、華南がカップを手に取った。
華南「これスゲーな」
華南が手に取ったのは対になってるカップ。
むつ「俺もそれが良かったけど、それだと2つになっちまうじゃんか、だから同じ柄のやつにしようかと」
修二「むつはどれが良いの?」
むつ「これとか、修二好きじゃね?」
俺が手にしたのは海がプリントされてるカップ、夕日の色と、昼間の青と、夜のブラックと丁度三色あった。
華南「おっ、カッコイイじゃん」
修二「うん、カッコイイ」
とか言って、今選んだ風だけど、しっかり下見しておいた。
早起きして探しといて良かった!
マキ「…うん、素敵だね」
マキがさっきのからかってる感じじゃく言ってきた。
むつ「いいだろー、お前も好きだもんなこういう柄」
マキ「ふふ、よく知ってるね」
むつ「だって、いつも大事そうにしてる、そのネックレスも海柄だもんな」
マキ「…」
俺が指差すと、キョトンと瞳を瞬いたマキはネックレスに視線を落とした。
修二「むつ、海柄じゃなくて、ラ⚪︎セン」
むつ「海柄じゃん」
修二「…、そうだね」
修二が海の模様のマグカップを取ってカゴに入れる。
マキ「…次は何見るの?」
修二「待って、お客様用のも選ぶ、明日兄貴来るし」
マキ「ああ、あのカッコイイ人♪修二にそっくりでビックリしちゃった♪」
華南「ほらマキ、喋ってないでお前もコップ選べよ」
マキ「えー?なんで僕?」
華南に頭をこずかれ、マキはプゥっと膨れてる。
むつ「は?お前のコップだからだよ」
マキ「は?」
むつ「どうせ入り浸るんだろ?お前センスうるさそうだし、自分で選んで買っとけよ」
華南「でも、マキも海好きじゃん?」
むつ「このカップはダメだぞ!お前どうせ修二とおソロにすんだろ」
マキ「…」
華南「ふははは、ありえる」
むつ「俺だっておソロにしたいんだぞ、でもそしたら誰のか分かんなくなんじゃん」
華南「あー、分かった、むつは自分のカップっていうのに憧れてんの?」
むつ「俺んち、ジジババいるから湯呑みなんだよ…別にいいじゃんか」
華南「いいじゃんいいじゃん、俺もマイカップなんて持ってないし」
朝、モーニングコーヒーをマイカップでってちょっとも大人な気がして、奏一さんが新聞読みながらスーツでビシッと決めてるのに憧れてるとは教えねぇーけど…。
華南「ごめんなマキ、この種類以外で一個選んで」
マキ「…うん」
むつ「お揃いがやりたきゃ自分の彼氏の時にとっとけよ!」
修二「シー!むつ、ここ、お店だよ」
むつ「ご、ごめん」
あぶねぇ…男に向かって彼氏なんて…、ここに奏一さんいたら超睨まれてるとこだった。
俺は人目を気にしなさすぎるって怒られたんだった…
修二「マキはどれにするの?」
マキ「えっと…これにする」
むつ「花柄?女っぽねぇ?」
マキ「可愛い僕にぴったりでしょ?」
むつ「可愛いって、自分でいうか?」
華南「ほらほら、夕飯遅くなるぞぉー」
その他数点をカゴに入れ、俺たちは、買い出しを済ませてマンションに帰った。
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