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番外編1ひと夜咲く純白の花の願い
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.〜〜〜〜媚薬の中の真実〜〜〜〜
マキ番外編続編。
『ひと夜咲く純白の花の願い』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
……思い出は……)
……色褪せる……)
……キラキラ輝いた青は……)
……過ぎた時間の長さに薄れる……)
修二と修学旅行みたいに語らってから
5ヶ月が経とうとしていた。
僕はあの日、確かに荒れていた。
自分の中の感情がコントロール出来なくて。
あの日の昼間のメイちゃんが…
メイ『もしもし、百目鬼さん、サンプル上がりましたよ、お届けに…はい、あっ、まだです、いいんですか?こないだも美味しい店に連れてっていただいたのに…あ、はい、分かりました。それでは失礼します』
マキ『……メイちゃん、デート?』
メイ『え!?違いますよ、サンプル渡すついでにお食事を…』
マキ『顔真っ赤だけど』
メイ『は、話しを!お話しを聞いてもらってるだけです!』
僕の予想は外れなかった。引き合わせてから仕事で時々連絡とってた2人は、今では食事を一緒にする仲になってた。
だから、終わりにしようと思ったのに…
修二『失恋して来なよ』
その言葉に、彼の瞳に、動かされ、今もあがく…。
でも、そう簡単に会えはしない。
チャンスも無い。
マキ「…あッ…んあっ……はぁ…」
男の上に跨って、好き勝手に跳ねる体は、快感を追って動きを早める。
絶頂に向かって激しさを増すと、マキの首でチャランチャランとネックレスが音を立てる。
マキ「…フッ…、足りない…もっと、もっと好きにしていいよ…アッ…ああッ」
……ただ…時々……夢に見る……)
……渇望しながら甘やかす、あの瞳を……)
……あの夢のようなひと時…)
……あの愛に飢えた瞳は…)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
マキ「…潤ったかな?………」
真っ白なベッドに全裸で横になるマキが、天井に向かって呟いた。
あの砂漠のような瞳は…癒しを見つけることが出来たのだろうか?………
マキの隣にいた二十代後半の男、桜木が、マキの滑らかな肌を指でなぞる。
桜木「何?マキの肌は綺麗だよ」
マキ「……。ふふ…そうだね、桜木さんのおかげで潤った」
桜木「俺のおかげ?…フッ随分搾り取られたもんな」
マキ「えー、これでも遠慮したのに」
桜木「参ったな…、マキは本当にケダモノだ」
マキ「ふふ、どうもありがとう♪」
桜木は、火照ったマキに、水のペットボトルを手渡し、マキがそれに口をつける。
桜木「もうすぐ冬休みだね。今年のクリスマス、お相手はいるのかな?」
マキ「誰もいないよ、知ってるくせに」
桜木「いやぁ…、去年は断られたからね」
マキ「ああ、アレは友達だよ。でも、今年は水入らずでやるんじゃないのかな?」
桜木「じゃあ立候補させてよ。プレゼントにネックレス買ってあげようか?今付けてるのだいぶ痛んでるね」
マキ「…あぁ…、コレ?付けっぱなしだからね………」
視線をネックレスに落とし、そっと触れる。
四角い銀の外枠に触れると指にザラっとした感触。付けっ放しでお風呂に入ったりしたから、銀が禿げていた。
百目鬼さんに買ってもらってからずっと付けてたけど一度壊れて外した。だけど、修二が治してくれて…それからまたずっと付けたまま…何もかも引きずったまま…。
桜木「…大切な…もの?」
マキ「何で?、フフッ、違うよ」
桜木「そんな顔見たことない」
マキ「あは、ただの古いネックレスだよ、付けっぱなしで錆びちゃてる、大切な品ならもっと大事にするよ。例えば、これから桜木さんに貰う高いネックレスとか♪」
桜木「こりゃ参った…ブランド物は勘弁してください…」
マキ「フフッ、嘘。高いのは興味ない…」
桜木「来週会う時一緒に買いに行く?」
マキ「桜木さんも欲しいもの決めといて、僕も買うから」
桜木さんとは、先生公認のセフレ、知り合って随分長い。
僕は桜木さんに必要以上に踏み込まないし、桜木さんも僕との距離の取り方を分かってるから、ちょっとイベントごとをしてみたりもするけど、ホテル以外で会ったことはない。
あれから…、随分時間が経った。
修二達は同棲して半年。
僕は、もうすぐ高校を卒業する。
桜木「マキ、携帯光ってるよ」
マキ「ありがと…」
《明日、鍋パやるからおいでよ。修二》
マキ「…フフッ、泉から告げ口がいったか…。修二怒ると怖いのになぁ…」
修二に、失恋してくるって約束したけど…これは破ったことになるんだろうか?
だけど、実際は結構手遅れだった。
会うチャンスもない。
それに…
今頃、メイちゃんと…
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マキ「おっ邪魔しまーす♪♪」
修二「マキ、昨日、泉さんが探してたよ」
問い詰められはしない、若干冷ややかな目で見られて、マキは肩をすくめる。
お、やっぱり怒ってました。
でも、問い詰めない、僕の気持ちは誰より分かってる、それが修二。
でも、今日は一段と怖い…。
華南「まぁまぁ、寒いからとりあえず、上がれよマキ」
むつ「マキ、お前まだフラフラしてんの?」
ここは、修二とむつと華南の愛の巣。
同棲して半年。
そこに僕はちょくちょく遊びに来てる。
マキ「いいじゃん、冬休みくらい…」
修二「昨日は冬休みじゃないだろ」
マキ「もうなったよ、それに僕はフラフラしてません」
むつ「フラフラしてるって言うんだよ」
呆れ顔のむつ。
台所から、修二が本日のメインの鍋を準備してくれている。
修二「寮を抜け出す回数増えたって?」
マキ「だってつまんないんだもん、ここの隣空かないかなぁ」
修二「お隣は空かないよ」
マキ「ちぇ〜ッ」
むつ「マキ、お前も手伝えよ」
マキ「はーい♪」
この3人といると、凄く楽しくて凄く和む。
出会った時は、まさかこんな風に友達になるとは思わなかった。今では、僕の癒し。
むつ「マキマキ、俺、二段階目の試験通ったぜ」
マキ「あは♪順調じゃん♪」
むつ「食べ終わったら揉んでやるから感想きかせろよ」
マキ「うん」
むつは、修二と華南と過ごす時間を増やすため、2人を癒せるならと、昼間のマッサージの仕事に転職しようとして頑張っていた。
いつも相手のことを思い合う3人が羨ましくて、いつも楽しいから、あっという間に時間がたっちゃう…。
マキ「あー、もう終電だぁ。帰るねぇー」
修二「泊まってけばいいのに」
マキ「ウフフ、修二がワンナイトラブしてくれるなら泊まる♪」
むつ「帰れ!」
マキ「はーい♪帰りまーす♪」
華南「駅まで送ってくよ」
マキ「ヤダなぁ、華南は夜道で僕に襲われたいの?一人で帰れるよ」
修二「雨降ってるよ」
むつ「マキ、傘貸してやるよ」
マキ「いいよ、返しに来なきゃいけないじゃん」
華南「こいよ、そんでまた一緒に飯食えよ」
この3人といると、温かい気持ちになる。
僕の求めてるものを…彼らは持っている。
結局傘を借りて帰り、ホームに来てた満員電車に乗った。
3人に会えて、ポカポカした気持ちのしていた僕は、油断していたのかもしれない…。
降りる駅で前に進もうとしたら、何かに引っ張られ、振り返る。
傘が、ドアに挟まってていた。
ええ!?
ぬ、抜けない!!
人もいる混んでる電車で大きい動きはできないし、この傘は修二達傘。マキは下車するのを諦めて、ドアが開くのを待とうと考えた。
それが、すべての間違い。
車掌「お客さん、終点だよ」
え?!
気づいたら全く知らない駅だった。
しかも、折り返しはとっくに終わっていた。
マキ「寒ッ!」
真冬の雨の中、ほとんど眠ってる街に放り出された。
直ぐに泉に電話したが、泉は最近の外泊を怒っていて、勝手にしろって怒られた。
財布の中身はほとんど入ってないし、カード類は高校生の持ち物じゃないと言われ、普段先生に預けてある。
仕方ない…朝まで待って始発で帰ろう。
残り少ない小銭で、屋根のある場所を探す。
雨は強くなり、足元が濡れてきた。
さっきまで、あんなにポカポカした気持ちだったのに、もう、しぼんでる。
チェッ、こんなことになるなら、修二達の家に泊まれば良かった…。でも、あそこは居心地が良すぎるし、僕がいたら思う存分セックスできないだろうし。まぁ覗くのもいいけど、修二は僕が泊まったらむつと華南の誘いを断って大人しく寝てしまうんだろうし。それはつまらない…。
トボトボ歩いていると
突然!
脇道から自転車が飛び出してきてドンッとぶつかった。
マキ「わっ!」
ーガシャーン!
自転車はひっくり返り、マキは、植え込みに倒れこんだ。
さ、最悪。さっきまで幸せな気持ちだったのに…。
マキの嘆きは、誰にも届かない。
自転車を運転していた年配の酔っ払いは、青ざめて「す、すまん」とだけ言って自転車で走り去る。
マキは、ため息混じりに植え込みから起き上がった。
マキ「痛ッ…」
左腕に、鋭い痛みが走る。
倒れこんだ時、ブロックにぶつけてしまったようで、耐え難い痛みにうずくまる。
ヤバイ?骨にヒビいった?…。
ああ…、今暗くて見えないけど、絶対痣になってる…、泉や先生に見られたら、また外出禁止になっちゃうよ…。イタタタ…。
マキは植え込みからなんとか立ち上がり、濡れて泥まみれ、こんなんじゃ雨宿りも出来ないし、怪我したとなれば帰る事も出来ない。
落とした傘と手荷物が無くなってないかキョロキョロして、傘を拾おうとした。
その時、胸元の違和感に気が付いた。
マキ「あっ…」
瞬間、パッと胸に手を当てる。
マキ「無い!」
ネックレスのトップスが…、百目鬼さんからもらったキーホルダーが無い!
マキ「…」
ザァー……
雨は降り続き、体は濡れて冷える。
探しても探しても、暗くてキーホルダーが見つからない。
もう、洋服はずぶ濡れ。
無い、無い、見つからない…
マキ「…そうゆうことなのかな…」
持っていたところで、何も変わらない。
アレと交換したぬいぐるみはとうに捨てられた。キーホルダーを持っていても、意味はない。
錆びて色褪せていつかは消える物。
そうゆうこと…。
捨てる手間がはぶけたと思うべき…。
そうして雨の中、ぼーっとしゃがみこんでいると…後ろから声をかけられた。
「あの!大丈夫っすか?」
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