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番外編35ひと夜咲く純白の花の願い
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夕飯は、雪哉さんが来て作ってくれ美味しいご飯を食べた。胃の調子がイマイチの百目鬼さんはおじや。
食後のデザートにってケーキを持ってきてくれてて、百目鬼さんが恨めしそうに見る中、僕はワザと美味しい美味しいと大声で食べる。
百目鬼「…」
雪哉「くははは…、神、お預けくらった犬みたいな顔してるよ?」
百目鬼「うっさい、俺は食いたいなんて思ってない」
そう言いながら、僕の口元を凝視して、口の中に消えていくケーキをなんとも言えない表情で見つめている…。
百目鬼さんって可愛すぎてマジウケる。
マキ「百目鬼さん、あ〜んして♪飾りの苺あげるよ♪」
百目鬼「いらん!」
苺から視線は外れないのに、意地を貼るティーカッププードル。ふふ、超ウケる。
雪哉「でも、昨日の様子と違って元気そうで良かった。昨日はあんなにげっそりみすぼらしかったのに、シャワー入って髭剃ったらいつも通りだね。……いつもより良いくらいかな?可愛いマキ様にお世話してもらえて良かったね」
百目鬼「は!?」
飛び上がって動揺する百目鬼さんは、雪哉さんの言葉を下ネタで捉えたみたい。なんて間抜けなんだろう、僕らが何してたかなんて雪哉さんには分からないのに…。
僕はこの時、百目鬼さんが動揺した本当の理由には気づかなかった…
マキ「ふは♪そうなんですぅ♪百目鬼さん見張ってないとご飯も薬も面倒くさいって、子供みたい♪コーヒー飲めるくせに薬の苦いの嫌みたい。熱下がったと思ったらすぐ仕事とかしようとしたり本当お世話が大変♪」
百目鬼「ぐっ…」
雪哉「あはは、流石マキ様。神の幼稚な隠し事なんかお見通し。粉薬苦手とか、このヤクザ顔で笑っちゃう。それに、仕事より体治してくれないと、矢田ちゃんが心配してたよ」
百目鬼「矢田が?」
雪哉「うん、来る時下で会った。もう治ったみたいで、『百目鬼さんは〝無事ですか?〟』って深刻な顔してたよ、神に移したの相当気にしてた」
百目鬼「なんだ、入ってくりゃあ良かったのに」
雪哉「俺もそう言ったんだけど、なんか用事があるって言ってたよ」
百目鬼「用事ぃ?」
事務所が休業してるのに、何やってんだ?と百目鬼さんは、不審に眉を寄せた。
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雪哉さんが帰った頃、百目鬼さんの携帯に賢史さんから電話が合った。どうやら梅さんの孫の行方を掴んだみたい。百目鬼さんの知り合いから集めた情報を賢史さんが調べた結果居所を掴んだのだとか。
百目鬼「分かった、引き続き頼む」
携帯を切った百目鬼さんは、大きなため息をついた。どうやら、状況はかんばしくないようだ。
マキ「百目鬼さんお風呂は?」
百目鬼「夕方入ったからいい…」
マキ「そっか♪」
百目鬼「………」
ニコニコしている僕を無視するつもりだったのだろう。でも、耐えかねた百目鬼さんが、僕に訝しげな顔を向ける。
百目鬼「…で?、お前は何故俺に跨ってる」
ベッドの上で横になってる百目鬼さんの太もものあたりに跨ってニコニコする僕を、怪訝に見上げてきた。
マキ「ふふ、仕返し再挑戦しようと思って♪」
百目鬼「…さっきヤったばかりだろ」
マキ「さっきのはノーカンでしょ?それに僕はまだまだイケるよ♪」
百目鬼「お前は馬鹿なのか?俺がキレちまうんだから仕返しにならないだろう、なんか違う方法にしろよ」
マキ「やだ♪、百目鬼さんが好きにしていいって言ったんだよ?百目鬼さんは自分で言ったことの責任もとれないの?」
百目鬼「うっ…」
マキ「昼間は百目鬼さんも久しぶりだったんだから、仕方ないよ、もう抜いたから大丈夫でしょ?チャンスじゃん♪それとも…若くないからもう勃たない?」
百目鬼「…」
マキ「責任、とるよね?♪」
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マキ「あっ、あぁっ…ッごい…あん…百目鬼さん」
再びマキは、ベッドに上半身を押さえつけられて尻を高く上げた状態で犯されていた。
百目鬼は、やはりキレた。
さっきセックスしたので、今度は余裕のあるマキと違い、さっきと変わらぬ飢えた瞳と熱量で激しくマキを喰らい尽くそうとする。
マキ「あぁ…百目鬼さぁん、いい…」
百目鬼「くっ…はぁ…」
マキ「あん…奥…もっと突いて…百目鬼さんの太いので…」
艶めかしく身をよじり腰を振ってお強請りする強烈さに、百目鬼は容赦無く突き上げかき回す。
どんなに乱暴にしても、どんなに貪ってもも、マキの白くて柔らかい体は全て受け入れて淫らな甘い声をあげ、淫靡な表情でジュピター色の瞳を濡らす。
マキ「あっ、いい…」
その焦がれた瞳で百目鬼を見つめ、猛獣を受け入れる。
本当は…抱きしめてあげたい…。
でも、百目鬼さんの強い腕がそれを許さない。
それでも、百目鬼さんが僕に欲情してくれてるのは確かで、時たま溢れる吐息に僕の名を呼ぶ…
僕の体は彼に貪られて歓喜して、その低音で囁かれるたびに身を震わす。
好きな人とのセックスは、今まで感じたことのない快楽と甘みを含んでいて、油断すれば僕もとんでしまいそうだ。
初めての相手とのセックスは、何も分からない中で、彼を満足させることに全てのエネルギーを注いでた。好きな人としているのだから、嬉しいし気持ち良かったけど、一生懸命で、全身で相手を感じる余裕はなかった。
あの頃とは何もかも違う。
あらゆる技術を身につけ、経験も豊富で、自分の良くなる方法も知ってるし、酷いやり方された時の痛みの逃がし方も知っている。
どうしようもない過去だけと、今は、そうであって良かったと思う。
その経験があって今の自分があるから、百目鬼さんの獰猛なセックスを受け入れられる。
あの過去が無ければ、こんな体にはならなかったし、修二とは出会わず、百目鬼さんにも出会わなかっただろう。
セックスしているだけなのに、あんな過去をあれで良かったとか思っちゃうんだから、僕も末期だ。
百目鬼さんのセックスは、本当に何もかも手に入れたいと言っているようで、その乱暴さが〝俺のものになれ〟と言っているようで、僕には甘い媚薬のようだ。何をされてもいいと思ってしまう。
百目鬼さんがキレてる間は、百目鬼さんは僕のもの。
唇を重ねることも、見つめ合うことも出来ないけど、彼は僕に欲情している。
この欲望だけは、僕に向けられている本物の感情だ。
百目鬼「マキ…」
マキ「百目鬼さん…好きだよ…」
真っ白なシーツに向かって呟く…
言葉は、そのままシーツに消える…
修二…。
好きな人とのセックスは、心臓が壊れちゃうって言ってたけど…、やっぱり僕には分からない…。
気持ちよくて幸せで…、でも、それ以上に苦しい…
それでも、触れてもらえるのが幸せで止められない、好きだから触れたくて、触れて欲しくて、だけど苦しくて…、それでも、好きだという感情は増すんだ。
今の行為が終わって、後悔する百目鬼さんを可愛いいと眺めながら、僕は…
百目鬼さんに焦がれる…
好きだと言い続け、この体を使って彼が振り向いてくれるのを待つことしかできない…
過去があるから、百目鬼さんの全部を受け入れられる。だけど、過去があることで、僕は百目鬼さんの好みから外れる。
あとは、何もない。素直に好きだという事しか、僕には残ってない。
背面騎乗で跳ねる体を支えようと腰に回された百目鬼さんの手を握りしめ、指に口づける。
マキ「あっ…、激しい百目鬼さん好き、んん…、もっと百目鬼さんのでいっぱいにして…」
百目鬼「くッ!!…」
マキ「あぁぁーー!!………」
百目鬼さんが、僕に溺れればいいのに…
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夜の街に彷徨う足音。
その人物矢田は、その足で聞き込んだ情報を手にある店を探していた。
矢田「話では確か、ここら辺に……。あった。ここが、昔マキちゃんの出入りしていたお店……〝dawn〟。ここで聞けば、正体が分かる…」
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