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番外編40ひと夜咲く純白の花の願い
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目隠しと猿轡をされたまま、どこかに連れ込まれた。
服を頭から被らされて歩かされる。
入り口らしき所で人と接した様子は無く、自販機のようなガチャカチャンという音で何かを取り。廊下やエレベーターを移動したことを考えると、おそらくラブホテルだろうと推測する。
部屋に押し込まれた僕は、ボディーバックを取り上げられ、ベッドに放り投げられて縄で手錠ごと横向きでつながれた。
前側で拘束された手で目隠しを外す。
そこはやはり、どこかの古いラブホテル。
僕は冷静に周りを見渡した。
猿轡は、硬くて結び目が後ろで取ることが出来ない。
賢史さんが僕のカバンを漁ってるのが目に入った。ボディーバックの中身は非常にまずいものだらけ。財布と携帯、それからポーチ。
ポーチの中身に、賢史さんは呆れて鼻で笑い、中身を取り出して並べた。
しまったと思ってももう遅い。ポーチの中身は、催涙スプレー、縄、ローションとゴム。カプセルと液体の媚薬と、催淫効果のある香水。そして、惚れ薬の赤いハートの瓶。
ハニートラップを疑ってる賢史さんには、立派な証拠として誤解される品物ばかり。
それから携帯を調べて、憎たらしそうに鼻で笑った。
賢史「やっぱりな。お前、修二の差し金だったんだな」
何を根拠に言ってるんだと思ったら、賢史さんは僕のメールを読み上げた。
賢史「『そっちは順調?』『全然落ちない。手応えが無いわけじゃないんだけど…』『そっか、まぁ、じっくり行きなよ』『手強いのってなかなかないから萌える♪』ってか?ハニートラップに掛けるつもりだったんだろうけど残念だったな」
マキ「う¨ー!」
誤解だ!!修二はそんな事する奴じゃない!
賢史「なんだお前彼氏いんのか?〝桜木さん〟?ふーん、クリスマスはこいつと過ごす予定だったのに、違う男にせっせと股開いてたのか、最悪だな」
ヤバイ、どんどん話がヤバイ方向に進んでる。最悪なのはお前だ!刑事なら片寄った考えで物事を見るな!馬鹿!
メールには、僕が告白して振られた話しも入ってるのに、そこはスルーしやがった!
僕の携帯をざっと見た賢史は、次に財布の中から1枚のカードを取り出してニヤニヤ笑った。
賢史「どーりで、調べても調べても分からないわけだ。〝マキ〟ってぇーのは、偽名だったんだな」
そう言って賢史が保険証を僕に向けてきた。
別に偽名じゃない、元々はあだ名だ。
お客とセフレと〝怪しい奴〟以外には、聞かれたら普通に答えたさ。あんたは殺気だだ漏れで僕の事調べようとしてるの分かってたからね。
賢史「今回は矢田がいい働きをした。お前の正体をあいつが調べてこれるとは思わなかったぜ。お陰でお前を捕まえるネタが出来た」
調べたっていうか、百目鬼さんのために呼んだ先生から足が着いたってだけだけど。
賢史「悪いが俺も調べさせてもらったよ。お前偉そうに仕置人みたいな事やってんだってな。あそこ一帯でお前の事知らない奴ほとんど居なかったぞ」
…。
賢史「偉そうに、その体で上手い具合にたらしこんだんだな。エッロい体してんもんな」
苦々しく言いながら、僕に近づいて、ニットワンピースから伸びる生足に触れてきた。
賢史「おっ!スベッスベ、…超手触りいいじゃん。ふーん、これで神をたらしこんだのか…どれどれ」
太ももを撫で回して、手が上がってきたと思ったら、いきなり、ニットワンピをガバッとめくり上げられて胸まで一気に捲り上げられた。
マキ「ん¨う¨ー!」
賢史「ハッ!なんだなんだ女みたいな
体してんだな、真っ白で、柔けぇし、ハハッ、神の歯型発見。ってか、左胸にピアスとかしてやがる、ドMでド淫乱か?」
賢史の手が舐め回すように這い回り、ゾワゾワと嫌悪感に包まれていたが、百目鬼の残した歯型に触れた瞬間、ゾクッと甘い痺れが体を伝った。
賢史「ハハッ、感度良すぎだろ、どんだけ慣らされてるんだよ」
こ、こいつ、百目鬼さんの跡の上ばっかいじりやがって!
賢史の指が歯型をなぞるたび、言葉にできない快感が体の中を駆け巡る。今朝まで抱かれていたこの体には、まだ生々しく感触が残ってる。
賢史「そうやって神に迫ってたらしこんだのか、あいつに迫るのは簡単だったか、あいつの悩んでる暴走癖を利用して、卑怯なやつだな、神が言ってたぜ、『限界だから早く居なくなってくんねぇかな』ってさ」
ッ…、だから、出てこうとしてたんじゃないか!もう終わったんだよ、いちいち言われなくても分かってんだよ!このいじめっ子!
こいつサドだ!百目鬼さんのサド仲間だ!
でも百目鬼さんの方が断然可愛いい!
賢史「…、でも残念だったな、お前じゃ神を落とす事は不可能だぜ」
マキ「う¨ん¨!」
痛ッ!ピアスそんな引っ張ったら、もげちゃう!!
賢史「お前、なんで神がお前を振ったか分かるか?」
…、振った理由?
そんなの、あり過ぎて…
僕が言葉に詰まると、賢史さんは口角を上げて得意げに笑った。
賢史「ハハッ、お前、ソックリなんだよ。〝小日向修二〟に」
一瞬、なんの事を言われてるか分からなかった。だって賢史さんに会うのは今日で2回目。僕と修二の外見は、似てはいない。かといって、中身が似てるのが分かるほど話してはいないはずだ。
賢史「フハハッ、反応まで同じでやんの。驚いても驚かないふりして頭ん中はフル回転。チャラけた態度で誤魔化して、強く見せて、本当は弱くて、脆い。なのに健気で可愛い。嘘つきで本音を見せようとしないから、本当はどんなか暴きたくなる。まぁ、修二の方はなかなか隠せてなくて強がってんのが良かったけどな、てめぇは全く感情を漏らさないで、神をたらしこんでなかなかの籠絡させ具合だな」
……………………………………。
僕と修二はどこか根っこの部分が似てる。
それはお互い感じていた事だけど…
そうか…、それで百目鬼さん、あんなに狼狽えて引っ掻き回されたって言ってたのか…
あは♪百目鬼さんどんだけ修二が好きなんだ…。
かなわないなぁ…
そっか…百目鬼さんは…
僕と修二が似てるって…
それで……………
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