アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
番外編94ひと夜咲く純白の花の願い
-
.
百目鬼『そうしたら、今みたいに素直に話すんだろ?他の奴に触らせないんだろ?』
それって独占欲?
それって嫉妬?
それは、僕を可愛いと思うから?
それとも…
ほんのちょっとは僕のこと……………
温もりに包まれる幸せな夢を見た気がして目が覚めた。
瞼を開くと、そこは自分の部屋で…
見慣れた天井…
あたりは薄暗く、カーテンの間から漏れるのは月明かり。
マキは1人。
ゆっくりとベッドから起き上がった。
マキ「夢?」
甘い痺れの残る下半身に、そうではないとなんとなく分かっていたが、部屋には、マキしかいなかった。
暖房の効いた部屋は、寒くはない
寒くないはずなのに……
マキ「……ふふっ……ふふふ……」
なぜか可笑しくなって笑いが漏れる。
夢ではない。
甘い痺れも、繋がった鈍い重みも、道具を使ったヒリヒリとする感触も残ってる。
だけど…
マキ「ふふふ…、いないでやんの…。ふふ、酔ってたのかな?…お酒の味はしなかったけど…」
ぺろっと唇を舐め上げ、百目鬼さんのキスを思い出す。アルコールの味はしなかったし、息も普通だった。
となるとアレか、僕が泉に乗り換えると思ってつい手が出た?
まぁ、どっちにしても、今頃後悔してるんだろう。
しかし勿体無いことしたなぁ…、僕寝ちゃったのか……
あまりに驚きの展開に、主導権が握れなかった…。
しかし、修二効果はすごいなぁ…1回会っただけで、あんなにキレなくなるなんて、予想外も予想外。
僕は、1週間以上そばに居て色々言ったけど、全く進歩なかったって言うのに…。
マキ「…シャワーしてこよー…」
ジンジンとする下半身でなんとか踏ん張って、下の風呂場に向かう。
どうせだれも居ないからと、全裸で下りていった。
暖房の効いた部屋から出たら、廊下は寒くて、肌が刺すようにピリピリと痛む。
だけど、それすら気にならない痛みがあって、でも、それに気づいてはならない。寒いのは、どうせすぐにお風呂に入るからと裸でペタペタと階段を降りて1階の廊下に降り立つ。
マキ「………あれ?」
廊下に漏れる明かり。
奥の台所に電気が点いていた。
台所を覗くと、中の光景にマキは驚いた。
台所では、百目鬼さんが料理を盛り付けていた。
ワイシャツにスーツのズボンの百目鬼さんは、僕に気がつき眉をしかめる。
百目鬼「お前は何で裸で歩き回るんだ」
マキ「ぁ……誰もいないと…思って…」
僕の返答に、百目鬼さんはハッとして、〝帰ったと思った〟と考えてた僕の言葉の意味に気がつき、料理の盛り付けをやめつ僕の頭を撫でた。
百目鬼「悪かった…。お前失神した後お腹鳴ってたんだぞ。夕飯まだだったろ、俺も買い物袋放置してたの思い出してな」
失神!?
僕、寝たんじゃなくて失神したの!?
嘘でしょ!?僕、先生のテク以外で失神したことなんてないのに!!
てか、失神でお腹鳴るってどんだけ恥ずかしいやつなの!?
羞恥にパニクってると、百目鬼さんに再び頭を撫でられた。
百目鬼「あー…大丈夫か?風呂入れてやろうか?それとも飯食うか?」
無理をさせたとバツの悪そうな百目鬼さんがテーブルに用意していたのは、ハンバーグ。
マキ「美味しそう♪!…今すぐ食べたいけど、サッとシャワーしてきていい?」
百目鬼「ああ、その間にスープあっためる」
まるで出来る奥さんみたいな百目鬼さん。
僕はすぐにお風呂に行って、ベタつくとこだけ綺麗にして直ぐに出た。
百目鬼「コラ!拭けてねぇーだろ!」
湿った体にパジャマを被ったら怒られた。
いつもみたいに百目鬼さんが僕の頭をバスタオルでワシャワシャ拭いて、食卓についた。
マキ「いっただきまぁーす♪」
肉汁溢れるジューシーなハンバーグ。
頬張った瞬間幸せな味がした。
マキ「美味しいィ〜〜♪」
今日も僕の好きなメニュー♪
百目鬼さんは僕の好きなものを当てるのが上手。
マキ「こんなに美味しいの食べちゃうと、他の食べられなくなりそう♪♪」
百目鬼「大袈裟だなぁ…」
マキ「ほんとほんと!百目鬼さんの料理の中でコレが一番美味しい♪あー、甘いのは別ね、甘いのの1番はフレンチトースト。主食の中ではこの、ハンバーグが1番♪」
百目鬼「…そうか」
なんだか照れてる様子で声の小さい百目鬼さん。可愛い♪
百目鬼「こないだ…リクエスト貰ったろ?」
マキ「リクエスト?」
百目鬼「…」
なんのことかピンとこなくて聞き返したら、ジッと睨まれた。
ヤバイ…。マジ覚えてない…。
百目鬼「…俺の好きなメニューだよ」
マキ「あー♪!百目鬼さんの好きなメニューね♪って!百目鬼さんハンバーグ好きなの!意外♪♪」
可愛らしいメニューだったから、ついつい口元が緩んじゃう。百目鬼さんは僕を睨み付けながら、説明してくれた。
百目鬼「実家が定食屋だって言ったろ?おふくろの看板メニューだったんだよ」
マキ「あは♪おふくろの味♪通りで優しい味がすると思った♪♪」
褒めたのに、百目鬼さんは不機嫌になってしまい。その後はあんまり会話は弾まなかった。
幸せな時間は、やっぱりなんだか現実味がない…。
美味しいご飯、家族の話…
とっても楽しい…
だけど、地に足がつかないみたいな感触…。
初めての感覚だった。
夕飯食べて、寒いからって一緒に湯船に浸かって、頭をまた乾かしてもらって…
同じベッドに潜り込む。
僕は、いいのかな?いいのかな?と思いながらだったけど、百目鬼さんは自分からその流れの中で積極的だった。
ベッドでは、今や当たり前のように百目鬼さんの腕枕。
マキ「……百目鬼さん」
百目鬼「ん?」
マキ「…おやすみのキスしていい?」
瞳を瞬いて、恐る恐る聞いてみると、百目鬼さんは可笑しそうに笑った。
百目鬼「さっき散々しただろ」
さっき…。
やっぱり夢じゃないんだ…。
百目鬼さん…僕のご主人様になったんだ…。
百目鬼「足りないのか?エロガキ」
マキ「…足りない…」
足りない…。全然足りない…。
マキ「…ねぇ、もう一回シよう?今度は僕が上でさ♪」
百目鬼さんの上に抱きついて妖艶に微笑み、ペロッと舌を舐めあげる。
さっきあんだけ僕に好き勝手したんだ、僕だって、百目鬼さんが快感に酔いしれる様が見たい♪
百目鬼「おい…無茶は…」
マキ「してない♪お利口にゆっくりするから♪ね♪」
潤んだ瞳で百目鬼さんを煽り、愛しさに抱きしめて、百目鬼さんの唇を奪う。
百目鬼さんは僕を迎え入れるように口を開き、舌を絡めた。
その日僕らは、散々繋がって、
何度も快感に酔いしれて
開放で横たわり
お互いの早い鼓動を感じながら抱きしめあったまま眠りについた……
、.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
519 / 1004