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百目鬼から見たマキ…
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2月下旬某日
マキ「ねぇ、ねぇ、百目鬼さん♪」
俺のベッドで、全裸で寝そべってるマキが、大きなジュピター色の瞳を潤ませて、わざとらしいかわい子ぶりっ子の上目遣いに猫なで声で話かけてきた。
俺はガウンを羽織った状態でベッドの端でパソコンを膝に乗せ、仕事のメールをチェックしていた。
百目鬼「なんだ」
マキ「あのさ♪、お願いがあるんだけど…」
マキの口から〝お願い〟なんて嫌な予感しかしない。またくだらないことか、変なプレイの提案か、そう思ったからパソコンから視線を外さず、生返事だけ返した。
百目鬼「なんだ」
マキ「あの…さ、今度の27日か28日に1時間くらいでいいんだけど、買い物に付き合って?」
百目鬼「は?」
意外にまともな申し出だったので、パソコンからマキに視線を移すと、ヘラヘラしたマキは意外なことに、少し緊張した様子だった。
百目鬼「買い物?」
マキ「うん」
百目鬼「俺とか?」
マキ「…ほら、もうすぐ修二の誕生日じゃない?」
確かに、修二の誕生日は2月28日だ。
だが、買い物と言うことは、修二への誕生日プレゼントでも買うのだろう。
俺は適任だとは思えない。
百目鬼「1人で行ってこい」
マキ「あのね、あのね、1人じゃ行きづらい所なんだぁ。百目鬼さんと僕が行った水族館覚えてる?」
百目鬼「ああ」
マキ「あそこでね、またラ◯センのコラボキーホルダーやっててね、今度は限定ポスターもやってるんだ。それをプレゼントしようと思ってね。だからお願い、百目鬼さん、一緒に行って♪」
百目鬼「は!?」
マキはお願いっと手を合わせ、可愛い顔して瞳を潤ませる。
しかし、それは色々とまずいだろ。
強姦魔の俺との思い出場所で買ったポスターを、強姦魔と一緒に買いに行ってプレゼントって、むつが知ったら速攻破り捨てるに違いない。
しかもなぜ、27か28になんだ、28に至っては当日じゃないか。
百目鬼「俺は無理だ。檸檬貸してやるから檸檬と行ってこい」
マキ「……そっか……そうだよね…。忙しいよね…」
断った途端、いつも陽気なマキが一変して、シュンと項垂れて枕に顔を埋めた。
百目鬼は、マキの思わぬ反応に内心焦った。
グッ…うぅ…
なんだその反応!いつもだったら強引にヘラヘラ笑ってなんかかんか意見を通すだろ。どうした…
シュンとしたマキには、見えないはずの猫耳が見え、その猫耳はシュンと項垂れ下がってて、ミケが餌をもらえず落ち込んで悲しんでる時のような哀愁が漂っていた。
うっ…
プレゼントを一緒に買いに行かないからってこの落ち込みよう…。檸檬とじゃダメなのか?いや…
も、もしかして、俺と水族館に行きたいのか?水族館にってあそこは元々修二との思い出の場所なんだが…、そこらへんマキは気にならないのだろうか?
考えたら色々問題ありの提案なのだが。
マキがどこかに行こうと言ったのはこれが初めてだ。付き合ってるなら、マキのお願いには答えてやるべきだろう…
百目鬼は悩んだが、マキは一緒に選んでと言ったわけではない。物は決まっているのだから…と思い、目の前でシュンと寂しげなマキに答えてやることにした。
百目鬼「……28日は時間あるが本当に1時間程度だ。26日なら時間に余裕があるが…」
マキ「本当♪♪!?」
ガバッと起き上がったマキが、百目鬼に飛びついた。その拍子にパソコンが落ちそうになり慌てて支え直す。
満面の笑みのマキは、瞳をキラキラさせて、俺に抱きつくもんだから、妙な気持ちになッちまう。
マキ「ありがとう百目鬼さん♪♪僕は26はダメだから、28ね♪お礼に夜はサービスするから♪♪」
約束を取り付けると、マキはいつもの調子に戻った。
そこもしおらしくしてたら可愛げがあるのに、マキはぺろっと舌舐めずりした。
百目鬼「サービスしなくていい!翌日学校だろ!」
マキ「えー、いいじゃんいいじゃん、サービスされてよ♪♪」
下ネタはグイグイくるマキに呆れながら、俺はメールの返事を書くためにリビングに出ることにした。
百目鬼「寝室でいい子にしてろよ」
マキ「は〜い」
そう言って寝室のドアを閉めた。
マキは、胸のあたりをギュッと掴み、頬を緩ませる。
マキ「………やった♪…へへっ…」
マキは嬉しさに枕を抱きしめ顔をうずめる。
ふふっと笑いが漏れて、約束の日を想像してワクワクしていた…。
マキがそんな風に楽しみにしてるなんて、百目鬼はまだ知らない……。
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