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嵐を呼ぶのはいつもマキ様
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ーピロリン♪
メールの着信音。
制服の胸ポケットから出した携帯の表示画面には
〝10時41分♡修二♡〟の文字。
泉「マーキー、携帯マナーモードにしときなさい。今が休み時間じゃなかったら没収ですよ」
泉の渋い声が教室で聞こえてきて、僕はぺろりと舌を出す。
マキ「てへ♪忘れてた♪」
泉「忘れてた?私の記憶が正しければ、さっきっから何度も携帯をチラチラ見てましたが?」
マキ「あん♪泉くん僕のこと見過ぎぃー。惚れないでね♪…」
泉「ふざけたこと言ってると休み時間終わっちゃいますよ」
不機嫌に眼鏡を持ち上げて、冷めた表情の泉。
僕は「はーい♪」と力の抜けた声で答えて、修二からのメールを開いた。
《マキごめん(>人<;)っつ
昨日むつが百目鬼さんと鉢合わせて余計なこと言ったみたい。電話したかったけど今学校だよね?昨日は百目鬼さんになんか言われた?喧嘩しなかった?マジホントごめんm(__)mっつ
むつに怒っといたから°°・(>_<)・°°》
マキ「あぁ……百目鬼さんにコスプレバラしたのむつ君か……じゃ、僕が写メ送ったのがいけないんだ…ふふ、失敗失敗」
明け方帰るむつ君を仲間に入れてあげようと思って、あの日撮ったプリティウサギの修二の写メを、撮ってすぐ送ったが、まさかむつが百目鬼さんと鉢合わせになるとは考えもしなかった。百目鬼さん昨日こっちに来てたからそうなっちゃったんだなぁ…。
修二が今メールしてくるってことは、明け方から今までお楽しみだったんだろう…、てか罠に嵌めたのは僕なのに修二は相変わらずお人好しだな。返信しとこう。
《そうなんだ(((o(*゚▽゚*)o)))僕昨日は百目鬼さんに会ってないしメールもしてないからなんも言われてないよ♡ご心配ありがとう♡(^з^)-☆》
昨日、リスのコスチュームを捨てた百目鬼さんは、あのまま一人で帰っていった。凄く怒ってたから、衝動を抑える自信がなかったのだろう。帰り際一度も目が合わなかった…。
せっかく会えるチャンスだったのに、顔見ただけで終わっちゃった。
僕は、百目鬼さんがもしコスプレに怒っても丸め込めると思ってた。お仕置きだとキレたとしても百目鬼さんは拘束プレイになるだけで多少荒くても優しいし、上手いし、僕は気持ちい。少しづつだけど抱き方も変わってきた。本人はまだ納得いかず悩んでるみたいだけど、僕は、あの束縛するセックスの仕方が嫌いじゃない。何度も大丈夫だって言ってるのに。セックスが終わると百目鬼さんはいつも落ち込む。
昨日の百目鬼さんは凄く怒ってて、取り付く暇もなかった。
その後修二から何度かメールが来て、それに返信したけど、修二はどうも僕の返信に納得いってないようだった。
百目鬼さんは、僕を北海道に連れてってから、一段と優しくなった。
だけど、それと同時に、セックスで凄く気を使ってる。
僕は大丈夫だって言ってるのに、キレちゃう自分を止めたいみたい。確かにまだ乱暴なとこあるけど、僕は〝愛されてるみたい〟に感じるから、だからあのやり方萌えるのに…
そりゃ、優しく甘やかされるようなセックスしてみたいけど、セックスって頭使って全部やることじゃないし、好きで夢中になっちゃえばお互い関係ないのに、百目鬼さんには、そこが足りないんだろうな…
…
ーブー♪ブー♪
もう、またメール?
修二を丸め込むのホント大変……
あっ。百目鬼さん…
《昨日は悪かった。
反省してるなら
連絡してこい》
…。相変わらず下手な日本語。
謝ってきて反省してるならって…。
でも…メールくれた…。
昨日のは目がマジだったから流石にヤバイかと…
百目鬼さんの口から一度も聞かないうちに別れたくはないな…、一回くらい聞けたら、そのセリフを脳内でずっと再生したい。
それまでは…こないだのセリフを…
『みんなお前が大好きだからな』
『大好きだからな…』
百目鬼さんも?
どんなに優しくしてもらっても、どんなに可愛がってもらってても、百目鬼さんがどんなに僕を恋人扱いしてくれても、僕は自信がもてない。
だって、言われたことがない…
味わったことがない…
僕は誰かの1番になったことがない…
僕は百目鬼さんが本当に好きな人をどんな風に口説くのか、愛を囁くのか知ってる。
惚れ薬で惚れた時…
そして修二を口説いてた時
もっといっぱいエッチして
百目鬼さんに大丈夫だって教えてあげなきゃ。
僕が百目鬼さんを好きだって信じてもらわなきゃ…。
百目鬼さんがどんなでも、僕は百目鬼さんが好きなのに…、むしろ、修二に向けてる執着を僕に持って欲しいのに…。
マキ「狂うほど思うその気持ちが、こっちに向けばいいのに…。僕なら壊れないのに…。僕なら…お仕置きも、束縛も嫉妬も全部欲しいくら位なのに…。監禁されたい位なのに…。でも…」
でも…
百目鬼さんはそうは望んでない
普通に人を愛せるようになりたいんだ
普通に優しくできて
普通に恋人を大事にして
普通のセックスをしたいんだ
そうしたい気持ちは分かるけど…
百目鬼さんは百目鬼さんが思うほど酷くはないし、優しくて頼りになって、結構子供で可愛くて…
ライオンの着ぐるみ着たティーカッププードルで、凄く凄く可愛いのに…。
世の中の普通なんて
普通じゃないのに…
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